表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/181

32 文化交流会2日目~蒼い石~

お読みいただきありがとうございます(*uωu*)

♪こちらのお話は、読了時間:約6分です♪


(Wordcount2470)


「はふ~……緊張してきたぁ!」


 校舎を出て、歩いて二十分程の所にある【訓練の森】が、今回の『魔法勝負』の会場である。そこに向かう足取りは少し重い。ユイリア様との勝負とか何とかよりも、“制御なしの魔法”を使う事で、私の頭の中はいっぱいになっていた。


「月、大丈夫だよ。さっき渡したブレスレットは、どのような状況でも、きっと君を護り、導いてくれるよ」


 余裕がないのが伝わったのか、星様は私の気持ちを安心させてくれた。


(“お守り”みたいな?)


 そう思いながら、頂いたブレスレットを手のひらに乗せて見つめる。

「そうですね! ありがとうございます」


「参加する大会は『魔法アーチェリー』だったかな?」


「はい、そのようにメイリ様から聞いています」


「メイリ……そうか。月、“弓”の魔法発動は右手?」


「そうです。よくお分かりになりましたね!」


「あぁ、力の波を感じる、それで右かなぁと思ってね。それ、ちょっといいかな? 右手を出してみて」


 手に持っていたブレスレットを渡し、右手を前に出すと、星様は私の手首に着けて下さった。


――とても綺麗な『蒼』。

 

 あぁ……そっか。星様の“瞳”の色に似ている。中で光るキラキラはまるで、夜空に輝く『お星さま』みたい。


「よく似合っている」

 ニコッと微笑んで、見つめられた。


「ありがとうございます」

 なんでしょう? これは。恥ずかしいです。


 そして、会場へ向かって二人で歩き出した。


(そういえば、さっき会話の中で「メイリ」って言ってた。ユイリア様は上流クラスの中でも、有名みたいだったから、そのお付きのメイリ様の事、ご存知なのかな?)


(はっ! 気にしない、気にしない!)

 私が考えることじゃないのに! 今は目の前の大会に、集中。


「最近の私、おかしい……」


「ん? 月、どうかした?」


「いえっ! 何でもありません!」


 しばらく歩くと、会場となる【訓練の森】に到着した。


「よぉ、主役が遅かったなっ!」


「太陽君! えぇ~、でもまだ時間は……来るの早いねぇ」


「おーっと? こないだのお坊ちゃんも一緒か!」


「太陽様、ご挨拶がまだでしたね。星守空(セルク)です。よろしくお願い致します」


「かっこいい名だな!! 俺の事は太陽でいいぜ♪」


「恐れ入ります。太陽さ……太陽も。まるで()()()()()かのような、気品のあるお名前かと」


「おーいー! セルク?? ちょっと後で話そうか〜?」


 何故か、二人とも気が合いそうな雰囲気? 見た目、性格と、全然違うのに。


「「セリィーーーー♪ あっしょぼー♪」」


 あっ、星様がメル・ティルの餌食に……。メル・ティルは星様の事“セリィ”って言うのね。それも良い感じの愛称だぁ♪ いや、でもちょっとすごい。星様、大丈夫かな? 肩に頭に上っていってる。あんなに細腕なのに、星様って結構、力持ちみたい?


 まぁでも。こんなお姿、なかなか見られるものじゃないから、楽しい。


「おぃおぃ? メル・ティルはセルクと知り合いだったのか?!」


「おうちいっしょー!!」

「いつもご飯もいっちょー!!」キャハッ♪


「どういう……こった??」


「私の父の知人で、学園に入学してからは、うちに住んでいるようですよ」


「ほぉ~。セルクの……んっ? なんだ他人事みたいだなっ!」


 黙ってニコニコ笑顔で答えている、星様。


 そこはさすが大人な太陽君。すぐに話題を変える。


「そういや、今日は? もしや……セルクも大会に出るのか?!」


「いや、それがね、太陽君違うのよ。大会が開始されるまでの間、ラフィール先生のご依頼で、今日特別に私の“護衛”をして下さっているの」


「「「ご、護衛?!」」」


「そりゃ、また。先生もえらいな過保護だな」


 と言うと、またまた太陽君、何かを察したようで、それ以上は詮索しない。本当に人の感情の変化や、周りをよく見ている。すごい人だ。



 和気あいあいとみんなで話していると、急に星様の空気が、警戒に変わった。あぁ~なるほど。後ろから嫌な気配を感じます。


「あ~ら〜、月さん♪ 御機嫌よう」


 振り返ると、またまた予感的中です。

「御機嫌よう、ユイリア様」


 そう答えると、晴れ晴れとした表情で話しかけてきた。


「ちゃんといらっしゃいましたわね~。怖くて逃げだすのかと思っていましたのに~おほほ。昨日は、良く眠れまして?」


「緊張して、あまり」


 いや、やっぱり怖いですよ。逃げたりはしませんけど。


「あーら。でしょうねぇ♪ (わたくし)が相手じゃ仕方ないですわねぇ。可哀想ですけれど、せいぜい頑張って的に当てて下さいね」


 では、失礼~と、ユイリア様は言いたい事だけ言うと、ルンルンな感じで、颯爽といなくなった。


「いやぁ~、これまた一段と“お嬢様”に磨きがかかって! ちゅう感じやったな―! はっはっは」


 太陽君が、とっても面白がってる言い方で“お嬢様”について話した。


 すると、星様が答えた。


「ユイリア様は、自信がおありなのでしょう。あぁ見えて、様々な大会ではほぼ優勝と、実績はあります。その中でも、今回の【魔法アーチェリー】は彼女の一番得意な攻撃法です」


「「うえぇーズルいー!」」


 メルルとティルが、嫌悪感いっぱいの声で言った。


「だよなぁー! そりゃー自分の得意な大会で勝負とあらば、あ~んな余裕も見せれる訳やなっ」


 続いて、太陽君まで。


「まぁ、やるだけやってみるよぉ。昨日、太陽君も言ってた通り、ユイリア様にとって、今回の勝負……勝ち負けじゃないんだろうし」


 そう私が言うと、星様が不思議な顔でこちらを見ていた。


――そうだったぁ!


 ラフィール先生にはお話してるけど、星様には理由をお話していないから、ただ単に私が大会に参加すると、思っているだけだったのね、きっと……!

 あの時「メイリ」様の名前を私が言った時、眉をひそめて首をかしげていたのは!


(それが原因だったのネェ)


「あぁ~えへへ。そもそもこの大会に出ることになったきっかけが色々ありまして。また終わってから、ゆっくりとお話します」


「うん? 月の事は何でも聞きたい。また、聞かせてくれると嬉しいよ」


(また! そんなお顔が熱くなるような言葉をサラサラと)


 星様は、少しホッとした顔で、いつものように優しく、でも少し寂しそうに、お返事をしてくれた。


いつもお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