131 家族のカタチ
お読みいただきありがとうございます(*'▽')
♪こちらのお話は、読了時間:約6分です♪
(Wordcount2500)
しばらく続いた、三日月の話。
その煌めくオーラで部屋中は幸せで穏やかな雰囲気に変化していった。一番遠い席からいつもの優しい表情でその姿を眺めていたラフィールは良いタイミングで「月さん、そろそろ」と飛躍魔法を使い、純白の羽を美しく羽ばたかせ、ふわり。
三日月のすぐ隣に音もなく、舞い降りた。
「うあぁ、ラフィール先生!!」
「うっふふ~♪ まだまだそのお話、聞き足りないところではありますが」
優しく頭をナデナデ~にっこにこ~で、いつものように三日月を可愛がる。
「いえ! すみません、また私ったらお話に夢中に……皆様、申し訳ありません」
三日月はりんごのように真っ赤に熱くなった自分の頬を両手のひらでぱちっと当て隠し、冷やすように目をつぶる。しかし未だ収まらない胸のドキドキと幸せにも似た嬉しい気持ちが、落ち着かずにいた。
「ふにゃぅ~? ちゅっきぃの声はきゃわいくって良いのでな」
いくら聞いておっても飽きぬ飽きぬのぉ〜んとランスは、ぷぷぷーと笑う。
「とても興味深いお話で、楽しかったですよ」
そう優しく甘い声で言うのは、ロイズだ。
「ホントホント~やはり月さんは素敵なお方ですよねぇ、うんうん。そうそう! 納得ですよ〜♪ 月さんのことをセルクが――」
「ラフィール先生ッ!!」
変わらずにっこにこと返事をするラフィールの口に手を当て最後の言葉を止めに入ったセルクは頬を紅潮させながら、慌てふためく。
「う……ぐふっ! んあ~い、ごめんごめ~ん、セリィ? ゆ、ゆるじでぇ」
揶揄い口調のラフィールに、怒りながらセルクが口に手を当て続ける。
「えぇぇ~なになになにぃ?」
「にゃあ~なになになにぃ?」
その賑やかな声にメルルとティルのお目めキラーン、二人に飛びついた。
「おやメルルちゃん、ティルちゃんも聞く聞く? 実は……うぐっふふ!」
「ラフィール先生、いい加減にして下さい!」
セルクは「メルティ、何でもないから気にしちゃだめだよ~」と、笑いかける。その掛け合いが見ている皆には仲良く遊んでいるように、映っていた。
「ねぇ、ライトさん。三日月たちもそうだけれど、幼い頃の記憶――過ごした時間は貴重で、忘れることはないのね」
「そうだな、たとえ辛いことの方が多かったとしても……うむ! 仲の良いこと、楽しそうで何よりだ!!」
二人はセルクの幼き頃を思いラフィールとの様子を感慨深く、見つめ語る。
「え、えぇーと……お二人とも、どうしたのですか?」
この急な展開に三日月だけはついていけず、小さな声で呟く。
(あんな風に高揚した星様の姿、明るいお顔を見たことがない。それにラフィール先生と仲良しに見えて)
そこでハッとする。
――そっか、きっと家族みたいな感じなのかな。
三日月はセレネフォス家でのメルルとティルの存在は家族、そう思っているように二人もまた、アスカリエス家では家族として過ごしてきたのではないか? そう感じていた。
「わかったよセリィ、ほら! おしゃべりやめるから」
(あぁ~ラフィール先生お得意の、左斜め三十五度傾き「ゴメンネェ〜」だ)
「うふふ……」
授業以外ではいつもイタズラをするラフィールが謝る時の必殺技に三日月の顔からは思わず、笑みが零れた。
「……次は、容赦しませんから」
セルクは珍しく感情を表に出すと最後にはプイっと、後ろを向いた。
そこで言葉を発したのは、ロイズである。しかしそれはもちろん、ラフィールとセルクのじゃれ合いで乱れ始めた雰囲気を、元に戻すためだ。
「セルク、ラフィール。君たちも仲が良いのは悪いことではない、がしかし。場をわきまえ、いい加減に落ち着きなさい」
「父……ぃゃ、ロイズ先生。申し訳ありません」
一瞬セルクは“父様”と言ってしまいそうになり言い直した。そして表情を戻すと固い口調で、謝罪をする。
(どうしてそんなに、他人行儀なの?)
――ロイズ先生と星様の間に……こんなにも距離を感じる。
「うふふ♪ すみません、ロイズ様。セルクとこんな風に話し接するのはいつぶりかなぁと、嬉しくなってしまいまして……。私がちょっと羽目を外し過ぎてしまいました」
あくまでも自分が、と言うラフィールも瞬時に冷静さを取り戻す。セルクと交流する時間が嬉しかった反面少しだけ眉尻を下げ、困り顔になっていた。
本当は二人の楽しそうな姿をいつまでも見守り、兄弟のようにさせてあげたい。そんな親心を忘れたわけではないロイズ。彼もまた“宿命”という名の背負う運命に苦しんでいた。
しかしその本心とは裏腹に「すべてが解決するまでは」と。
――大切な息子への厳しさを緩めることは、出来ない。
そうゆっくりと、瞬きをする。
「それでは、そろそろ次に……よろしいですか? 思いのほか、月さんの驚く表情は、楽しそうな笑顔に変わりましたので」
「え? んと、はい。始めはとても驚いてしまいましたが……」
良いのかな? と思いつつも三日月は和やかに「エヘヘ~」と笑顔のまま話す。その彼女の顔を見たセルクとラフィールはホッと胸を撫でおろすように安堵の表情で、微笑んだ。
そしてロイズは一呼吸おき、次の話を切り出す。
「それでは月さん、会議参加者の自己紹介も最後になりますが――」
「あの、ロイズ様」
話が始まってすぐ、控え目に名前を呼ばれる。
その言葉に少し戸惑いの表情を見せたロイズは声のする方向へ、目を向けた。
(望月様?)
視線の先にはいつも以上に強く真剣な眼差しで固い決意を感じさせる三日月の母、望月の美しい瞳があった。
ロイズはその様子に気付き目を細めると優しく、問いかける。
「……ご自分で、お話になりますか?」
その言葉に望月は頷き、答えた。
「はい、いつかは話さなくてはならないことです。それは私自身が持つ力と心で――“言の葉”で。娘には話そうと思っておりましたので」
「お母様?」
突然の意志表明に再び不安が過ぎり、見たことのない母の表情に三日月の心は、震えていた。
(一体、何があるの?)
ルナガディア王国に伝えられている人並みならぬ力(能力・魔力)と月の加護の証である、月の紋章。それがなぜ生まれながらに与えられたのがセレネフォス家に生まれた赤ん坊、三日月にだったのか?
――――その謎を解く鍵は、母である望月の出自にあった。
お読みくださりありがとぉございます♪
『 関連のあるお話 』(*´▽`*)
~☆今回はこちら☾~
↓ ↓
第37部分【29 文化交流会2日目~お茶会~】
ラフィールとセルクの関係が垣間見える、
この回は、そんなお話でした(/ω\)
あ! 今後のお話にも出てくるであろう?
ルナの実はここで出てきていますにゃあ♪
☆----------☾----------☆----------☾
それでは、またぁ(*´▽`*)
いつもお読み下さりありがとぉございます。




