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107 魔法の手紙

お読みいただきありがとうございます( ꈍᴗꈍ)

♪こちらのお話は、読了時間:約6分です♪


(Wordcount2600)


「イヤッ! メルルがこっちで寝るの!!」

「イヤイヤッ! ティルがこっちなの!!」


「まぁまぁ、二人とも……」


 夕飯をたくさん食べて大満足。その後も楽しく過ごして、お風呂にも入り、さぁ寝ましょうという時間に、うにゃうにゃと可愛く揉め始めたメルルとティル。


「だってぇ~、ちゅっきーの右側がいいんだもんッ」

「ティルもちゅきちゅきーの右側がいいもぉーんッ」


「いや、えーっと……」

(左右どちらでも、変わらないのにぃ)。


 どうやら、ベットで寝る際に、月の右側で寝るのはどっちだと、取り合っているらしい。なぜ? 右側が良いのかは、分からない。


 そんなに広くもないベット。いくらメルルとティルが小柄とはいえ、三人並んで寝るとちょっぴり狭い気もする。なので月は、自分は床に布団を敷いて寝るからと言ったのだが「お護りできなくなる!」と、その提案は聞いてもらえなかった。


(メルルとティル。わがままだけれど、私を大切に思って護ると言ってくれる二人は……やっぱり可愛いのです)。


 月の言う事なら、最終的に聞いてくれる二人。なので言い合いをしばらくの間、静観してから月は口を開いた。


「ねぇ、二人とも。右と左、どちらでも私は嬉しいよ! 明日からも一緒にいてくれるのでしょ? じゃあ毎日交代で右、左。ねっ? そうやって寝たらいいんじゃないかなぁ?」


 その月の言葉に、メルルとティルは顔を見合わせて五秒。仲直りなのか? 喜びの舞いを踊り始めた。


「わぁーい♪ ちゅきー」

「わぁ~い♪ ちゅっき」

「「そうするのだぁ!!」」


(よ、よかった。どうやら納得してくれたみたい)。


 それから……二人は疲れてしまったのか? はたまた安心したのか? 月が寝る前の片付けを終えて寝室に戻ると。


「「すぅ~ス~……」」


「あららっ、メル・ティル寝てる~。ウッフフ、これじゃあさっきの言い合いは、何だったのかなぁ?」


 もちろんベットは占領状態。月はクスクスと笑いながら、二人に布団をかける。天使のようなその寝顔は、あまりにも可愛く思わず見つめてしまう。幸せな気分になった月は、微笑み緩みっぱなしの頬が戻らなかった。


「よしっ。じゃあ私は」


 キィー……パタン。


 二人を起こさないよう静かに寝室のドアを閉める。そして居間に戻ると、学校の帰りにクラスの女の子から受け取った封筒を、しまっていた鞄から取り出した。


――上級魔法の刻印がされた“何か”。


「手紙? はぁ。怖いし、緊張するけれど。先生から預かったって言っていたし、今日のうちに確認しとかないと」


(でもどうして? 先生は私に直接、渡さなかったのだろう?)


 そんな小さな事を、ふと考えながら封筒に手をかざす。

 魔法陣の刻印がされた封書は必ず魔法で開ける必要がある。しかも今回のような上級魔法刻印は、特定の人物以外は開けられないよう厳重に封がされているのだ。


 月は今まで、魔法刻印入りの手紙などもらった事はなかったが、そこは王国随一の魔法科のある学園。そのような初歩的な指導は受けていた。


(私で本当に開くのかな?)


 少しだけ不安を抱えながらも、期待にも似たドキドキ。深呼吸をすると、封書へ手をかざしたまま魔法を唱えた。


「えーっと『開封』」


――キラッ……パァーーー!!


