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113 謎の場所

お読みいただきありがとうございます( ꈍᴗꈍ)

♪こちらのお話は、読了時間:約6分です♪


(Wordcount3000)


「しかし困りました。何からお話すれば良いのでしょう……」


 ふ〜んと顎に右人差し指を当てながら、すまして(とぼ)けたような顔をするロイズ。その姿はまるで、いたずらをする時のラフィールの表情と似ていた。


「ロイズ、顔、顔!! 真面目にせんか!」


「あ~ごめん」


(ふぇっ! ろ、ロイズ先生がお父様に注意をされている?!)


 ライトに言われ「んふふっ」と品良く微笑むロイズ。緊張をしていた三日月だったが、その様子に何だか肩の力が抜け笑ってしまった。三日月の表情を確認したかのようにロイズは、ゆっくりと三日月に目を合わせニコリ。いつもの優しく甘い声で、話し始める。


「月さん、あなたにはやはり笑顔が似合います。いつも笑っていてほしいと……その思いはここにいる皆、そしてこれから集まる者たちも同じ気持ちでしょう」


 褒め言葉にも聞こえる表現に、三日月は心がポカポカと温かくなった。視線を感じ周りを見渡せば父と母、そしてラフィールも、穏やかでとても優しい表情で自分のこと大切そうに見ている。


(こんなに見つめられているのに、不思議と恥ずかしいとか緊張とか。そんな感情は湧かない)


 いつもだったら、人と目が合ったりちょっと見つめられるだけでも、顔は真っ赤になり恥ずかしくなる。それなのに今は、そう言った感情よりも上回った気持ち。


――むしろ、幸せな気分で。


「はい! ロイズ先生、ありがとうございます」


 三日月は斜め前に座るロイズに向かって答えた。もちろんその心は、嬉しいという気持ちが溢れ、自然と頬はピンク色でにっこりと可愛い笑顔だ。


「さてさて、月さん。先程の疑問『ルナ』に関するお話の前に伝えておきたいことがあるのですが。聞いていただけますか?」


 金色の長い髪を今日は緩くふわりと束ねているロイズは、ますます美しく凄まじいオーラを放つ。テーブルに肘を置き手を組むと、少しだけ頭を横に三日月の顔をじっと見つめてきた。


――ドキッ。


(どこかで感じたような、誰かに似た感覚なのだけれど‥‥‥ダメだ。素敵すぎて見惚れてしまいます!)


「そ、そんなご丁寧に! もちろんです、こちらこそよろしくお願いいたします!!」


 緊張とはまた違う感情。三日月のドキドキな心臓は今にも飛び出そうだった。


「ありがとう。ではまず、月さん。ここはどこだかお分かりですか?」


「えっ? あ、いえ。なにも分からなくて……」


 一瞬でハッと我に返った三日月。ここに入ってからの出来事やおかしな空間への不思議な感覚、そして戸惑いの気持ちは何なのか? そして自分がいるこの場所もどこなのか? 分からないままだった。


 ロイズは三日月の返事を聞くと「そうですか」と言い、にこやかに笑いながら話し始めた。


「ここは、皆様から口々に『謎の場所だ』と言われ、遂には『空想の世界なのではないか?』とまで言われてしまっている場所です」


 そう言うと、ロイズはとても楽しそうに笑いながらラフィールの顔をチラリと見る。そしてまた、クスクスと笑っていた。


「またまたぁ~♪ こう見えてロイズ様は、ナイショナイショ~な秘密事がお好きですからねぇ」


「ほぇ?! そ、そうなのですねぇ~あっはははぁ」


 驚きながらも、三日月の心はまたポカポカとしてくる。

(ここにいると……ここにいる方々と一緒にいると、心が安らぐ)


「おいおい、こらっ! ロイズにラフィール。うちの可愛い娘を困らせて、おちょくらんでくれぃ」


 少し呆れ顔で、しかし友達のように接するライト。すっかり和やかムードだ。


「はいはい、それでは月さんに、この場所をお教えしましょうね」


「は、はいッ」


――ドクンッ。


 心の中で「謎が解ける!」と楽しみで、ドキドキわくわく。それは好奇心にも似た感情だった。しかし一瞬でその心は、そわそわする落ち着かない気持ちに変化した。それはロイズから感じられる雰囲気が、変わったからである。


