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108 憂鬱な気分

お読みいただきありがとうございます(*´ω`*)

♪こちらのお話は、読了時間:約6分です♪


(Wordcount2670)



 御機嫌よう

 セレネフォス=三日月様

 無事あなたの手元に

 この手紙が届いて

 安堵致しております

 要件を簡潔に

 お伝え致しましょう

 明日午後一時

 ラフィール講師の

 元へ来たれよ

 授業は

 ご心配なく

 では明日

 お待ちしております



 翌日の午後。

 昨夜確認した魔法仕掛けの手紙は、一文字も残すことなく光と共に消え去った。しかし時間が経ち気持ちが落ち着いていくにつれ、三日月の脳内ではきちんと文章に変換されていたのである。


「はぁ~……憂鬱だぁ」


 あの手紙はきっと夢だった。夜に寝ぼけていた自分の夢だった――そうであってほしいという三日月の切なる思い虚しく。脳内変換で出来上がった手紙の鮮明さは「あの手紙の出来事は現実だった」という自分自身への証明のようになっていた。


「ふあぁ~……やっぱり眠れなかったぁ」


 そして呼び出しを受けた時刻より少し前に着くよう、まずはラフィールの部屋へ向かおうと魔法扉(ラフィールの部屋へつながる()())の準備をする三日月。いつも魔力・能力の授業をしてもらっている慣れた先生を訪ねていくだけなのに、その気分は……。


「ラフィール先生の部屋へ行く裏扉、初めて使うよぉ。大丈夫かな、ちゃんと着くかなぁ……んぁあ、もぉ〜憂鬱だよぉ」


 憂鬱――結局は、この言葉ばかりが頭の中でぐるぐると回っている。


(まさかこんなに早く、先生のお部屋にまたお邪魔することになるなんて)


 三日月はこれまで、ラフィールの授業で気鬱になる事は一度もなかった。


 もちろん特別メニューである日々の訓練内容は、とてつもなく厳しく辛い。当然いつも手加減なし、優しく甘やかされた授業など、ただの一度も記憶になかった。それでも自分が学園に入学した目的や思い、その決意は固く、どんなに厳しい魔力訓練にも必死で食らいつき、ラフィールの授業は全てクリアしてきた。


 その結果が先日、文化交流会での【(key)】レベルⅡの許可だったのだ。


「今日ってもしかしたら! いつもと違う特別訓練の呼び出しとか……」


 と、淡い期待を胸に。少し思いを言葉にしてみたものの、ここには今自分一人。同意して気持ちを分かち合ってくれる者など、もちろん誰もいない。


(はぁ〜。そんな訳ないかぁ)

 肩を落とし、寂しく心の中でそう呟いた。


 昨夜遅くに気付いた、三日月の予想では。


 まず一つ目。

 これから誰かお偉い方に、思った以上の魔法を披露したことのお叱りを受ける。

 または二つ目。

 お茶の誘いを邪魔されたと言った、ラウルド理事長が何かしら関係している。


 などなど、いずれにせよ悪い方向での話しか今の三日月には思い付かなかった。


「うーっ考えていても仕方ない! ほらほら三日月、行くしかないのよッ」


 自分を心を鼓舞するように声を出し、部屋へと繋がる魔法扉(裏扉)への入り口を展開する。


 ピカッ……キラキラッ――シュン。


 シュッ…………バターンッ!!


「――んニャふッ!」


 一瞬だった。


 それは短時間での移動。すぐにラフィールの部屋の中にある扉の出口へと着いていた。魔法は上級! しかし運動はちょっとぉ~な三日月は、豪快に尻餅をつき「いったぁーい」と言いながらお尻と腰をさすり涙目になっている。


