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河童淵の巨大魚

 僕には河童の友達がいる。彼、彼女なのかもしれないが、その河童は村の外れの沼、青田沼に住んでいる。

 青田沼は昔から河童伝説が伝わり河童淵と呼ばれていた。青田沼の水は濁っており底は全く見えない。落ちると登ることができずに溺死してしまうことが多いそうで、そのため河童伝説が生まれたのだと話す人もいる。

 さて、最近、青田沼について、とある都市伝説が流行っている。沼に人を丸のみにしてしまうほどの巨大魚がいるという噂だ。大きな口と鋭い牙で人を襲う巨大魚。僕の憩いの場である青田沼には、巨大魚を探しに来た人々が訪れるようになっていた。

 河童に聞いてみると、当然、自分は人など襲わない、化け魚は最近現れて河童と縄張り争いをしているのだという。最近は河童のことなど人々に忘れられている。できれば、化け魚に負けぬよう河童の噂を広めてほしいと頼まれた。

 彼はいいやつだ。彼とは小さな頃から、いろいろな話をしたし、助けてもらった。力になってやらねばなるまい。

 インターネットの掲示板を覗いてみた。巨大魚の噂は既に急速に広まっていた。僕は河童について掲示板に書き込むことにした。青田沼といえば河童だ、河童はいたずら好きだが人が好きで人助けをした伝説も残っている、河童は人を襲ったりしないと、熱く語った。

 すると誰かが書き込んだ。青田沼は近年、水質の悪化が著しい。そのため、河童が環境汚染か何かの原因で人を襲う化け物になったのではないかと。その説はあっという間に皆に受け入れられた。

 あれ、これはどうなんだろう。

 河童に会いに行ってみた。呼んでも彼は出てこない。巨大な魚が水面を飛んだ。その頭には河童の頭の皿のような瘤が見える。牙の光る口にも河童のくちばしの面影がある。

 僕は孤独になった。僕は今でも、河童が戻ってくるのを信じて、昔ながらの青田沼の河童伝説を広めつつ、沼の水質浄化運動を続けている。

書きはじめと全然ちがう話になった

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