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102 戸惑い

お読みいただきありがとうございます(*´▽`*)

♪こちらのお話は、読了時間:約4分です♪


(Wordcount2000)


「あのぉ~……」

(タイト様、なぁ~んにもなかったかのようなお顔してるよぉ)。


 なぜ? 先に行っていてくれと言っていた太陽が、先に客間へ着いているのか? その理由は全く見当もつかない月は、目の前で起こっている状況に戸惑っていた。そんな気持ちを抱えたまま、タイトの案内で部屋に入る。


――バタンッ。


 扉が閉まったのと同時に、聞き馴染みのある可愛い声が飛んできた。


「ちゅっきぃーん♡」「さみしかったにゅーん♡」


 そう、太陽が一緒に連れて行った、可愛いメルルとティル。入ってきた月の事を、扉の前まで走って出迎えてくれたのだった。


「あ、うん? いやいやさっきぶりでしょ!」


 そう答えた月を、とても不思議そうに見つめるメル・ティルの二人。その様子を見ていた太陽が、大きな声で笑い始めた。


「あっはは! まぁそやなッ! うんうん確かに。その反応になるわな~、時間の流れを変化させていたんだろうからな」


 と、月には理解できない事を話す。


――時間の流れ?

「うーんと? どういう……」


 太陽に質問を投げかけようとしていた月。しかし、それに気付かず太陽は、話し続けた。


「なっ! そうだろ~タイト(にい)……ってぇ!! お、おい、月それ?!」


 月の姿を見てすぐ、太陽は座っていた椅子から身を乗り出し、驚いていた。それを見て、聞いていた月もまたびっくり!!


「ほぇっ! な、な、なになにぃ?!」


 月は「なんだろう? 私の顔に何か付いているのかな?」と、慌てて太陽から顔を隠すように、閉じた扉の方へ向き直った。少しだけ桃色に変わった両頬を、自分の手で優しくヨシヨシする。


「あー、えっと。急に大きい声出してすまんかったな、月」


 太陽は、思わず気持ちが顔に出てしまった、自分の行動を恥じながらも、後ろを向いて暗くなっている月を気遣い、声をかけた。


「…………う、うん」

 しかし、月は後ろを向いたまま、じーっとして動かない。


「お、お~い、つーきちゃん?」


――うぅぅ……だってぇ。

(私のお顔見て驚いていたし! でも何でなのか、分からないよぉ)。


 そのやりとりを、黙って見ていたメル・ティルは、またさらに不思議そうに月を見つめながら、近寄ってきた。


「月にゃう~?」「つっきぃ~?」

 その声で、ハッとした三日月はメルルとティルの方へ振り返る。


「あ、あー! ごめんネ。えーっと、何だったっけ?」


「「ジー―――――ッ」」


――エッ? メル・ティルまで……。


「え~……っと?」


 すると双子ちゃんは、少し頬っぺたをぷくっと膨らませながら、その小さな体で月に可愛く詰め寄った。


「それ可愛いぃ!」「それどしたのぉ!」


「「ズル~いッ!!」」


「ズルいって……それって……どぉれ?」


 すると、メルルとティルが不思議な顔をして、不思議な事を言い始めた? と、はてなマークがいっぱいの月。すると、二人が「どぉれ?」に、元気よく声を揃えて答えた。


「「そ~れ!! きゃわいいお花ぁ~♡」」


 それを言うとメルルとティルは、急にテンション急上昇。

「うっきゃは~♪」と、楽しそうに走り回り始めた。


「あ……お花、ネ。もしかして、太陽君も?」

 月は、恐る恐る太陽の方へ視線を戻した。すると……。


「あぁ。まぁ、そうなんだが――」


 少し歯切れの悪い返事になってしまう太陽だったが、月はというと、理由が解りホッとひと安心。太陽の方へきちんと向き直った。


「三日月様、どうぞお席へ」


 タイトが部屋の奥にあるテーブルへ手を向け、案内する。もちろん、花の話などお構いなし。顔色ひとつ変えることなく、抑揚のない声で話す。


「はい、ありがとうございます」


 メル・ティルも早くおいで~と、月は二人を呼びながら席へと向かった。

「仕方ない」と、ボソッと呟きながら太陽はタイトの方を見る。腑に落ちない顔を見せつつも、月が近くまで来ると、いつもの笑顔で迎え入れた。


(太陽君のお話……何だろう?)


 月はそんな事を考えながら、少し緊張気味で椅子に座った。隣ではメル・ティルの二人が相も変わらず、キャッキャとじゃれ合い遊んでいる。そしてすぐに、表情を崩す事のないタイトが、美しいお辞儀をしながら、話しを切り出した。


「恐れながら申し上げます。太陽様、宜しければ話を(はじ)む前にひとつ。三日月様へ、()()()()のご説明をさせていただきたく存じます」


 そう、タイトが話したところで、太陽が口を開く。


「あぁ、それは構わん。しかし……タイト兄! 今、俺が聞きたかったのはそれではなく」


「はい、いかがなさいましたか? 太陽様」


 太陽の、珍しく真剣な眼差し。しかし、今はそれに答えるつもりはないと言わんばかりのタイトもまた、真剣かつ厳しい目をしていた。その表情はピクリとも動かず、冷たく、優しさを感じない程の(げん)たる空気が漂っている。


「タイト兄、悪かった。この話をするのは今じゃないよな」


 その力を全身で受け止め、思いを察した太陽は、タイトの瞳に映る自分へ言い聞かせる。そして諦めたかのようにフフっと、自分の未熟さに笑ったのだった。


いつもお読みいただきありがとぉございます♪

次話も、おたのしみにぃ~(/ω\)

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