魔窟出現 4
本日3回目の更新です。
眠いので今日はここまでです。
街門を出た私は、いつも通り魔法のじゅうたんに乗って家へと一直線に飛ぶ。
途中、三頭の馬が街道を走っているのが見えた。
馬の背には人が乗っている。
……馬車はよく見るけど、馬に直接乗っている人は久しぶりに見るなあ。
そんな事を思って見てると、先頭を走る人が上を見上げ、私を見た。
あ、いけない、見すぎたかな?
私は視線を正面に戻し、魔法のじゅうたんの速度を少しだけ上げた。
「は~……美味しい」
一日の疲れを癒すようにゆったりとお風呂に入った後、リビングへ行き、冷えた牛乳を飲んで寛ぐ。
「それにしても、今日はびっくりしたなぁ。ギルド入ったら、いきなり冒険者さん達に囲まれるんだもんね……。……あの人達、本当に何であんなに私の薬欲しがったんだろ?」
そう思って首を傾げた、その時。
ピンコンッ。
「んっ……? え? 今の音って……」
ピンコンッ。
「あっ!」
やっぱり、LINE音だ!
危険察知のスキルが発動してる!
「……え、でも、家にいるのに……?」
ピンコンッ。
「あ、音……玄関のほうから聞こえてくる……?」
私はリビングを出て、玄関へと歩いて行った。
玄関の扉の前で意識を集中すると、家から少し離れた場所に、何かの気配を感じた。
その気配は、少しずつ家に向かって来ている。
「……ど、どうしよう? このままだと、家に来る……?」
こんな時間に……魔物かな?
でも、こんなに家の近くに現れるなんて、初めてだ。
「と、とにかく、家の敷地に入ったらすぐに、強制退去しなくちゃ!」
私は一度部屋へ戻り、上着を羽織ると、庭へ出た。
待ち構える事、数分。
姿を見せたそれは、魔物ではなかった。
見た事のない、三人の男性。
「おお、いたいた。やぁっと見つけたぜぇ。随分とややこしい所に住んでんなぁ? 凄腕の錬金術士のお嬢ちゃん?」
先頭にいる男性は、にやにやと笑ってそう言った。
……錬金術士の、お嬢ちゃん?
この人、私の事を知ってる……?
……ここまで来たって事は、この辺りに私の家がある事も、調べたんだろうか?
……何の為に……?
「……私の事を、知ってるんですね? こんな所まで来るなんて、どんなご用でしょう? しかも、こんな時間に」
私は、わずかに沸き上がった恐怖を必死に隠し、つとめて冷静に、そう尋ねた。
「ははは! 決まってるだろ? お前を捕まえに来たのさ。凄腕の、錬金術士のお嬢ちゃん。お前をな」
……返ってきた答えは、予想通りだった。
当たってほしくは、なかったけれど。




