110 妖精の翼
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突然始まった、ラフィールの魔法展開。
一年以上指導を受けてきた三日月も、聞いたことのない魔法。そして今まで見たことのないラフィールの姿に、驚きの表情を隠せなかった。
――『【ルナ=ラファエル】を確認しました。入館を許可します』
ゴゴゴォォォォオ…………。
入り口の扉も見当たらなかった重厚に見える冷たい壁。そこから響いてきたのは『声のような音』。間違いない、聞こえているのは耳ではなく頭の中に伝わり響いてきているのだと感じ、同時に三日月の心はざわざわと落ち着かなかった。
(そういえばラフィール先生、ここに来てから一度も話していない?)
何か声を発せられない理由があるのか、禁止事項でもあるのか? 疑問の気持ちは膨らむばかりだ。
ふと視線を感じて顔を上げた三日月は、ラフィールのいつも以上にキラッと光る美しい瞳に見られているのに気付く。目が合えば離すことが出来ない、それは金色に輝く瞳――。
(今さらだけれど、私もしゃべらない方がいいよね?)
ふわふわぁ~っ……!!
「んあっ、にゃふ?!」
三日月はラフィールの部屋からここへ来たときと同じ、一瞬で視界を奪われた。全身包み込まれるように抱きしめられたからだ。絹で織られたオーガンジー素材の素敵なヒマティオン(洋服)の隙間から見える景色は真っ白。目に映っているものをあえて表現するならば、眩しく輝く金色の世界だけだ。
目も開けていられないほどの光量。いつの間にか三日月は目を瞑りラフィールにしがみついてしまっていた。
(ラフィール先生は、どこへ向かっているの?)
ゴゴォォォ…………シューッ。
「ふふっ、もういいですよ」
何かが閉じるような音が鳴った後「到着した」と受け取れるその言葉。
護るように包み込んで抱きしめてくれていたラフィールの腕が、小柄な三日月の身体からゆっくりと解かれてゆく。そっと恐る恐る目を開けた三日月は、そこで驚くべき光景を目の当たりにする。
「さっきと……全然、違う!!」
(なんて美しい景色……というよりも)
「き、き、煌びやかすぎるぅ~!!」
そして思わず、いつものように感じたことを口に出してしまう三日月。
ついさっきまであんなに薄暗く物悲しい通路にいたはずの自分が、次に到着した場所は真逆と言える。その奇跡のような出来事に驚愕し、若干の放心状態となった三日月の頭の中と心は。考えと気持ちのバランスは、とれなくなっていた。
起こっている現実に、ついていけなくなっていたのだ。
――すごい……ここの空間には一体、何があるの?
「どうしました? 月さん」
「あ、いえ……あまりにも、あまり、に……?!」
この瞬間に三日月は、目の前で起こっているもう一つの現実に、その素晴らしさに一驚し、目を見開いた。そんな表情で固まっている三日月を見て、ラフィールが笑いながら話しかけてくる。
「ふふッ。またまた~月さんたら可笑しな顔をして! どうしたのです?」
「ら、ら、ラフィールせんしぇぇ……が。ラフィールしぇん……せ、せな、か」
やっとやっと声を絞り出すように話した三日月に対し、ラフィールは取り澄ました顔で答え始めた。
「ほぅほぅ? せ、な、か~ですか?」
どれどれ~? と言いながら自分の背中に手を伸ばす。
「…………」
「あぁッ! これですかぁ!!」
(また先生は、いつものおとぼけ~な感じでぇ)
「あれあれ~私言ってませんでした? うっふふ♡ 実は私もティアと同じ、妖精なのですよぉ~」
――エッ。えっ?
「えぇぇぇぇッ!!」
「コレ♡ 翼ですよ~やっぱり言ってませんでしたか?」
「ラフィール先生?! 私聞いてません、初耳です! 全く知りません!!」
笑いごとではないです! と、教えてほしかったという感情が溢れた。そんな気持ちになったのも、三日月にとっては初めてのことだ。
(何だろう、この気持ち。言ってもらえてなかったことが、こんなにも悲しく感じちゃうなんて)
泣きそうになる心と、よく分からない感情で動揺する自分を隠すため、三日月はいつもの調子で頬を破裂しそうなくらい膨らまし「そんな大切なことを!!」と言いながら、ブンブンと首を振る。
すると急に、後ろから優しく温かい手のひらが三日月の両頬に触れた。それからゆっくりと、ぎゅーっと抱きしめられる。
「三日月……」
ふわっ……ぎゅっ。
――あっ。あったかい……優しい声に懐かしい香り。なんて安心するの。
そしてハッ! と、三日月はそれが誰のぬくもりなのかに気付き、その綺麗な瞳いっぱいに涙を浮かべた。
(そうだ、この香り、この声。この温かい、手のひら)
「三日月、私の可愛い愛する三日月。会いたかったわ」
そう言うと、さらに強くギュッと抱きしめる。
(そう会えなくても、忘れるはずがない。私の大好きな、一番尊敬する人)
――「お、お母様ぁ~……グスッ、ふぇ~ん」
「おいおい! ちょっと待ってくれぇ三日月!! 父さんも、お父様もいるぞ!」
「ふぇっ? グスッん……ど、どうしてお父様?!」
「おぉぉ~可愛い娘よぉ、三日月よぉ~! 元気だったのか?!」
グワシッ!!!!
「ぐぅっ?! お、おと、さま……ぐるじいぃぃ(苦しい)!!」
「おぉ~っと、いや~すまんすまん! 嬉しすぎてなぁ。ハハハッ」
「もう雷伊都さんったら~」
急な出来事ばかりで、やはり頭の中と心の処理が追いつかない三日月はフラフラと倒れる寸前! だが、目の覚めるような考えが頭を過ぎった。そう、昨夜考えていたことに真実味が増したのでは? と感じたからである。
「お父様、お母様。お二人が呼び出されたということは、やはり私は……」
――――退学でしょおかぁぁぁぁ?!
「……う、グスッ。ふぇぇ~ん!!」
「あら、どうしたの? 三日月」
「なんだ? 腹でも痛いのか?!」
元、王国騎士であった父、雷伊都。
そして、キラリの森で守人をする上級魔法師の母、望月。
「あらあら? ご両親に甘えているのでしょうか? 本当に可愛いですねぇ、月さんはッ、うふ♡」
三日月の両親が、ここへ呼ばれた理由とは――。
いつもお読みいただきありがとぉございます♪
『 関連のあるお話 』(*´▽`*)
~☆今回はこちら☾~
↓ ↓
第35部分【27 文化交流会2日目~妖精の声~】
バスティアートちゃんが登場した時のお話でしゅ♪
え~っと悩み迷走してますが……。
☆こちら新タイトルの候補パートⅡ(*´▽`*)
⇒『奇跡の花は煌めく三日月の夜に咲いて』
☆候補パートⅢ
⇒『月世界の願いごと~三日月の花が咲いた奇跡~』
☆おまけ(候補にゃんにゃら~)
⇒『星と太陽は夜空に煌めく月に恋をする』
エッ? 恋少ないから(笑) きゃっかぁ~??
今のまま好き~って意見もありますが。
悩む~なのなのデス(≧◇≦)
ではではぁ~次話もお楽しみにぃ~ん♪




