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狼の瞳にうつる世界(仮修正版)  作者: 蒼鈴六花
1章 二人の弟子
15/25

回復魔法

少し短めです。

今日は、泉に来て回復魔法の練習をすることになった。

俺たちは身支度を整えた後、すぐに泉に移動した。


「それにしても、どうやって回復魔法の練習するんですか?僕たち怪我も病気もしていませんよ」


と、シェリトゥスが聞く。


「これを使う」


俺はあらかじめ作っておいたナイフを、二人の前と自分の前に出す。ちなみに地面にはつけず宙に浮かしている。


「もしかして、これで傷を自分でつけてやると?」


「あぁ」


『そうでもしないと練習できないですしね』


「まぁそうですけど」


『自分の身体を傷つけるのが嫌なのは生物として普通ですが、今回は我慢しましょう』


そこでレイも質問する。


<なぁ、鱗に傷つけても大丈夫か?>


「大丈夫」


『これからマスターがいつものように実演してくれるみたいです』


俺は人型になり、ナイフで手の甲を斬る。シェリトゥスは若干ビクッとしていた。あまり血に慣れていないからな。


そして俺は魔力を集め、


「癒しの光よ。クラフォス」


手に光が集まり、それが消えると傷は治っていた。


<おおー!治ってる。傷がなかったみたいに消えた>


「こんな感じだ」


「今のは光属性でしたが、回復魔法は光属性だけですか?」


「他にもある」


『回復魔法には、光属性以外に水と風が有効で、他の属性は少し相性が悪いですね』


「そうですか。じゃあ僕は水属性でやって見たいです!」


<じゃあ俺は風属性か。で呪文はなんなんだ?>


『水は「癒しの水よ。クラアクア」です。そして風は「癒しの風よ。クラウィンド」ですよ』


<よし、じゃ早速やってみる!>


「気をつけろよ」


『ナイフで切るときは、ほんの少し斬ればいいですからね。マスターは分かりやすいようにあれくらい斬っていましたが、貴方達はあそこまでする必要はありませんよ』


<おう!わかった!>


レイはナイフを器用にくわえて、前足の鱗に傷をつける。

そして、魔力を集中して呪文を唱え始める。


<癒しの風よ!クラウィンド!>


傷のついた鱗に風が吹き、少し緑色の光を放ちつつ傷はふさがっていった。


<治ったー!>


とはしゃぐレイ。

シェリトゥスはナイフを持ちながら難しい顔をしていたが、覚悟を決めたように指先をナイフで少し斬る。


「痛っ!」


我慢しつつ魔力を集中して、


「癒しの水よ。クラアクア!」


指先に蒼く光る水が集まり、すうっと消えると傷が治っていた。


「なんとかできました……」


「ある程度慣れろ」


『シェリトゥスは、痛みに対してある程度耐性を持った方が良いそうです。あれくらいでいちいち痛がっていたら、回復魔法の練習にならないですよ?』


セリスは痛覚無いからわかんないだろうけど、あれくらいの子供にとっては結構痛いと思う。あれくらいの傷でも……まぁ少し耐性がついたほうがいいとは思ったが。


「っう……確かにそうですけど、痛いものは痛いです。レイはずるいです。鱗だから痛くないし」


<しかたねーじゃん。そういう種族なんだし>


「不公平です……それにしても師匠はあんな傷をつけても、顔色一つ変えないなんてどうなってるんですか?」


「慣れ」


『マスターは今まで長い時間、いろいろな実験等をした際に、最初の頃は怪我も多かったみたいです。自分で治したりしているうちに慣れていったようです。別にマスターに痛覚がないわけじゃありませんよ』


「……」


『それに、レイはマスターに戦いを挑んだりする際、わりと容赦なくやられていますから、怪我への耐性が強いですよ?』


「そういえばそんなことしてましたね。はぁ、慣れますよ。がんばることにします」


『がんばってください』


「人事だと思って……」




そんな感じで、二人は回復魔法の練習をした。

そして、いつものようにお昼寝をした。

その日の昼過ぎ。




「師匠、回復魔法ってどの程度の傷まで治せるんですか?」


「生きてるまで」


『生きてさえいれば、どんな傷でも治せるようです。ただし、その分技術と魔力を使いますが』


<死ななけりゃ、大丈夫なんだな>


『ほぼ瀕死の状態を回復するのは、大変ですよ。それに病気では、どこが原因か知らないと治せません』


「病気の場合は、探知式魔法と一緒に使うんですね」


『その通りです。まぁ病気じゃなくても、見えないところにある傷に対しても探知式魔法を使ってからじゃないといけません』


<いろいろとめんどうくさいな>


『命とかかかっていたら、めんどくさいなんて言ってられませんよ』


<それもそうだな>


その後俺は、


「重要」


『回復魔法はとても重要な魔法です。練習次第では、助からなかったはずの命を助けることもできます。他の魔法もどこで役に立つか分かりませんが、回復魔法はその中でも役に立ちやすい魔法です』


「僕は攻撃魔法より回復魔法の方が性にあっていそうです。どんな怪我でも治せるくらいには上達したいです」


<俺は性に合わないけど、そこまで重要ならうまくなる!>


『二人ともその意気です!がんばりましょう!』




その後、再び練習を再開した。

夕方になるまでやって、棲家に帰ることにした。




棲家にて。


「そういえば、師匠はどうして実演してくれた時に、人型になったんですか?」


「毛に血がつく。」


「確かにそれは仕方がないですね」


<そうだよな、あんな良い毛並みに血がつくなんて嫌だもんな>


なんだか納得してくれる二人。まぁ確かに嫌だったから、人型になったんだけどな。

こんなことを話しつつ寝た。





少し展開が遅いような気がしますがのんびりやってます。

ほのぼのにしたいです。


R15タグとか残酷な描写とか、今回の話を見てつけた方がいいのか悩みます。


では誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。

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