24 文化交流会2日目~驚き~
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「ふあぁ~……」
昨夜は、ほとんど眠れなかった。今日の大会の事が気になって、仕方がなくて。
悪い結果ばかり考えて、不安で寝付けなかった。
(やっぱり、ラフィール先生に相談した方がいいかな)
ユイリア様と参加する大会は、十三時から。まだ十分に時間はある。色々考えていたけれど、結局、どのくらいの魔力を使えばいいのか、正直分からなくて。
ひとつ間違えれば、制御できなくなるかもしれない。そんな事になったら……。
「大変な事になる」
そう、きっと私は自信がないだけだと思う。
「よしっ、やっぱり先生に相談してみよう!」
文化交流会の昨日と今日は、メル・ティル朝のお迎え~♪ はないので、大会の会場へ行く前に、ラフィール先生を訪ねてみようと、あの校舎へ、勇気を出して行くことにした。まぁ、今日はお休みのようなものだし、きっと上流の生徒さんたちは、いないはずだから!
そう、自分に言い聞かせつつ家を出て、先生に話す内容を考えながら、歩くこと約20分。あっという間に、先生方のいる校舎へ到着した。
「えぇーとぉー。ラフィール先生のいるお部屋、おへやぁ~……」
思えば……ラフィール先生とは、お外での授業ばかりなので、先生のいるお部屋には、来た事がなかった。
こないだ、ロイズ先生との話し合いで来た時も思ったけれど、同じような廊下や扉が、慣れない、覚えていない私には、部屋一つ見つけるだけでも、本当に苦労する。
しかし、きっとこのレイアウトにも理由があって、恐らく何か外部からの問題があった時に、見つけにくいように作られているのでは? と私は思っている(本当のところは分かりませんが)。
迷わないように地図を広げ、お部屋を探していると、上流階級の方々が近くを通った。ふと、顔を上げると目が合ってしまい、話しかけられた。
「あら? どうかなさいましたか?」
雰囲気がすごくいい、気さくな感じの方。お話聞いて下さるかな? と、恐る恐るお部屋を聞いてみた。
「こんにちは。あの、ラフィール先生のいるお部屋を探しているのですが」
「そうなのですね? この校舎はとても広いですから、迷ったら大変だわ! 私達が御案内いたしますわ。ねぇ?【水來紅】」
「あっ! いえ、そんな! 申し訳ないです!」
すると、にっこりと笑って
「大丈夫ですよ。【愛衣里】様も、こうおっしゃってますし。お気になさらないで下さい」
“様”ってことは、ミラク様はアイリ様の『お付きの方』ってことかな。
「すみません……助かります、ありがとうございます」
「可愛い♡ 素直でよろしい! 困ったときは甘えるのが一番よ♪ うふふふ」
「よ、よろしくお願い、い、いたしますですー」
はう~。急にフレンドリーな感じで話されちゃうと、何だか動揺しちゃって、言葉おかしくなっちゃったぁ。
「あっ! あの、申し遅れました。私、三日月と申します。月とお呼びください」
「あら~本当にお利口さんねぇ。月ちゃん? 気に入ったわぁ♪」
きっと緊張を解してくれようと、やんわりと話して下さったのだと思う。
見ず知らずの私に、なんて親切な人たちなのだろうと思った。この校舎で一人、本当は心細かった私は、感謝の気持ちでいっぱいになった。
(はぁ~心がポカポカ温かい感じ)
よく見ると、皆さん大人のお姉様な感じだ。太陽君よりちょっとお若いくらいかな? (いいなぁ~綺麗だなぁ……)。
それにやっぱり、上流階級の方々はキラキラしている。
そんな事を考えながら、後ろからついて行ってると、アイリ様からお話をかけられた。
「ねぇ月ちゃん。あなた、こないだの娘でしょう?」
「えっと? こないだ……こないだ、ですか?!」
まさか、こないだって。ラウルド様との、廊下での騒動ですかぁー?! 大変だ、何言われるのかな。うぅーーどうしよう。と、勝手に悪い方向へ、想像を膨らませてしまっていた私に、アイリ様は笑いながら答えた。
「あらあら! 怖がらなくても大丈夫よ?」と、言うと続けて話す。
「あの日は、カイリがご迷惑をお掛けしたみたいね」
んっ? カイリ?? って、ラウルド様の事???
「弟に代わって、謝らせてちょうだい」
は、はいっ? カイリ様の?!
「嫌な思いをさせて、ごめんなさいね」
え、えぇーーーー?!
私は驚きすぎて! お目めまんまるで、キョトン。
体の動きが機械のように、全停止してしまったようだった。
「うふふふ。びっくりしたのかしら?」
はっ!! ふと、我に返った。
「失礼致しました、申し訳ありません」
そう言って、頭を下げようとすると、アイリ様が「待って待ってー!!」と、両手をバタバタして大慌て。謝っているのは私の方よ~! と言われて頭を上げると、目が合ったお姉様方と笑い、和やかな雰囲気になった。
こんなに優しくて、気遣いが出来て、品の良い方々が。まさか、あのお坊ちゃまのお姉様だったなんて……信じられないです。しかし、間違いなく“姉弟”でした。
「改めて。私は【ラウルド=愛衣里】ですわ。この学園で、主に歴史などの講義を担当しておりますのよ」
な、なんと! しかも先生だったぁーー!!
もう驚きすぎて。今から、ラフィール先生の所にも行くというのに(心が持ちません)。
私、大会前に疲れて、力尽きて、倒れちゃうかもしれないよぅ……。




