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133 見えない運命

お読みいただきありがとうございます(*´▽`*)

♪こちらのお話は、読了時間:約4分です♪


(Wordcount1910)


『ルナガディア王国の光、夜空を照らす“月”は、特別な存在となるであろう』


 (きら)びやかになびく、ホワイトブロンドの髪。

 右手の甲にうっすら光り現れるのは、力を持つ者の(しるし)

 それは“月の加護”を受けるものが与えられし、奇跡。


――期待と希望ある未来への(きざ)しと、言われる。





「え、え? ちょっと待ってください、お母様!!」

 三日月は母の()()を聞いて思わず、声を遮ってしまう。


「はぁい? どうしたのかしら、三日月ちゃん」

 ニッコリと微笑みウフフと右頬に手を当てる望月は、楽しそうである。


「いえ、いやいや……うぅぅ」


 どうしてそんなに落ち着いて話せるのだろうと動揺で言葉に詰まる愛娘、三日月は会議の部屋からは見えない天を仰ぐ。


「月さん? 大丈夫ですか」


 その様子を少しだけ心配そうに見つめるロイズの視線と声が、今の彼女には遠い場所から聞こえてくるようだった。


「んんー……?」


 三日月は一時的に放心状態になっていた。心の中は色んな思いでごちゃごちゃ、頭の中もわちゃわちゃ。そんな彼女の気持ちを表すと、こうである。


(待って待って、まってぇ!! じゃあ、お母様はルナガディア国王様の娘で、王妃様はお母様で……んッ!? でも、私とユイリア様は歳が近いはずで、あれ? そもそも、王妃様って!!)


――おいくつなのでしょうかぁー?!


 そう、三日月が驚くのも無理はない。


 感じたことのない緊張感と、眩しすぎるオーラ。その立ち姿は花のように美しく、切れ長の目は見惚れるほど印象的。そして誰もが憧れる、長身美人。


 文化交流会二日目に噴水広場で起こった、あの忘れられない出来事。その一度しか会ったことがない王妃の姿は、はっきりと三日月の脳裏に焼き付いていた。


(そうだ。あの時に感じた、ざっくばらんな親近感は!)


「みかじゅきちゅっきぃ~? 大丈夫かのぉん?」


 時がしばらく止まっているかのようなあまりにも長い、沈黙。さすがのランスも心配そうに三日月の顔をのぞき込み、頭をナデナデする。するとその優しい手からじんわりと伝わってくる力(温もり)に、ハッと我に返った。


「あ、あの、王妃様って……」

(はぅーダメだ。やっぱり聞きづらい!)


「あらあら、うっふふ♡ 三日月、無理しないのよぉ?」

 当の本人、望月は――愛娘の考えを察しながらも、続きを話し始める。


「私が王宮から旅立ち、守人として新たな生活を始めてから二年後のことよ。元々、キラリの森出身である雷伊都(三日月の父)さんが長い休暇で帰省なさっていて、その時に初めてお会いしたの」


 その言葉と同時に望月の傍につくと、手を取り肩を寄せるライト。


「俺の、一目惚れだ」

「まぁ! いやですわ、ライトさんたら。皆様の前でお恥ずかしいですの」


「コホンッ!!」

 うふふ、うふふと仲良しな両親の姿に「お話がそれてますよぉ」と言わんばかりの表情で咳払いをする三日月もまた、とても恥ずかしそうに頬を赤らめている。


「あっはは~、すまんすまん」

「うふふ~、失礼いたしました」


 しかしライトと望月はなおも、手を握り合ったままだ。


「ふふ、ライトは望月様と初めてお会いした日、慌てて私の所へ相談に来たのですよ。まぁその恋する姿が初々しく……」


「おいっ! 揶揄わんでくれ、ロイズ」


 ロイズのやんわりとした口調で場の空気は再度、和やかムードに戻る。そしてまるで親友のように言い合う二人の姿に三日月が、ひと言。


「ロイズ先生とお父様は、ずっと前からのお知り合いな……ぅうわぁあっ!!」


 その言葉に父、ライトは優しく笑いかけながら三日月を軽々ひょいっと抱き上げ、答えた。

「大きくなったなぁ三日月。本当に……よくここまで立派に成長してくれた」


 急に抱き上げられた三日月は「お父様ぁ~降ろして下さいーッ」と、恥ずかしさと驚きの声をあげる。始めは足をバタバタして抵抗していたが笑いながらあやす仕草をする父の、優しく抱き締める腕の温もりは――安心感は。


 まるで幼い頃にいつも肩車をされていたことを、思い出すかのようであった。


「もう……イイデス」

 三日月の全身に幸せが広がり大人しくなるのにそう、時間はかからなかった。


「あらあら、良かったわねぇ三日月。あなたが生まれてきてくれて、本当に私たちは心から幸せなの。それから、ライトさんも言っていたけれど」


 そう言いかけて今度は望月がライトと三日月の傍へ行き寄り添うように、三日月の頬に手を当てる。


「こうして元気に育ってくれて、ね。そしてまだ見えぬ運命(さだめ)に自分から向き合おうとしている――これからも私たちは、全力であなたのことを支えていくわ」


「お母様……ありがとうございます」


 会議の部屋にいる他の皆が静かに見守る中、しばらく三人の世界に浸っている。それから望月は小さく深呼吸をすると再び、話し始めた。


お読みくださりありがとぉございます♪

すっかり寒くなりましたね(;´▽`)

皆様、体調お気をつけてぇ!


☆----------☾----------☆----------☾


次話もお楽しみにぃ(⋈◍>◡<◍)。✧♡

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