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新たな出会い 5

本日の更新、えっと、二回目(?)です。

書いてたら一回途中でエラー起きて全部消えて最初からやり直しになり涙目になりました……。

ギルドでの用事を済ませると、私達はハイヴェル邸に戻った。


「クレハちゃん、お帰りなさい! あら? アレクはどこかしら?」

「アージュの家です。途中で会って、アーガイルさん達の許可が取れたら、アージュも一緒に行こうって話になりまして」

「まあ、アージュちゃんも一緒に? それは楽しみね。ご両親の許可が取れたらいいけれど」

「そうですね。あ、アイリーン様、私一度家に帰って旅行の支度して来ます。それで、ライルくんとセイルさんも一緒にと思ったんですが……魔法のじゅうたん、四人乗りなんですよね。どうしましょう、定員オーバー……」

「あら、それなら大丈夫よ。ライルとセイルはもう、乗り合い馬車に乗って街を出たから。セイルが『これで有給が潰せます!』って張り切っていたわ。ライルに『森から家までは競争だ!』って言ってたから、クレハちゃんが支度を済ませる頃には着くんじゃないかしら?」

「え、そ、そうなんですか?」

「うん、そう。……はあ、ようやくセイルから解放されたよ。あいつ自分が暇だからって僕をしつこく誘って連れ回すんだから。いい迷惑だよ」

「まあフレンたら。言うほど迷惑に思っていないでしょうに」

「思ってますよ。……アイリーン様、クレハちゃんの支度、僕も手伝って来ます。ついでにセイルに、ギンファちゃんに迷惑かけないよう釘をさしてきますよ」

「はいはい。張り切りすぎて逆に失敗して怪我をしないよう忠告してくるのね。本当に貴方達は仲がいいわね」

「……違います。どうしてそうなるんですか」

「あら、違うかしら? クレハちゃんはどう思う?」

「え? えっと……」


アイリーン様に話をふられ、私はちらりとフレンさんを見た。

フレンさんは少し眉を寄せている。

でも……うん。これはわざとそうしてるなぁ。


「……違わないかと」

「……違うよ、クレハちゃん」

「ふふふ。クレハちゃんもだいぶフレンの表情が読めるようになったわね」

「はい、まあ。あれ以来フレンさんと接する事増えましたし」

「そうね。フレンは人見知りだから、打ち解けるまでは大変だけれど、一度気に入ればもう」

「クレハちゃん。支度をしに帰るんじゃなかったっけ?」


アイリーン様の言葉を遮って、フレンさんは私に尋ねた。

あ、まずい、ちょっと本気で嫌がってる。


「わかりました、帰ります。アイリーン様、またあとで」

「ええ、待っているわ。フレン、クレハちゃんを怒っちゃ駄目よ?」

「……怒りませんよ。代わりにセイルに当たります」

「まあ。くすくす」


……セイルさん、すみません、御愁傷様です……。







家に帰った私は、まず自室に行き、鞄に着替えを詰めこんだ。

次に倉庫に行って、持って行く薬を吟味する。


「えっと、傷薬に、体力回復薬に、魔力回復薬に、風邪薬もいるかな? あとは」

「……ちょっと……何これ」

「え? あ、フレンさん」


呆れたような声に振り向くと、フレンさんが立っていた。

何故か呆然としている。


「どうかしましたか?」

「……いや、どうかって……何? この野菜と卵と牛乳とチーズとバターの量」

「あ……。ほ、ほら、私少し前まで、一人暮らしだったじゃないですか? そのせいで消費量が収穫量に追いつかなかったというか……。牛乳は暇を見てチーズとバターにしてはみたんですけど、それでも貯まっちゃって。倉庫に置いておけば劣化しないし、つい。で、でもっ、いつかは全部食べられるかと……!!」

「……この量を? 正気?」

「う」

「はあ……前に来た時、倉庫も見ておくんだった。クレハちゃん、売りなよ、これ」

「え? 売るって、ギルドにですか?」

「何でギルドになるのさ? 出店するんだよ」

「出店? ……え、お店を出すんですか!? そんな! いくらなんでも毎日お店で売ったらすぐに在庫が底を突きますよ!? そしたらどうするんです? 売る物がなくなっちゃいます! それに毎日お店なんて無理です、採取の時間が取れないですし調合が……!」

「……落ち着きなよ。何も毎日やる必要はないよ」

「え? じゃあ、不定期営業って事ですか?」

「そうじゃなくて。クレハちゃん、街の中央広場で、毎月28日に開かれてる市場の事は知ってる?」

「あ、はい。自由市場の事ですよね? 前に何度かアージュと行きました」

「うん。そこに出店するんだよ。申請さえすれば誰でも出せるから。出店料はかかるけど、一日くらいならお店もできるでしょ? 売る物は自由だし。まあ、誰でも出せるとはいえ、さすがに子供だけでの出店は禁止されてるから、出店するなら声をかけてくれれば手伝うよ」

「あ……! ありがとうございますフレンさん! あ、でも、売るんなら、畑にももう少し手を入れようかな? 肥料とか!」

「ええ? ……やめなよ。それで野菜が評判になって、今度はこそ泥にでも目をつけられたらどうするのさ? 夜中にごっそり作物盗られでもしたら、食生活に支障が出るよ? それとも、夜は毎日精霊達を放って見張らせる?」

「あ……。 いえ、やめておきます……」

「うん、それがいいよ。大丈夫、今のままでも十分美味しいから、それなりに売れて、消費もできるよ」

「はい。……支度、再開します」

「うん。鞄はこれだね? 必要なもの選んだら僕に渡して。詰めるから」

「はい。お願いします」


私はフレンさんに手伝って貰いながら、旅行の支度を終えた。

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