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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
三章 パーティ活動

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073 プーシーユー発始動


 ユーチェがプーシーユーの中で一番年上だったと知ったシモンとプックはゴニョゴニョ会議。ユーチェは一番年下みたいな精神年齢をしているから、この際、年齢のことは忘れることに決まった。

 てか、いまさらこの粗忽者(そこつもの)に敬語で話をしたくないみたい。2人のほうがしっかりしてるもん。


 ここからは年齢の件には触れず、酒を飲みながらフォーメーションの確認。ほどほどに酔ったら、屋敷に戻るプーシーユーであった。



 翌日は、エルフのメイドに起こしてもらって朝食もいただいたら、迷宮に向かう準備。

 シモンはいつもの動きやすい装備に、腰の右側に半自動式拳銃を差して弓を担ぐ。プックは鉄製のヘルメットと胸当てを装備。ユーチェもシモンと同じく動きやすい装備に、腰に半自動式拳銃を差して肩には弓だ。


 メイドからお弁当を受け取ったら準備完了。和気あいあいと喋りながら迷宮に向かう。

 迷宮に到着したら、ユーチェの冒険者カードが見付からないトラブルはあったけど、書類に記入すれば楽々侵入。久し振りに入ったユーチェと話をしながら早足で進む。


 迷宮街は活気が戻っていたから迷宮の中も冒険者が多い。その冒険者が減った辺りで、シモンも慎重に歩き出した。


「曲がった先にゴブリンが1匹いるんだけど……見本でもらっていいか?」

「1匹ならおもんないからええで」


 モンスターを発見すると、シモンはプックから許可を得てからユーチェと話す。


「いまから3号のお手本を見せるからな? 角から出たらすぐに撃つから見逃すなよ?」

「はいは~い」

「はいは一回や!」


 ユーチェがふざけた返事をしたらプックが怒ってくれたので、シモンの出番はナシ。もういいやと弓を収納バックに入れたらカウントダウンをして、通路から出たら一呼吸置いてゴブリンの頭を撃ち抜いた。


「一発!? この武器、こんなに強かったんや!?」

「一発なのは、頭を撃ち抜いたからだ。ユーチェの腕じゃあ、狙おうと思ったらかなり近くないと当てられないぞ」

「あ……そっか。シモンさんだからどすねんな……」

「そうだ。だから胸を狙うといい。当たりやすいし、運が良ければ一発で死ぬ場合もあるからな。まぁ二発撃って、まだ生きていたらまた二発撃つってことを繰り返せば、モンスターが近付く前に倒せると思う。これで試してみよう」

「はいっ!」


 見本を見せて助言をしたら、ユーチェの拳銃での初実践。シモンがモンスターを発見したら、ユーチェの出番だ。


「ゴブリンが2匹いたんだけど……」

「あーしの出番や! ズガガガガガ~!!」


 いや、プックがサブマシンガンをブッ放しながら突撃したのであったとさ。



「やっぱプーシー4号はええ子やな~。チュチュチュ」


 ゴブリンはプックに蜂の巣にされてご臨終。プックはサブマシンガンにキスしたり頬擦りしているけど、ユーチェとシモンは冷めた目で見てる。


「あの戦い方はアリなんどすか?」

「場合による。10匹ぐらいが一斉に押し寄せた場合は狙ってる場合じゃないからな」

「2匹の場合は?」

「悪い見本だ……」

「どすよね~?」


 シモンはプックを擁護してみたけど、やっぱり無理。無駄弾使っているから、シモン的にはあまりやりたくない模様。それでも勝利したのだから、魔石を拾って奥に。

 続いてはウルフが2体いたので、プックが譲ってくれた。的が小さいしすばしっこいから、ストレス溜まるんだとか……


「ほら? 動きを読んで……逆撃ってんぞ~?」

「速いんどすって!」

「あ~あ。これ、無理ちゃうか?」

「もう引き付けてから撃っちゃえ。近かったらさすがに当たるだろ」


 ユーチェも一緒。シモンが素早く1体を倒してもう1体を譲ったけど、四つ足で走り回られてはユーチェには難しい。

 最終的には弾切れになっていたから、シモンがヘッドショットで倒すしかなかった。


「うぅ~……すんまへ~ん」

「焦り過ぎなんだよ。弓では当てられるんだよな?」

「弓ならなんとか……」

「だったらできる。自信を持て」

「はい……」


 シモンは励ましてみたけど、ユーチェにはあまり響いていなかったので、素早い獣型はしばらくシモンが担当。次はプックにちょうどいいモンスターだったので好きにやらせて、その次のゴブリンでユーチェの出番だ。


「このこの!」


 ユーチェはシモンから教わった撃ち方で、ゴブリンの胸を狙って2発。さらに2発を撃つと、3発目でゴブリンは倒れた。


「やった! 倒せた!!」

「な? 楽勝だろ? しっかり狙いさえすれば、絶対に近付かれないんだ」

「わかりました! 頑張るどす!!」


 ユーチェの自信が戻ったら、さらに奥へ奥へ。プックのストレス発散に付き合いながら、ユーチェの戦い方に助言。

 そうこうしていたら地下2階にはユーチェも慣れて来たのか、獣型のモンスターも倒せるようになって来た。


 その頃にはお昼になったので、安全地帯でランチ休憩だ。


「はぁ~……なんと言いますか、楽どすね……」

「楽??」


 一息ついたユーチェの発した言葉に、シモンは首を傾げている。


「いや、普通の冒険者って、接近戦は当たり前じゃないどすか? 言うなれば、体力勝負?? それが通路から飛び出たらモンスターがバタバタと倒れるから、戦っている気がしないと言うか……」

「「ああ~……」」


 こんな戦い方をするのはシモンだけ。魔法使いなら同じ戦い方ができないこともないが、魔力の節約のために前衛に任せるから、マネする人がいるワケがない。シモンとプックも同意見だ。


「特にシモンさんは異常どす。プシュプシュっで、パタパタどすやん?」

「そうそう。初めて見た時、あーしもおもんなって言ったわ~」

「やっぱりおもんないどすよね? ウチだけじゃなくてよかった~」

「仕事なんだから、面白いとかは必要なくね?」


 しかし、2人してこの戦い方を否定するので、シモンは1人で戦い続けるのであったとさ。


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