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121 成長と覚悟

お読みいただきありがとうございます(o_ _)o♡

♪こちらのお話は、読了時間:約5分です♪


(Wordcount2480)


 長いリフェクトリーテーブルに全員分の飲み物と例のお菓子――『ルナの実』を使ったクッキーが、置かれていった。


 テキパキと手伝っていた三日月は最後にラフィールから「ありがとう、もう良いですよ~」と席につくよう、促される。


「さぁさぁ! お座りなさい~お座りなさい~♪」


「んあ~えぇ、はい~ッ!!」


 ラフィールは三日月の背中を押し「お利口さんですねぇ、ヨシヨシ~♪」と席まで連れて行った。それから椅子を引き手招くと、三日月にウキウキと声をかける。


 カタンッ!!


「ほらほら、月さん。ここにお掛けなさいな~! ネェ♪」


「んにゃふ、はい?」


 パフッ!

(な、なんでぇ? どうしちゃったの、ラフィール先生?!)


 押しに押されリバプールチェアに座った三日月はふと、あることに気付く。

(あれ? なんだかさっきと、違う……?)


 三日月はキョロキョロと後ろや左右に身体を動かし、見回した。

(座り心地もだけれど、背もたれにリボンとか付いていて)


――すごい~可愛くなっているよぉ?!


「気に入ってくださいましたかぁ? うっふふ♡」


 ちょちょい♪ と可愛くしちゃいました~と言うラフィールの表情はご満悦。


「まぁ! ラファエ……コホン!! ラフィールったら、三日月にとても優しくしてくれて」


 母、望月は冷やかしているわけではなく。右手の平を頬に付けうっとりするような表情で目を瞑り、はぅ~♡ と微笑んでいた。娘が大切にされ可愛がられることを心から幸せに感じていたのである。


「もうお母様……ラフィール先生、ありがとうございます」


 三日月もまた嬉しそうにしながら、にっこり笑顔で応えた。



 そんな様子を微笑ましく眺める皆の中でまたしても少しムスッとした表情で見つめる……。まるで“ヤキモチ”でも焼いているかのような視線を送る。


「セルクもまだまだ少年のようで可愛い。月さんへの()()()、顔に出ていますよ」


 ふふっと笑いながら小さな声で話しかけた、ロイズ。


「なっ! 僕は、何も」


 正直セルク自身も自分らしくない気持ちに、戸惑っていた。


 そのロイズの(まと)()た言葉で珍しく顔を真っ赤にしたセルク。そんな顔を皆に見られぬよう(特に茶化し好きのランスから)背を向けたのは、言うまでもない。



――コトンッ。


「さぁさぁ、どうぞどうぞ~月さんのお飲み物ですよぉ♪」


 満面の笑みで嬉しそうにお茶の準備をするラフィールの様子に何か不思議な気分になる、三日月。


 美しい(つや)のある木製で出来たリフェクトリーテーブルに置かれた、カップの音。それはいつもとは違った重みを感じさせる。三日月はどことなく落ち着かない緊張を感じながらも準備をしてくれたラフィールに、お礼を言った。


「すみません先生。ありがとうござ……いま……」


(あっ、これって!!)


「クマちゃんだぁ!」


 そのカップはラフィールの部屋で二度目のお茶会をしたものと同じ。


 あの魔法勝負後、心身共に疲弊(ひへい)していた三日月を支えた太陽とメルル・ティル、そしてバスティアートと過ごしたあの楽しくて大切な時間。あの時感じた幸せの心が湧き上がり、蘇ってきた。


(楽しかったあの日。そして少しだけ強くなれた気がした。そんな瞬間だった)



「ラッフィ~! メルルのはぁ?」

「はいはぁ~い♪ オレンジジュースですねぇ、どうぞ」


「ラフィフィ! ティルのはぁ?」

「はぁ~いはい♪ アップルジュースですねぇ、どうぞ」


「「わぁ~い!! ジュースッやぽぉ~♪」」


(あはは! メル・ティルちゃん。今は「やぽぉ~♪」なのね)



「ふにゃう~、本当だのぉ! つっきぃの言う通り。メルティちゃんは好みのジュースが違うですのぉ~ん?」


「え? は、はい。えっへへ」


 ランスの「つっきぃ~スゴイですのなぁん」の言葉になんだか嬉しくなった三日月はさらに、心の中がポカポカと温かくなっていった。



(そうだ、きっと)

――私の緊張を(ほぐ)すために先生は色々と。



「可愛いクマちゃん。ラフィール先生、ありがと」


 小さく呟いたその声はラフィールに聞こえていなかったが隣に座る望月にはもちろん、聞こえていたのだ。そんな可愛く素直な我が子、三日月を愛おしく思う望月は優しく微笑みかけながら、願いを込めて頭を撫でていた。


「ふえ? お母様」


「三日月、今日はたくさんの驚きと……もしかしたら先程のように苦痛を伴うお話も多々あるかもしれません。でもどうか耐えて、受け入れて、頑張って」


――――乗り越えてほしいの。


「……はい、お母様。覚悟いたします」




『何色でもない』三日月の不思議な瞳。見るものや感じたものに反応し、彼女の意識に関係なくその瞳は輝き、彩られる。


 これも恐らく『月の加護』が関係しているのはないか、と言われている。


 そして今、望月に向けられている三日月の美しい瞳はまるで、月の光のように。キラキラと――(きら)めいていた。




 

「さて、まずは皆様。ラフィのお茶と自慢のお菓子をお召し上がりください」


 ロイズの言葉でしばらくは談笑の時間を過ごすこととなった、会議出席者たち。


「おぉ! ルナの実が入った菓子か……懐かしいな」


 そう声に出して喜ぶのは三日月の父、ライトだ。


「えぇ、そうですね。ルナ直伝(じきでん)ですから……とても美味しいのですよ」


(あ、まただ。ロイズ先生、大丈夫かな?)


 また寂しそうな表情で話すロイズの暗いオーラに、三日月は気付いてしまう。そしてその言葉でもう一つ三日月の頭には、疑問が生まれた。


――ルナって、ルナの実って……ルナ直伝……ルナ様って。


「ルナ様とは、その。どのようなお方なのですか?」


「「「…………」」」


(し、しまったぁ! 聞いちゃいけなかった?)



「皆さん、そんなにお気を遣われないでください。ちょうど今、そのことも含めセルクと話をしていたとこだったのですよ」


「星様……」


 三日月の質問にお答えしますと笑うロイズと、固い表情をしたままのセルク。「今回の会議で話さなくてはならないことでしたので」と少し、眉を下げ悲しい表情をしたロイズは、重い口を開く。


「そうですね。まずは今回の会議出席者の自己紹介から、始めましょうか」


「……?」


 どのような関係があるというのか?


 ますます深まる疑問に困惑する三日月。それからロイズは、真面目な表情で話し始めた。


お読みくださりありがとぉございます♪

『 関連のあるお話 』O(ˊ▽ˋ*)o


~☆今回はこちら☾~

 ↓ ↓


第50部分【41 文化交流会2日目~答え~】


こちらは二度目のラフィールお茶会のお話でした。

クマちゃんのカップ登場! 笑

三日月が褒めてもらっている場面も(*´▽`*)


☆----------☾----------☆----------☾


それでは次話も、お楽しみにぃ☆彡



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