040 地下5階に到達
シモンが3体のオーガを危なげなく半自動式拳銃で倒してしまったので、プックはまた残念な感じに。アサルトライフルの出番はないし、今までのモンスターとたいして変わらない戦い方では致し方ない。
それでもプックの緊張は解れたので、地図の最短距離を進んだら、次はオーガが2体、通路を塞いでいた。
「準備はいいか?」
「おう。いつでもええで」
「んじゃ、ゼロで同時に出るぞ。3、2、1、ゼロ!」
今回のシモンは回転式拳銃を握っての飛び出し。いきなり1体をヘッドショットで倒したので、早くも単体の敵となった。
次はシモンの撃ち方は、オーガの肩に1発発射。
「撃て!」
「ウラウラウラウラ~!!」
これが弾切れの合図。シモンは回転式拳銃の弾を2発補充して、プックの弾切れを待つ。
「うっし! プーシー4号の勝利でっせ~!!」
だがしかし、オーガは走って前進したがために、命中率の悪いプックの弾丸も多く当たってしまったので、弾切れと同時に倒れてしまうのであった。
「俺たちの勝利な??」
それをシモンは嗜めていたけど、浮かれるプックはなかなか聞いてくれないのであったとさ。
ひとまずこの作戦を続けて、プックの活躍の場を用意するシモン。そんなことをしていたら予定していた通り、夕方頃に安全地帯に着いたので今日はここで一泊だ。
「プーシー4号はなんとかもったな」
「せやけど、最後は変な音が鳴ってたんやけどな~」
「ギリギリってところか……」
「もうこれ以上はよくなりそうにありまへんわ。一から作り直すことを考えたほうがええわ」
「そうか。それじゃあ仕方がない……いや、俺って使ってなくね?」
シモン、許可しようとしたけど気付いちゃった。弾詰まりが酷いし、シモンは一発でモンスターを倒していたから最初の実験の時にしか使っていなかったのだ。
「そんな寂しいこと言うなや~。あーしはシモンはんのパーティメンバーやろ~」
「そうだけど……パーティメンバーの底上げは必要……なのかな~?」
「必要や! 箱替える時に時間稼ぎが必要やろ!!」
「そう……なのかな~?」
シモンはずっと悩んでいるけど、結局はプックに押し切られて、サブマシンガンとアサルトライフルの新作は決定。久し振りにパーティを組んでいるから、実はシモンもけっこう嬉しいみたいだ。
夕食を終えたら、今日も銃の整備。プックはサブマシンガン等をバラして手入れして、シモンは永遠と弾倉に弾込め。サブマシンガンの弾が多いから「やっぱりいらないかも?」と頭に浮かんでる。
今日もプックに「覗いたらしばく」と言われ、2人とも就寝して起きたら、プックだけ寝不足になっていた。
「昨夜は眠れなかったのか?」
「なんかな~。他にもパーティがいたやん? あの話を聞いたせいで、襲われる気がしてなかなか寝付けなくてな~」
「言ったの失敗したか……でも、注意は必要だし……」
「シモンはんのせいちゃうで。それが冒険者の常識やろ?」
「だな。まぁ俺がいるから大丈夫だ。蒼き群雄の時も、一番始めに気付いてみんなを守っていたからな」
シモンが自信満々に言っても、プックは引っ掛かるみたい。
「弓使いが守れるん??」
「正確には、賊を罠に嵌めて、リーダーのアールトが抑えている間に残りを起こしたけど……」
「別にそこまで正確に言わんでもええねんで?」
その当時のシモンは弓使いだもん。シモンは明らかに自信を失ったので、「いまはプーシーシリーズがあるやろ?」と、心配していたはずのプックが慰めるのであった。
安全地帯を立ったシモンたちは、『命を大事に』。2回に1回をプックを入れたボス戦の予行練習。これはサブマシンガンの弾詰まりを踏まえた作戦なので、プックも反対はしない。
それでも2人とは思えない速度で迷宮攻略が進み、地下5階に入ったところでシモンは警戒をもう一段上げた。
「やっとプーシー5号の出番がありましたな~」
モンスターの防御力が上がって、半自動式拳銃のヘッドショットの1発では倒せなかったからだ。
「だな。2発で倒せるからまだ3号でもいけそうだけど」
「ケチケチすなや。あ、もしかして弾が少ないんでっか?」
「そうなんだ。千発ぐらいしかないから、すぐ無くなりそうでな~」
「そんだけあれば充分でっしゃろ」
「いや、パラベラム弾の4万と比べるとな」
どうもシモン、パラベラム弾が多すぎてウィンチェスター弾が増えても増えた気がしないらしい。
現在、弾丸補充スキルもレベルが上がって毎日100個も貰えるから、プックにケチケチ言われてる。シモンは1日に100個も使わないから……プックのほうが使用量が多いと反撃にあっていたけど……
それからも迷宮攻略を進める2人。単体の場合は半自動式拳銃で倒し、複数いる場合はアサルトライフルと使い分ける。プックの出番もあるよ。
かなり速い攻略速度で進めているが、夕方頃にシモンは初めて悩みながら足を止めた。
「どうかしはったん?」
「ゴーレムだ。アイツ、苦手なんだよな~」
そう。巨大なゴーレムが道を塞いでいたのだ。
「ああ~。岩の塊やもんな。弓矢も弾も効きが悪そうやな」
「俺1人なら走って逃げられるけど……」
「ムリムリ。あーし、走るの遅いで~?」
「だよな~?」
「自分で言うのはいいけど、人に言われるのは傷付くんやで?」
プックのツッコミをシモンは無視して考えていたら、暇なプックは壁から少しだけ顔を出してゴーレムを観察する。
「アレ、関節部分に隙間あるけど、それを埋めたら戦いやすいんちゃう?」
「ああ~……なるほど」
「動かない岩やったら、あーしの道具を使えば解体できるかも? ノミを突き刺して金槌で叩けば、パッカーンやで!」
プックは素人意見で作戦を立てたら、いけそうな気がするので自信満々になった。
「動かない岩なら、横を抜けたらいいだけでは?」
「……やな。いやいや! 倒してナンボの冒険者でっしゃろ~」
でも、シモン案のほうが正しく聞こえたので、情けない声が出てしまうプックであったとさ。




