本契約 2
本日三回目の更新。
今日はここまで。
アイリーン様やライルくんと別れ、私達は家に帰って来た。
「ここが私の家だよ、ギンファちゃん」
「わぁ、素敵なおうちですね! それに、動物がいる……可愛い!!」
「あ、ギンファちゃん、動物好き?」
「はい、好きです!」
「そっか、それは良かった」
「あ、あのっ、クレハ様! 私、灰色猫さんが言っていた通り、護衛としてはまだ未熟なので、他の事を頑張りますね! お掃除とか、お料理とか!」
「……掃除は俺の役目。料理は分担」
「えっ? あ、そうなんですか……えっと、なら、お洗濯は?」
「それは私がやるよ。他の事で、とか、気にしないでいいよ? ギンファちゃん」
「え? いえ、そういうわけには! お洗濯は私にやらせて下さい! お願いしますクレハ様!」
「ええ? ……う~ん。……わかった。なら、お願いするね」
「はいっ!」
「さて、それじゃ私、動物達を小屋に入れちゃうから。シヴァくん、ギンファちゃんを二階の空いてる部屋に案内してあげてくれる?」
「はい」
「え。あの、それならお手伝いします!」
「へ? いや、すぐに済むから、大丈夫だよ?」
「いいえ、お手伝いします!」
「え……。ねえ、ギンファちゃん? そんなに気負わなくてもいいんだよ? 部屋でゆっくりしてて?」
「……お手伝い、駄目ですか?」
「え、いや、駄目ってわけじゃないけど」
「なら、やらせて下さい。……動物と、ふれ合いたいです」
「え? あ、ああ、そういう事なんだね。わかった、それならお願いするよ。一緒にやろう?」
「あ……! ありがとうございます! 頑張ります!」
「うん」
「……。なら、俺にも料理、任せて下さい」
「え? シヴァくん?」
「ギンファが洗濯と動物の世話の手伝いをやるなら、俺は掃除と料理をやります。やらせて下さい」
「へ……? ……ええっと」
「お願いします」
「う。わ、わかった。じゃあ、お願い……」
「はい」
家事で私のやること、なくなっちゃった……。
「クレハ様! どの動物から小屋に入れますか?」
「あ、うん。じゃあ、モオ達から入れようか」
「はい!」
その後、ギンファちゃんはとても楽しそうにお手伝いをしてくれた。
その様子から、どうやら本当に無理をしてるわけじゃないとわかって、私は安心した。
それからもギンファちゃんは毎日動物の世話を楽しそうに手伝ってくれた。
そしてあっという間に二週間が経過し、私は無事にギンファちゃんと本契約を交わした。




