119 メルルとティル
お読みいただきありがとうございます(*´▽`*)
♪こちらのお話は、読了時間:約5分です♪
(Wordcount2300)
「本日はメルティの妖精変化の件について、私をお選びになった大妖精ランス様もいらっしゃいます。ですので今、この場であれば間違いなく。この子たちを元に、一人の妖精として戻すことが可能です」
ロイズは三日月へ「成功は確実ですので、安心して下さい」と笑顔で言う。
そう、今思えば確かに様々なことが不思議であった。二人は寝る時、起きる時、何をする時も。ちょっとした仕草でも動きが同じなのである。
――あまりにも似ていた、似すぎていた双子ちゃんの嫌でも納得出来る、真実。
「月さんには今ここで、決めていただかなくてはなりません」
一人に戻すかどうか? ロイズは厳しく真剣な眼差しで尋ねてきた。
「あ、あの」
決断を迫られる三日月の心と頭の中は、様々な思いが駆け巡っていた。
◇
学園に通い始めてから、毎朝同じ時間にお迎えに来てくれる双子ちゃん。
――私の、大切な“お友達”。
「「きゃ~……っはは!」」
てってけてててー♪
得意の術で昔から足音立てずに近付いてきてはみんなをびっくりさせて、いつも満足そうに笑って逃げちゃう。本当にイタズラ大好きでいつまでも小さな子供みたいで。
「お菓子はぁ?」
ご飯よりもお菓子、というかどっちも! たくさん食べるから「お腹大丈夫かな?」っていつもハラハラしちゃう。でもそんな周りの心配をものともせずに、どんな時でも元気いっぱい、走り回って。
それから、笑顔もいっぱいくれる。
「「みっかじゅきぃーしゅきー♡」」
「ありがとぉね。私も、メルルとティル大好きよぉ~」
そんな会話も何百回ってしてきた。飽きずに何度伝え合っても、いつだって嬉しくなって新鮮な気分だった。可愛くて、可愛くて、ずっと頭ナデナデ~ってしたくなっちゃうの。
「いつも傍をくっついて、離れなくて……」
まるでお日様のように温かい、メルルとティルが傍にいてくれたから。だから私はこうして、笑顔で強くいられた。その二人の無邪気さは、寂しさで埋め尽くされた心をいつも、柔らかくしてポカポカにしてくれてたんだ。
「「おまもり!! まっかしてぇ~」」
こないだは私を護るって……そんな風に言われた。その時はまるで拘束されたみたいにガッチリ両腕掴まれて、動けなくて。
「エヘッ、思い出すと笑っちゃうよ」
でもね、メル・ティル。いつも、いつの日も。
私のことをギュって両側から包み込んで安心させてくれた細く小さな腕は、その独特な愛情表現は。時に私を戸惑わせたりもするけれど、いつもいつも、ただただ嬉しくて。
「私、幸せだったよ?」
そして私の心も身体も癒やして、困ったら助けてくれて、いつだって味方でいてくれたよね。
――そんな二人が……一人にだなんて。
「そんなの、考えられない」
私の中にある冷たい心には大雪が降り音を立て雪崩れ、積もる。身体中で鳴り響いているのは、自分の弱さが近づいてくる音。その先に見えてきたのは泣き崩れて立てずにいる、情けない自身の姿。
――やだ、嫌だよ。お別れなんて!!
流れる涙は。
目からいっぱい溢れて、流れて、零れて……溢れてはまた、頬を伝っていく。止まらない、止められない。どうしよう、どうしたら?
(う……うぅグスッ、や、だ……よぅ)
「二人は」
――私の、大切な“家族”だから。
◇
「月さん、どうしました? 大丈夫ですか?」
すっかり自分の足元と平行になるくらい下を向き誰の声も受け入れられない状態に陥っている三日月は、テーブルに顔を隠し声を出さず肩も揺らさずにしかし、今までにないくらいに涙を流し泣いていた。
「三日月?」
母、望月も心配そうに愛する娘の顔をのぞき込み、声をかける。
「……も、せぃ」
(「でも、先生」でもね?)
「みっかづきぃ、どうしたかのぉ~ん?」
ランスも様子を窺うように、三日月を見ていた。
「……ぅょ、違う……」
(「違うよ、違うの……」違うんだよ?)
「月……」
ずっとポーカーフェイスを守っていたセルクまで、不安気に呟いている。
「……ってね」
(「だってね」こんなにも、二人は)
「ちゅっきぃ~?」「みかじゅきぃ?」
「「どぉしたのかにゃあ~?」」
――あぁ〜メルルとティルの声だ。
この短い時間の中で悩みに悩んだ。座る自分の太ももに零れ落ちる涙。それを拭う気力も力もなく三日月は、泣いていた。
(あ……あれ?)
ふと胸に当てた手の平から心の奥にある光に。そのキラキラとした輝きは皆の目には見えないのかもしれない、大切な光線が集まる。
「月さん」
その名を呼ぶロイズは先程よりも、優しい。
「違うんです。二人の好きな、ジュースの種類が」
(そう、メル・ティルは双子以上に顔も動きも同じに見えて、でも違うの)
「そう……ですか」
三日月の話に答えるロイズの顔は次第に笑みが零れ、声も柔らかくなっていく。
「はい、それに。えっと、最近は寝る前に私の右隣で寝るのはメルルだ! ティルだ! って揉めて自己主張も強くて……仲良く喧嘩もするのです」
「三日月……」
望月の瞳にもなぜか涙がうるうると溢れてくる。
「だから、だから二人は」
急に椅子から立ち上がった三日月の顔は明るく、決意に満ちていた。そして一粒の涙がキラリと頬を伝った瞬間メルルとティルが動いた。近くへ居るよう命じられたはずのロイズの元を離れ、三日月の両側に寄り添う。
「「ぎゅう♡」」
――幸せは、大切なことは。見えないことが多いのかもしれない。
「メルルとティルはきっと、もうすでに一人ではなくて、二人だと、思うのです!!」
まるで大地を踏みしめるかのようにしっかりとした、三日月の発する言葉。そのひとつひとつが強い意志表示のようだ。
聞いていたロイズの顔からは先程までの寂しそうな表情が消え、元の美しいオーラを放つ、微笑みに変わっていったのだった。
お読みくださりありがとぉございます。
♪お知らせ-----------------------
いつもご愛読いただきありがとうございます。
えーっと……( ..)φ
しばらく更新をお休みいたします。
次話は、9月になるかと(*´Д`)はぅ
いつも遅遅~で、またさらにお待たせしてしまい
大変申し訳ありません。
よろしければまた……ペコリ(o_ _)o))
お読みいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
菜乃ひめ可------------------------
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さてさて恒例の!!
『 関連のあるお話 』(/ω\)きゃ
~☆今回はこちら☾~
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第74部分【64 文化交流会2日目~繋がり~】
メルルとティルの紹介~♪
が、書かれていますにゃあ(=^・・^=)!!