「ふにゅ?! エッ??」


 封筒の刻印が開き、手紙が出てくるとばかり思っていた三日月は驚いた。恐らく内容を人に聞かれないようにするためか、頭の中に“音”が流れ込んでくる。それはどこかで聞いた事のあるような。


――甘く優しい、心がホッとする綺麗な声。


「ふ……はぁ……」


 月は感動しながら、その言葉を聞いていた。



【内容】


 ゴキゲンヨウ

 セレネフォス ミカヅキサマ

 ブジ アナタノ テモトニ

 コノ テガミガ トドイテ

 アンド イタシテオリマス

 ヨウケンヲ カンケツニ

 オツタエ イタシマショウ

 アス ゴゴイチジ

 ラフィールコウシ ノ

 モトヘ キタレヨ

 ジュギョウ ハ

 ゴシンパイナク

 デハ アス

 オマチシテオリマス

 


――キラッ……パァーーー!!


「あっ」


 頭の中で響いていた音は差出人の正体を明かす事なく終了した。手に持っていた封書は、始めと同じような光に包まれ、そして跡形もなく、綺麗さっぱり消えていたのだった。


「すごい、あっという間に」

(一体、誰からの手紙だったのだろう?)


 とても不思議に思いながらも、クラスの先生から預かったという言葉を信用し、悪いものという心配はしていなかった。しかし初めての魔法刻印入りの手紙を受け取った事と、開封魔法に、未だドキドキする気持ちを抑えられずにいた。


 月は一旦、気持ちを整理し落ち着かせようと台所へ向かう。そして、温かいお茶をいれテーブルにつく。そこに置いてある木製の小物入れには、タイトからプレゼントされた薔薇の飾りを大切に入れていた。


「“ヘリオスロマンティカ”……可愛い」


 しばらくボーっと、コロンとした薔薇を眺めた後、お茶のカップ持ち上げ口に近づけた瞬間!


 ふと何かを思い出し、気付く。


「んっ? ちょっと待って」


――『らふぃーるこうしのもとへきたれよ』?


 カチャーンッ! がたん!!


 カップをソーサーへ戻し、少し溢れたお茶にも気付く事なく、椅子から立ち上がる。予想だったが、月の顔が青ざめるような事が、頭の中を駆け巡った。


「ラフィール先生の所にって、まさかぁ……」


 月は思い出していた。

 学園面接試験の際に「関係者以外には知らせない、極秘案件として扱う」と言われた事。

 そして、他言無用どころか、身をもって人よりも強い【力】(能力・魔力)を、よりにもよって多くの人が集まる文化交流会で開放してしまった事を。


「そうだ、きっと。はぁ~……人を助けるためとはいえ、力の加減が分らなかったから。開放し過ぎたんだ」


 あぁ~どうしようと、頭を抱えて座り込む月。この自分の()()()()については、いついかなる時も細心の注意を払うように言われていた。


(もしかして……退学とか? はぁぁうー!!)


 夜の闇は、思考をマイナスの方向に引きずり込んでいく。


 時計を見ると、時刻は夜中の一時。ちょうどあと十二時間後の話だ。寝れない、きっと眠れない、そう思いながらも静かに立ち上がり、ゆっくりと椅子に座った。


――夜の闇に、負けてたまるもんか!


「ふふーんだ♪ 今更ジタバタしても仕方ないもん。いやいや、大丈夫! きっと何か違う話だよねっ♪ あっははは~」


 月はわざと明るい声を出し、誰も聞いていないプラスな独りごとを言いながら、夜の闇と戦う。


 そして「大丈夫」を連呼すると、自分の心に言い聞かせるのだった。


いつもお読みいただきありがとぉございます♪


『 関連のあるお話 』

~☆今回はこちら☾~

 ↓ ↓

第5部分

【03 学園】

ルナガディア国内にある学園の仕組みや、月がこの学園の入学試験を受ける際のお話が書いてありまする(*´▽`*)

……お読みになる際は、要点だけご覧ください(笑)


(まだ小説を書き始めた頃、最初の方ですので、

今よりもたぶん書き方や文章がやばい(;´▽`A``)


途中からの加筆修正も進んでいなくて(*´Д`)すみましぇん。



次回は必話の予定です。お楽しみにぃ~!!

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