 そして真剣な表情になった三日月は、ロイズからの答えを待った。



「ここは最後の学びの場所とされている――【end】です」


「エッ!? ここが」


(秘密裏に訓練が行われるって聞いたことがある、あの――)


 三日月は声は出さずに目を見開き、驚愕した。なぜなら選ばれた者しか入ることの出来ない場所だと聞いていたからである。


 ロイズの言った通り『空想の世界なのではないか?』と、それは生徒の間だけではなく、ルナガディア王国内ではひそひそと噂されていた。本当はないと思われている幻の場所end。


――本当は……本当にあった!!


 この時、三日月の中に湧き上がる感情。身体中が、心が震えていた。そして気付いたこと。


「えっと、……え? ということは、ここが?!」


「はい、“竜星域(りゅうせいいき)”の一部です」


「はぅ! なんて……なんて素敵なの!!」


 ロイズは笑顔と優しい声で答える。その言葉で三日月の瞳は輝きを増し、まるで探していた物が見つかった時のような喜びようだ。


「三日月、どうしたのです?」


 母である望月は、三日月の見たことのない表情に少々驚き、不思議そうに見つめていた。


「お母様! キラリにある森の奥深くに広がる星域! あそこでいつも精霊ちゃんたちから聞いていたのです!! 私の憧れでした、竜星域(りゅうせいいき)♪」


 三日月はいきいきと話す。その顔は紅潮し、そして全身が喜びを感じて熱くなっていく。両手を上にあげると「やったぁ」と言わんばかりのポーズを取ってしまった。が、すぐに自分の失態に気が付く。


(あっ、しまった。思わず言ってしまったのです……勝手に一人で星域に行っていたことを)


「み~か~づ~きぃ? どういうことかしら? あそこへは――」


「ひえ~、ご、ごめんなさ……ぃ」


「まぁまぁ望月様、今日は大事な会議の日ですので、ねっ?」


 とても冷静に、やさし~く母娘二人の間にロイズが止めに入った。

 ライトとラフィールは三日月の素直過ぎる姿を微笑ましく眺め、いや。声を必死で抑えながら笑っている。


「ロイズ様……そうですわね、(わたくし)としたことが。申し訳ありません」


「いえいえ~」


 ロイズはゆらゆら~と手を振り、穏やかに答えた。


 そして、さっきまでの元気はどこへやら。その会話を聞きながらしょんぼりとしてしまっている三日月。仕方ない、自分のやってしまったことだと。後に起こる母からのお叱りを考え、ますます深い溜息が出た。しかし次のロイズの言葉によって、また場の空気は引き締まる。


「月さん、お話を変えましょう。疑問に思っている件についてですが。まず単刀直入に申し上げますと、ラフィールはお尋ねの『ルナ』ではありません」


「――?!」


「んふふふ。そうですねぇ、分かりやすくご説明しますと、ルナが星守空(セルク)の母だというのは合っています。ではなぜ、ラフィールが『ルナ・ラファエル』と呼ばれているのか?」


「はい。ここの扉を開く際に、ラフィール先生はそう呼ばれていたような気が」


「えぇ、そうですね。これには深い理由があります。まず姿は人間ですが、あくまでも妖精ですので、ここに入る許可は出せない掟があります。しかしラフィールは『ルナの癒しを継ぐ者』、すなわち()()()()()()を務めてもらっているのです」


「あ、あっ!!」


 この瞬間、三日月は思い出す。声を出さないラフィールが扉を開くために唱えていた魔法の言葉。



――『(われ)(つき)の世界に(つか)い仕え使者、(ルナ)の癒しを継ぐ者【ラフィール】が命ず』



「おやおや、さすが! お気付きになりましたか?」


 ロイズは微笑み、三日月に問う。


「はい」

(私は思い出した。あの時に見た光――魔法の言葉を……)


いつもお読みいただきありがとぉございます♪


『 関連のあるお話 』

~☆今回はこちら☾~

 ↓ ↓

第70部分

【60 文化交流会2日目~扉~】

キラリの星域について書いてありまする~☆


途中からの加筆修正も進んでいなくて(*´Д`)

すみましぇ~ん!


またぜひ! 読み読み来てくださいまし~♪

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