150 心奥にある想い
お読みいただきありがとうございます(*´▽`*)
♪こちらのお話は、読了時間:約5分です♪
(Wordcount2220)
「ラフィール先生、すごい楽しそうで……んっ?」
はは~と笑いラフィールを見送る三日月の視線が、向いた先。ゆっくり閉まる扉を見つめながらふと彼女は、小さくてまるまるの可愛い影に気付く。
「うん? どうしたの、月……あぁ――」
セルクは知っていた。ラフィールが部屋に入る際、気配を消しながら入って来ていたメルルとティルの存在を。それに今気付いた三日月の不思議そうな表情にフッと、微笑する。
「きゃんッ!」「んきゃッ!」
それから「残念、かくれんぼは終わりのようだ」と優しい笑顔と声で伝えると、メルルとティルの頭をナデナデ。
「「み、みちゅかったぁぁぁ!!」」
――――てってけてててー♪
きぃ~! ぱたーんッ。
「め、メルルとティルが……あは、うっふふふ! 気が付かなかったぁ! いつの間にお部屋へ戻って来ていたのぉ」
三日月は驚き、その後すぐにとても嬉しそうな声色で笑い始める。
「あぁ、さっきラフィール先生と一緒に」
「えぇー! 星様は気付いていらしたのですか!?」
笑いながら頷くセルクにつられ、三日月はさらに笑いが込み上げた。
そして「もしかして、いつもみたいに驚かそうとしてたのかも?」と、可愛い双子ちゃんのやろうとしていた行動――“イタズラ大作戦”を予想。
「あっ……」
三日月はふと、小さい声が漏れる。
その一瞬は映像のように頭に流れ込み浮かんだ、明るい光景。
(いつもメルルとティル、それに太陽君が恒例の追いかけっこ、してるなぁ)
不思議な気分になった三日月は光射す窓に目を向けゆっくりと、瞼を閉じる。
まだ強めに吹く風にその想いを、乗せるように。
「しかし、月。ラフィール先生だが、いつもこのような感じで授業を?」
右手を自分のこめかみに当てながらセルクは困り顔で、まだうっすらと頬を染めている三日月にふと、話しかける。その沁み入る声にハッと我に返った三日月はどぎまぎとしつつも、答えた。
「あ、そう……ですねぇ。えへへ、先生は……」
再び目が合った、二人。
落ち着いていたはずの三日月の心にはじわじわと、熱いものが。その頬は真っ赤なりんごほっぺに、戻り始める。三日月は思わず、風で舞い上がる白いカーテンに緊張したその顔を隠した。
「せ、先生は、座学で特に今のような面白可笑しい雰囲気と言葉で、楽しく授業してくださいます!」
三日月は満面の笑みで「とても良い先生です」と、話した。
そのはにかんだ可愛い表情にまた、セルクの瞳と心は奪われる。
そしてボソッと呟くセルクは三日月に微笑むと、思う。
「……同じだな」
(あの屋上扉前で、君に出逢った日を思い出す。今この時、同じ言葉でも――全く違う言葉のようだ)
――その美しい光の波紋を起こす声色と雰囲気を、その美しさを僕は今日初めて感じた。
「……星様?」
「その笑顔は、あの時と変わらない」
(いや、あの時以上に。君を包み込む光は、とても煌めいている)
「……?」
セルクの声は小さく三日月の耳には聞こえずそして、聴こえない“心の声”。
それはいつもと違って見えるセルクの優しすぎる笑みに、三日月は嬉しさ半分。それとは別に不安が生まれた彼女自身の心奥にある感覚を、表す言葉が見つけられずにいた。
「あ、あの星様」
「いや、何でもないよ。さて、そろそろラフィール先生の所へ行こうか」
セルクは三日間眠り続けていた三日月の身体を気遣いながら「立てる?」と声をかけ、扉を開ける。
「あ、はい! うーよいしょ……ホッ! 立てました! 大丈夫です♪」
「そうか、良かった。実は本音を言えば僕は、君が目覚める今日この瞬間まで。ずっと、気が気でならなかった」
「えっと」
「君が……三日月が、このまま目を覚まさなかったら。もしも“眠り姫”になってしまったらどうしようかと――とても、不安だった」
「星様……」
まだ心配そうに見つめる、セルクの視線。それはポカポカと温く感じ三日月の心の中に沁み入る、優しさがあった。
(あ、そっか。私、三日間も眠り続けてしまって)
三日月は申し訳ない気持ちで、いっぱいになる。
――きちんと、言わなきゃ!
「あの、星様。今回の件、たくさんのご迷惑をお掛けして、申し訳ありませんでした。そして、心からありがとうございます。こうして元気になれたのも、星様とラフィール先生のおかげなのです!」
ニコッと笑顔で安心させるようベッドから降り立ち上がる三日月はそう話すと、少しづつ歩き進む。
「そんなことは……月が無事に、こうして元気でいてくれたら。そしてずっと安全に過ごし、楽しく生きてゆけるのであれば、僕は――」
「えぇ!? そ、そ~んな、大げさですよぉ」
まだ頼りない足取りでゆっくり歩きながらも元気よく「えへへ」と笑う三日月の明るい言葉に流されることなくセルクは、真剣な表情で自分の想いを話し続ける。
「大げさなんかじゃない。そう、君のためなら僕は何だってする。そして、何だって“出来る”よ」
「ほ、星様ったら! またそんな涼しいお顔して……」
(この感じ。どうして? やっぱり少し変だ)
――そう。さっきから言葉にできない気持ちはきっと、この胸騒ぎだ。
ざわざわとした感覚に戸惑いつつ気持ちをセルクに悟られまいと三日月は、にっこり笑顔で部屋から出て行く。
その彼女が歩く後ろ姿をまた眉を下げ、物悲し気に見つめるセルクは改めて、心に誓った。
「僕はこれからも、君を護る。そしてこれからも、君のためなら……」
(何でもするよ。たとえそれが、どんな“形”に変化したとしても)
――たとえ傍に、いられなくなったとしても。
いつもお読み下さりありがとぉございます(/ω\)
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~☆今回はこちら☾~
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第3部分
【01 出逢い】
あはぁ(●´ω`●)♡
三日月と星守空が屋上扉前で会った、
桜の舞い躍る季節(今ぴったり!? 笑)
最初の頃のお話ですが、出逢い……デス!
はぅ~(*´Д`)♡
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また読み読み来てくださいなのなのぉ♪




