表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月世界の願いごと~奇跡の花は煌めく三日月の夜に咲いて~  作者: 菜乃ひめ可
第二・五章 文化交流会(魔法勝負後)
50/181

41 文化交流会2日目~答え~

お読みいただきありがとうございます(*'▽')

♪こちらのお話は、読了時間:約7分です♪


(Wordcount3500)


 賑やかで、とっても贅沢なお茶会が始まった。皆には秘密だが、三日月は本日二度目となるおいしい時間。


「さぁさぁ、どうぞ~♪」


 なぜかラフィール直直(じきじき)に、楽しそうな足取りで飲み物を運んできてくれた。


「メルティちゃんは、オレンジとアップルのジュースねぇ。搾りたてをご用意しましたよ~」


「えぇー?!」


 三日月が驚くのも無理はない。おしゃれなジュースグラスには果汁百%の搾りたてジュースは、見ただけで美味しいフレッシュさが伝わってくる。


「「わぁ~い!! ジュースだぷ~♪」」


(メル・ティルちゃん。「だぷ~」って……)


 メルルとティルは大好きなジュースにキャッキャと上機嫌。テンションは上がりっぱなしだ。


「はぁ~い、お次は太陽さん……どうぞ! モカですよ~」


「はっ! ありがとうございます! 大変恐縮です!!」


「またまたそんなぁ、気楽にして下さいよ~。せっかくの珈琲が美味しさ半減してしまいますよッ! あっ、そうそう♪ ブラックでよろしいですか~?」


 三日月と違い、太陽はラフィールと関わることがまずない。初めて話をする場がなんと滅多に参加できないお茶会……それはそれは大緊張であった。しかしそんな太陽の気持ちなど気にもならないラフィールは、いつもの調子でふわふわと話かける。


「はいっ、ありがとうございます!」


「いえいえ、良かったです~フフフ」


 真面目な太陽に、ラフィールは笑って答えた。それからティーワゴンからもう一つ、ラフィールは手に取る。


「さぁ~て♡ お待ちかね……はぁ~い月さんどぉぞッ♪ モカですよぉ」


 カチャン。

 優しく置かれた香りの良い、珈琲の入ったカップとソーサーの音。


 本日一度目お茶会とはまた違った感じの、可愛らしいクマのカップに、あま~い香りのモカ珈琲。「良い香り」と、三日月は笑顔になる。


 すると、()()()と――綺麗な声。


『お約束のカフェオレは、また今度です♪』


 急に耳元で囁かれ「あわわわわ~」と驚き、焦ってしまう。


 もぉ~先生!! という顔で、三日月はいつもと同じようにぷくっと頬を膨らまし、ぷんぷんアピールをした。ラフィールはそれを見てなぜか満足げで悪戯な表情をしながら、三日月の向かいに腰掛ける。


「少しだけ、お話をしましょうか」


 そう言うと少しだけ空気が引き締まり、ラフィールは優しい口調で話し始めた。


「さてさて、月さん。【(key)】使用の()()とした、『魔法を楽しむ事』このお約束は守れましたか?」


 ラフィールの声は、三日月の頭の中に静かに響いていた。


 答えを聞かずとも分かっているかのようなラフィールの力強く優しい瞳に、三日月の心は吸い込まれそうになる。


――あの瞬間、私が感じた魔法への思いを。


 三日月は今回のオリジナル魔法発動と、攻撃(挑戦)が成功したことに、とても大きな達成感を感じていた。未だに考えるとわくわくして、三日月形の弓(クレセント ムーン)を、魔法を好きだと思えるようになっていた。


(これから先、同じ魔法を使ったとしても)


――きっとずっと、今日の魔法(気持ち)は忘れない。


 そして三日月は、星からもらったブレスレットを見つめそっと触れると、ラフィールに自信満々、満面の笑みで解答を言った。


「はい先生!! お約束、守れましたっ♪」


「そうですか、良かったです……本当に」


 ラフィールは、少し感慨深い表情になったがでもすぐにまた、いつもの笑顔に戻る。


「ではひとつだけ♡ 今回の反省点をお伝えしましょう♪」


(うぅっ! やっぱり逃れられないのね~。反省会)


 ――――どうしよぉ。こわいよぉ!!


 ラフィールは、そんな三日月の表情に気付き、クスッと笑いながらゆっくりと話し始めた。


「今回、使用許可を出した魔力レベルは『Ⅱ』です。しかしその魔力を使い切ってしまう程に、身体を消耗していましたね? これがどういう事かは、解っていますか?」


「ハイ……すみません……」シュン。


 三日月の返事を聞くと「解っているのなら」という表情のラフィール。そして、まだ話は続く。


「本戦闘であれば、大変危険なことです。しかしながら、一番心配していた問題である、魔力のコントロールは完璧でした。月さん、ここは文句なしにクリアですよ」


 (良かった! 心配だったコントロールは大丈夫だったぁ)


