表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】負けヒロインと俺が付き合っていると周りから勘違いされ、幼馴染みと修羅場になった  作者: ネコクロ
第二章『人気者は大変』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/105

第62話「嫌」

「――なんで、そんないじわるばかり言うの……?」


 陽に突き放されると理解した佳純は、陽の胸元の服を掴みながら弱々しい声で陽に訴えかけた。

 縋るようにして聞いてくる佳純に対し、陽は視線を彷徨わせながら口を開く。


「別にこれは意地悪じゃないだろ」

「いじわるだよ……。さっきから陽、凄く酷いこと言ってる……」


「……だけど、何度も言ってるけど佳純がこうなることをしたんだから……」

「でも、いくらなんでもこれは酷い……」


 佳純にとって、陽との縁が切れることは一番あってはならないことだ。

 しかし、だからといって真凛と仲良くする道を選べるはずがない。


 佳純が今もっとも危険視しているのは真凛であり、その真凛と陽が関わることを凄く嫌に思っている。

 それなのに、恋のライバルとも言える相手と仲良くするなど不可能だ。


 結局最終的には取り合いになることが目に見えているし、陽の狙い通り仲良くなればなるほど決着を迎えた時に相手のことで心を痛めることになりかねない。

 だから佳純は真凛と仲良くできないと言っているのだが、真凛に懐かれていても恋愛面で好かれているとは微塵も思っていない陽には理解してもらえなかった。


 そのことに佳純はやりようのない気持ちを抱えるが、かといって真凛に盗られる可能性があることや、真凛が陽に気がある可能性があることなど言えるはずがない。

 それでもし陽の気持ちが真凛に完全に移ってしまったらそれこそ詰んでしまう。


 佳純はそんなことを頭の中で考えていた。


「佳純がやりたがっていたサブチャンネルもできるし……」

「陽と二人きりじゃないと、意味がない……」


「みんなでワイワイやったほうが楽しいだろ?」

「絶対、そんなふうにならない……」


「秋実はいい奴だぞ……?」

「だからそれとこれとは話が別……」


 どうにか佳純を説得できないかと考える陽だが、何を言っても佳純は首を縦に振らない。


 どうすれば佳純は納得するんだろうか?

 そう陽が考え始めた時、部屋を出ていたにゃ~さんが陽の部屋へと戻ってきた。

 そして泣いている佳純を見ると、ぴょんぴょんと佳純の体を駆け上る。


「にゃ~さん……?」

「にゃっ」


 佳純の肩に乗っかったにゃ~さんは、肉球で佳純の頬を何度も優しくタッチをし始めた。

 もしかしたら慰めようとしているのかもしれない。


「にゃ~さん、ありがとう……」

「にゃっ!」


 佳純が目元を手で拭きながら笑顔でお礼を言うと、にゃ~さんは元気よく鳴いて佳純に答えた。

 そして今度は、陽の目をジッと見つめ始める。


「にゃ~さん……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『新作です……!』
↓のタイトル名をクリックしてください

生徒の保護者が元カノだった

『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』2巻発売決定!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック3巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック3巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
この小説はにゃーさんが癒し
[一言] 出来る限り優しく対応したくても、 通すべきスジが先に立っていて、 そことの折り合いがつかないと難しいところ。 ただ、相手が好意を持っているからといって、 そのスジを簡単には曲げて欲しくない、…
[良い点] 拗らせ女子は読んでいる分にはかわいいので面白いです。 設定もYouTuberと絡めるのが現代っぽくていいと思います。 [一言] 陽くんわりとやってることDV男と同じかなぁ。 優しくしつつも…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