「あ~ら、いらっしゃ~い。月さん早かったですねぇ……うっふふふ♪ さっすが月さん! いきなり楽しませてくれますねぇ」


 その姿に気付いたラフィールは、すかさず揶揄いにやってきた。得意の飛躍魔法を使い、ふわふわり~と気持ちよさそうに飛びながら。


「あふ、ラフィールしぇんせー……うぅー痛たぁ。わ、笑うなんてひどいです」


 三日月は半泣き状態で言い返す。それでもクスクス笑いながら話すラフィール。


「あぁ! ごめんなさ~い。でもねぇ、うっふふ」


 三日月は「もぉー」と思いっきり頬を膨らまし、ご機嫌斜めでプイっとそっぽを向く。するとラフィールは頭を優しくポンッ「ハイハーイよしよし♪」と撫でた。


 それがさらに恥ずかしいと、三日月の頬はりんごのように真っ赤っか。


「うー、先生! また私のこと子供あつ……」


『三日月?! 大丈夫ですか?』


(あっ! このお声は)


 ラフィールに「子ども扱いしないで下さいー」と、言いかけたところで、三日月のご機嫌は一瞬で良くなった。声の方へ振り向くと、その可愛らしい心地良いそよ風のような声がそっと耳へ触れ姿を現した。


「きゃーん! ティア~元気だった? 私は大丈夫!」


『本当に? お怪我はございませんか?』


 その問いにうんうん! と頷き(しかし、痛いお尻をさすりながら)満面の笑みで元気よく返事をする。


『それなら、安心しました』と、ニコッ! 妖精バスティアートの笑顔は、今日もキラキラと金色に輝いている。


(あぁ、なんて可愛いの! 本当に心の癒しだよぉ)


 三日月が、バスティアートと手を取り合って笑顔で話していると、ラフィールが飛躍魔法を解き、近くへ歩いてきた。


「月さん、緊張はほぐれましたか?」


 さっきまでの悪戯な表情はなく、いつもの見慣れたラフィールのにっこり笑顔に、三日月はほっこり。


 思えばラフィールのお茶目なお出迎えのおかげで、いつもの調子に戻れている気がした。そう――『憂鬱な気分』は、なくなっていたのだった。


 そのラフィールの何気ない優しさに、満面の笑みで三日月は答えた。


「えへへ……はい、すっかり元気に。ありがとうございます」


 それからラフィールは少し、強めの口調でバスティアートへある言葉を告げる。


「ティア、今日はこれから月さんと()()()()()へ向かいます。帰りは何時になるか分かりませんので、ここの護りを頼みますね」


『はい、かしこまりました』


 バスティアートは美しいピンク色の髪をふわりとなびかせ、丁寧にお辞儀をしながら慣れた口調で返事をした。


「さて、月さん。参りましょうか」


「あ、は……はいっ!」


 あまりにここは居心地が良すぎて、ついつい忘れてしまいそうになっていたが、今日の目的は手紙の呼び出し。


(大丈夫、行くときはラフィール先生がいて下さる)


 少しだけ甘えるような考えを頭で思いながら、ラフィールについて行く。


『三日月、頑張って下さいね!』


 むんっ! と、両手を胸のあたりで“ギュッ”として応援をするバスティアート。それに応える三日月もまた同じように両手“ギュッ”、頑張るポーズで返した。


「うん! ありがとうティア。行ってきます」


 そう言うと、向き直りラフィールに改めてご挨拶をする。


「ラフィール先生、よろしくお願い致します!」


「はぁ~い、お利口さん♪ さぁ行きましょう」


「大丈夫、大丈夫……」


 そう無意識に呟く三日月。

 その姿にふふっと笑うラフィールもまた、小さく呟いた。


「相変わらず、可愛い子です」



(よぉ~し!)

――いざ、送り主の元へ!


いつもお読みいただきありがとぉございます♪


『 関連のあるお話 』(*´▽`*)わぁ~い

~☆今回はこちら☾~


 ↓ ↓

第39部分【31 文化交流会2日目~3人からの贈り物~】


えっ? ラフィール先生のお部屋へ繋がる

裏扉ってなぁに? が書かれていマシュ(笑)


あ……えっと、タイトル検討中です(/ω\)

ではでは、次話もお楽しみにぃ♪

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