 ホッとしていたのも安心も束の間。ラフィールは「これからはですねぇ~」と、まだまだ話は続いていく。


「今後の課題としては『自分の魔力量管理』と言ったところでしょうか。毎回戦いの度に、自分の中に()()()()の魔力を使ってしまうのでは、身を滅ぼしかねません」


「ハイ……おっしゃる通りです」シュ~ン。


 三日月はラフィールからの注意にユックリと頷き、反省。


「ユイリア様を助けるためとはいえ、やりすぎにも程があります」


「はい、今後の課題に向けて、もっと訓練を頑張ります」


 ふふふっと笑ったラフィールは、厳しい声から柔らかい声に戻る。


「よろしい! うふふ。まぁ~でもねぇ」


 そう言うと少し時間を置き、ラフィールは優しい言葉で締めくくる。


「あの時、ユイリア様を狙うように向かってきた魔力の矢。その危機を感じ取る速さ、その後の素晴らしい判断。そして――」


「……は、はい」


「あ~いえいえ♪ 今日はこのくらいにしておきましょう。うっふふ、月さんの魔法、今回は満点!! でしょう。たいへん良く出来ました」


(はぅ! ほ、褒めてもらえたぁ?!)


 喜ぶ三日月は「やったぁ~」と笑い、両手を上げる。そのラフィールからの言葉で、やっと安心することが出来た。


「ラフィール先生、ありがとうございます!!」


 それからラフィールに褒められたことが嬉しく顔は緩む。そして、皆でわいわいと盛り上がった。

 

「本当お疲れさんやったな! あの光の弓と矢? すげぇキラキラで、遠い俺たちのとこまで輝いて見えて……とにかく凄かったぞ!」


 興奮気味に話す太陽に三日月も恥ずかしがりながらも嬉しそうだ。


「「ふみゃー! しゅごーいのだ♪」」


 メルルとティルも、ウキャウキャ~と嬉しそうに走り回っている。


「ありがとぉ〜私、頑張ったよぉ!!」


(…………♪♪)


「ティア~♡ ありがとぉ」


――ぎゅーッ!!


「「あぁぁぁぁ!!!!」」


 メルルとティルは、手を取り合う三日月とバスティアートに少しヤキモチを焼いていた。


「えぇ〜いいなぁ! メルルもぉ」

「いいないいなぁ! ティルもぉ」


 あっははは――――。


「ワタシ~、モテモテ?? なのかなぁ」


(うふふ、皆に褒めてもらえて、私は今とっても幸せです)



 ラフィールの部屋はいつも精霊で溢れている。そしてとても優しく心地良い空間。


(先生のお部屋って本当に不思議……自然と皆、笑顔になる場所だなぁ)



 ラフィールの部屋。三日月だけではなく、ここにいる全ての者たちが感じるのは、温かくて幸せな気持ちだった。



――皆が、くつろげる幸せな時間(トキ)、空間を。



「楽しそうで何より、私も嬉しい。ではでは皆さん、ここでのんびりと羽を休めてから、交流会に戻ると良いですよ」


 私は用事がありますので失礼しますね~と、扉へ向かうラフィール。それを三日月は慌てて呼び止め、お礼を言った。


「あっ! ラフィール先生、あの……今日は本当に、ありがとうございましたッ」


「あらあら月さん。いいのですよ、本当にお利口さんで、先生は嬉しいです~♪」


 ふわっ――。


「こちらこそです、三日月()。お約束を叶え、皆の命を護って下さって、本当に……“奇跡”をありがとうございます」


 ラフィールは三日月の側に寄り、左手を前に当てると片膝をつき優雅にお辞儀をした。



――それはまるで、姫に仕え忠誠を誓う者のように。



 ドキッ。

(何故だろう? 胸がすごいドキドキして、高鳴るような)



 しかし、すぐに「えぇっ?!」と我に返る。三日月は初めて見るラフィールの姿に驚き、何が起こっているのかと焦り慌てた。


「な、な、そんな先生、あの膝ついて!! やめて下さい! 私なんかにお、お辞儀だなんてぇ」


 ラフィールは優しく微笑み顔を上げると、また優雅にふわっと立ち上がる。その姿はやはり気品溢れ見惚れる程であった。



 しかし、扉へ振り返ったラフィールの表情は、少し重く固い。そして

「ティア、後はよろしくお願いしますよ」そう言いながら、ラフィールは幸せな精霊の舞う部屋を後にした。


 それから三十分程、三日月たちはお茶会を楽しんでいた。久しぶりにゆっくりと話も出来て、大満足。もちろんバスティアートも一緒に仲良く過ごした。


「皆、仲良くなってよかったぁ!」


「あぁ、そうだな! 楽しかった、月に感謝だ」


 ありがとよ~と、太陽がニカっと笑いながら三日月の頭をポンっ。



――あれ? そういえば。


 その時、三日月はふと思い出す。最近いつもそばで、自分のことを見守っていてくれている人物を。



「いない……」ぼそっと呟いた。


(ドコヘ、イッタノダロウ?)


お読みいただきありがとうございます(*´▽`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