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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
三章 パーティ活動

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074 顔見知り


 迷宮の地下2階の安全地帯でお弁当を食べたら、プーシーユーは元気よく出発。モンスターを探してフォーメーションの確認だ。

 シモンとユーチェは半自動式拳銃を構えると頷き合い、通路から飛び出たらモンスターの群れに発射。シモンはヘッドショットで倒し、ユーチェは体を狙うから数発掛かる。


「ま、そんなもんだな。3分の1も倒してくれたら俺も楽ができる」

「なんとかなくわかって来たどす!」


 2人でのフォーメーションは、とある世界でいうところの警察やスワットみたいな戦い方。ドアを蹴破って部屋を一斉に制圧するアレだ。


「ズガガガガガ~!!」

「ちなみにプックさんの戦い方は……」

「アレはアレでいいんだよ。そっち、2匹残ってるぞ」

「あ、はい……」


 プックを入れたフォーメーションは、無差別乱射。撃ち漏らしを2人で仕留める、とある世界でも珍しい戦い方だ。

 ユーチェは自分より無駄弾を消費しているから、イマイチ納得がいかない顔をしているけどね。


 そんな感じでシモンがユーチェにだけ助言していたら、そろそろ帰宅の時間。他の冒険者に武器を見られないように気を付けて逆走する。


「あぁ~。気持ち良かったわ~」


 迷宮から出たプックはニコニコ。サブマシンガンをブッ放せてストレスは発散できたみたいだ。


「てことは、もう製作に没頭するってこと?」

「んなワケないやん。もっと大物やもっと大群を撃ち殺したいね~ん」

「やっぱり泊まりは決定か……」


 これでプックの製作意欲が湧くなら有り難かったのだが、迷宮で数泊しなくてはいけないので、トボトボ歩くシモンであった。



 シモンたちが向かった先は、冒険者ギルド。今日の物だけじゃなく迷宮攻略をした時に手に入れた魔石を売りに来た。

 あまりにも大量だったので、ギルド嬢もビックリ。なのでシモンは五層のギルマスから貰った書類を提出して黙ってもらう。


 ここまで多いと査定に時間が掛かるらしいので、ついでにユーチェのギルドカードを再発行。屋敷に戻って探しても見付からないだろうと、シモンとプックが判断したみたい。

 さらにパーティ申請。ギルド嬢から渡された用紙にシモンが氏名を書き込んで、最後にパーティ名を少し時間を掛けて書いた。


「なんでんのんその名前……」

「いや、その……」


 しかしその現場をプックに一部始終見られていたので、シモンはシドロモドロだ。


「あーしたちのパーティ名は、プーシーユーやろ!!」


 だって、まったく違う名前を書いてたもん。銃の名前もシモンは嫌がっていたのだから、パーティ名も変えたかったのだ。


「これ、よくないか? 俺たちの戦い方に合ってるし……これでいこう! 狙撃の王、略してソゲキン……」

「「アッカ~~~ン!!」」


 しかし、プックとユーチェは断固拒否。これを許しては、鼻の長い海賊にパチコで狙撃されるからだ。


 結局は2人に用紙は破かれて、プーシーユーと書かれて提出されたのであったとさ。



 パーティ名の件でワーワー騒いでいた一同。魔石を売った大金を銀行に移行して書類も提出したら、シモンだけトボトボ歩いて出口に向かう。不本意なパーティ名では、過去最高の額も喜ぶに喜べないんだって。

 そうして3人で歩いていたら、冒険者ギルドの扉が開き、5人組の若い男が入って来た。


「あれ? シモン……シモンじゃね??」

「本当だ……シモンだ! 本当に生きてたんだ!!」


 その5人組はシモンの顔に反応して、ニヤニヤしながら道を塞いだ。


「あ~……風勢嚇麗(ふうせいかくれい)ってパーティだったか?」

「そうそう。久し振りだな~」


 このパーティはシモンの顔見知り。ただ、ずっとニヤニヤしているからプックはあまり好感が持てない。


「シモンはん。この人ら、知り合いなんか?」

「ああ。一度だけパーティを組んだことがあるんだ」

「元パーティメンバーってことは……」


 プックがシモンの黒歴史を思い出したところで、風勢嚇麗のリーダー、生意気そうな顔をしたダーンがシモンに絡んで来た。


「てか、シモン。勇者パーティを撃退したとか冒険者新聞に載っていたけど、嘘だよな?」

「なんだそれ?」

「ほらな~? やっぱ嘘だったんだよ~。俺は絶対に嘘だと言っただろ~??」


 シモンの質問は、冒険者新聞のこと。それでダーンたちはシモンを噓つき扱いしたので、ユーチェが怒った。


「なんやこの人らは……エルフの英雄に失礼どすな~。シモンさんは、正真正銘、勇者パーティをこの六層から追い払ってくれたんどすえ」

「アハハ。シモンがそんなことできるワケないだろ! こいつの実力はBランクパーティの俺たちが一番知ってるんだよ! アハハハハ」


 いくらユーチェが反論しても、ダーンたちは笑うだけ。その態度にプックも怒り心頭だ。


「Bランク? それならシモンはんのほうが上やん」

「は? こいつは万年Bランクなんだよ。蒼き群雄の腰巾着してたから、不正で上がっただけだ」

「それ、情報が古いわ~。13人の盗賊を全て生け捕りにした功績で、シモンはんはAランクに上がったんやで」

「はあ? んなワケ……」

「あるわ。じゃあ、どうやってシモンはんは勇者パーティを振り切って六層に来たんや? シモンはんはあーしと一緒に、2人だけで六層に来たんやで。これ、どう説明するんや??」


 プックの問いには、ダーンたちも説明できない。なので、不正をしたのだと決め付けて非難する。


「どうせ迷宮ボスを倒せそうなパーティの跡をつけてただけだろ。汚いヤツだな~……さすがは蒼き群雄のお荷物。だから捨てられるんだよ」


 ここまで言われると、シモンも弱い。本当にお荷物でクビになったから、悲しい顔になってるよ。


「ふざけなはんなや! シモンはんは実力でここにおるんや!!」

「せやで! シモンさんを(おとし)める行為は、全エルフを敵に回すことやで! あんたら、女王様にもケンカ売ってるってわかって言っとるんか!!」

「全エルフ? 女王様??」


 その顔を見た2人が怒鳴ると、ユーチェの言葉に引っ掛かったダーンたちは周りの目に息を飲む。


「おい……これ、マズくないか?」


 冒険者ギルド内にいるエルフが殺気を飛ばしているからだ。そんな雰囲気では風勢嚇麗も怖くなったのか、仲間の1人がダーンの腕を引っ張った。


「チッ……行くぞ」


 なのでダーンもシモンに絡むことをやめて、すごすごと引き下がったのであった……


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