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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
三章 パーティ活動

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081 ショットガンでスキルレベル上げ


「そういえばなんだけど……」


 シモンがショットガンを使うことに乗り気に見えなかったプックが説教していたら、シモンは説教を逃れたいがために話題を変えたい。


「箱ってどうなってるんだ? 全て20個作るって言ってたのに、他のを作っていてできるのか??」


 この質問にはプックも痛いところを突かれたのか、舌をペロッと出した。


「あーしも同じ物ばかり作るのは飽き飽きでな~」

「俺のこと言えないじゃないか!?」

「まぁ……そやな。でも、ドワーフがやっとる鍛冶場に外注しといたから、そろそろできると思うで」

「へ? 作れるのか??」

「そりゃ腕の確かなところに持ち込んだからな。設計図と作り方を教えたから余裕やろ。何に使うかは言ってないから安心してや」


 外部に発注するのはプックの独断。各銃の弾倉を20個と言わず、今まで作った物を除外して各50個も発注していたのだ。しかも、これも女王様払いだからシモンは何一つ文句は言えない。

 いちおうプックもパーティ資金から出そうと思っていたけど、メイドに武器以外を作っている腕のいい鍛冶師の紹介を頼んだら、お金も先に払ってくれたんだって。


「だからシモンはん……」

「わかってるって。明日から極力使うって~」


 というワケで説教に戻りそうだったので、ショットガンを使うと約束するシモンであった。



「さあ! 行くで~」

「別について来なくても使うのに……」


 翌日は、ダンジョンまでついて来たプック。シモンは見張られているみたいなので小声で文句だ。ただ、プックが先々行こうとするので後ろに回し、ユーチェに指示をする。


「ユーチェなら上の階は余裕で対応できるようになってるだろ? 俺の撃ち漏らしを倒してくれ」

「信頼してくれるんどすね! ウチに任せておくんなまし~」

「調子には乗らないでくれな?」

「これ、大丈夫なん?」


 初めてシモンから信頼する言葉を掛けられたユーチェはアゲアゲ。でも、シモンとプックは心配。ユーチェは粗忽者(そこつもの)なんだもん。

 とりあえずプックにもサブマシンガンを装備させて、もしもの時に対応してもらう。シモンは肩からショットガンをぶら下げ、腰から下げた半自動式拳銃をいつでも抜けるように準備をしてから進んで行く。


「「「おお~」」」


 地下1階の最初は、ザコが単体、多くても2匹しか出ないから、ショットガンを1回撃てば事足りるので、3人とも感嘆の声が出ている。

 もっと進めばウルフが5匹現れたけど、引き付けてから2回撃てば全て倒れたので、ユーチェが出番がなくて頬を膨らませていた。


「あ、スキルレベル上がった……一気に150発になった」

「やっぱりな~。このまま行くと、使い切れない量になるんちゃう?」

「それはそれで困るんだけど……」

「困ることないやろ。無駄弾使うあーしとユーチェがおるんやで?」

「ちょっとプックさ~ん。ウチも日々命中率上がっとるんどすよ~」


 いまはソロではない。パーティなのだから、弾はいくらあってもいいと受け取り、ユーチェとプックの小競り合いも「蒼き群雄にいた時みたいだな~」と少しグッと来るシモンであった。



 それからも奥に進んで、ユーチェが1人で複数のモンスターを倒した姿にプックが驚き、シモンもショットガンだけで戦い続ける。

 そうしていたらお昼になったので、地下2階の安全地帯でメイドの作ってくれたお弁当を美味しくいただく。


「なかなか上がらないな~」


 スキルレベルが上がったのは1回きり。これまでにけっこう上がっていたから、ここからは経験値が多く必要だから上がりにくいのではないかというシモンの予想だ。


「倒す数が問題なら、やりようあるんちゃう?」

「ん? どういうことだ??」

「蟻地獄に行けば、無限に湧いて来るんやろ? プーシー8号の試射に持って来いや~」

「それ、8号を撃ちたいだけでは……」


 これはシモンの予想通り。プックはショットガンの使用よりも、ガトリングガンの試射に比重を重く置いてついて来ていたのだ。

 シモン的には危険を避けたいのだが、珍しくプックがウルウルした目で見て来るからその目に負けて蟻地獄へ移動。プックが「チョロッ」と言っていたことはユーチェに聞かれてた。


 蟻地獄に着いたシモンは、2人には待機と指示して1人で狙撃場所探し。高さが有り見通しが良く、発射位置に近付くほど土壁が狭まっている立地を発見したら2人を連れて隠れる。


「8号って準備がいるんだよな?」

「せやな。ま、数分くれたら固定したるわ」

「じゃあ、俺がクイーンを倒している間に用意してくれ。場所はあの辺りだ」

「よっしゃ。任せとき!」


 ひとまずシモンが顔を出して半自動式拳銃でクイーンアントを倒している間に、プックは設置作業。シモンが2体目のクイーンアントを倒したそのあとにはガトリングガンの準備は完了だ。


「んじゃ、次はユーチェだな。1発目はクイーンの腹に当てて、しばらくしたら自分のタイミングで頭に当てて倒してくれ。アントが大量に迫って来るから怖いだろうけど、落ち着いてな?」

「責任重大どすな~……頑張るどす!」


 ユーチェも気合いを入れたら、シモンもショットガンをガチャンと引いて戦闘の準備は全て完了だ。


「ほな行きますで~?」

「「おうっ」」


 こうして高ランク冒険者でも嫌う蟻地獄掃討作戦は、ユーチェの号令とシモンとプックの返事で幕を開けるのであった。


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