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狼の瞳にうつる世界(仮修正版)  作者: 蒼鈴六花
1章 二人の弟子
11/25

人化の術

最近見直しの時間があんまり無くて変なところ多いかもしれません。


あと主人公の台詞の読みづらさは次の話でなくなると思います。話のテンポがよくなるかも?です。

今まで書いた文も多少修正しました。


今までの主人公の台詞が読みづらいと思われた方はすみませんでした

朝、二人が起きるのを待って毛づくろいをしたり、櫛を作ってシェリトゥスの髪を結い直したりしながら、身支度を整え、二人を乗せて泉に向かった。




泉に着き二人を降ろしてから、早速訓練を始める。


「人化の術を……教える」


<おう!>


レイが元気よく返事をするが、シェリトゥスは何か聞きたい様子。


「あの、師匠……」


「なんだ?」


「僕、人化の術覚える必要があるんでしょうか?」


首を傾げて聞いてくる。


「耳、尖ってない……姿になれるように……なったほうが……良い。後々……役に立つ……と思う」


「そうなんですか?後々役に立つとはどういうことですか?」


「後何百年か……すれば……人間という……種族が……生まれる。多分……世界で……一番多くなる……可能性が……高い」


「世界中で一番多くなる種族ですか。なぜそう思うんです?」


「知識と……勘だ」


「そうですか」


と、そこでじっと待っていたレイが、


<なぁ、そんなことより早く練習しないか?俺早く試してみたい>


「そうですね、だけど昨日やっと初級魔法使えた僕たちに、そんな難しそうな魔法が使えるんでしょうか?」


「そこまで……難しい魔法……でもない」


<そうなのか?>


「俺の姿を……見本に……すれば……良い」


そう言ってから人の姿になる。


「こういう……姿になりたいと……思って、魔力を……全身に……行き……渡らせろ」


「呪文は「人化」……だ」


「師匠は呪文言ってなかったような」


「無詠唱でも……可能だ。難易度……上がる……が」


「簡単な方がいいですね。慣れたら無詠唱を試すことにします」


「そうすると……良い」


そんな会話をしている間に、レイは練習を始めていたが、魔力を全身に巡らす作業に苦戦していた。


<うぬぬぬぬぬ>


小さい四肢を踏ん張り、尻尾と翼はピンと上げ、目を閉じ唸っている。どうもレイの集中法?らしい前もやっていた。


「レイ、前にも……言ったが、力の……入れすぎ……だ」


<うー難しいぞー>


そう言って、レイはぺちゃんと座り込こむ。


「魔力操作は、力を……抜いた方が……楽だ。そのまま……目を閉じ……深呼吸をしながら……魔力を動かして……みると……良い」


<分かった。やってみる!>


そう言って素直に実践し始めた。それを見てシェリトゥスも座り込み、二人でじっと静かに集中した。


それから少したって、二人は全身に魔力を巡らすことになんとか成功した。レイの方は少し苦しそうな感じもするが。


「そのまま……保って、俺の姿を……参考に……イメージして、呪文を……唱えろ」


二人は目を開けて、俺をじーっと見ながら集中を続けた。


<「人化!!」>


ボフッと煙が出た。

無駄な魔力が煙に変化してしまったらしい。俺の時は、最初は光っていたが、使っているうちに何も出なくなり、最後には一瞬で変わるようになった。

(なるほど、無駄な魔力を使うとこういうことが起きるのか)

と、思ってる間に煙は無くなってゆき、二人が見えてきた。


レイは裸だった。

予想はしていたのですばやく行動し、完全に煙が消える前に魔法で服を着せた。裸で出てこられるのもあれだし……


そして完全に煙がなくなったそこには、ちゃんと人の姿になった二人がいた。


シェリトゥスは耳が短くなり人間らしくなっていた。


ほぼ変わらないから、レイより楽だっただろう。魔力操作もレイよりうまいし、成功すると思っていた。レイはと見ると、ちゃんと成功していて、少々驚いた。


レイは鱗と同じ紅く短い髪で、身長はシェリトゥスより1~2センチくらい大きい。レイらしいやんちゃそうな男の子になった。


正直なところ、レイは角か尻尾でも残したまま人型になると思っていた。


二人は自分の姿を確認して、さらにお互いを見る。シェリトゥスは、レイを見てすごく驚いた。


「レ、レイがまともに変化していますよ。師匠!!レイはすごく変化しなきゃいけないから、難しそうだったのに」


シェリトゥスがこちらを見ながら叫ぶ。


<おおー角も翼も、尻尾もねぇー!!>


そういった後、レイはふらつき倒れた。


<うまく立てねぇ。よくシェリトゥスも師匠もこの状態で立てるな>


人の姿になっても、相変わらず念話でしゃべる。後々面倒なことになりそうなので、


「レイ、その姿なら……普通にしゃべれると……思うぞ。竜の姿でも……練習しだいで……話せるが」


<ん?そうなのか竜の姿でもしゃべれたのか?何度かしゃべろうとしたけど竜の言葉にしかならなかったぞ>


「俺は狼の……状態でも……話せている……だろ」


<そう言われてみるとそうだな。よし!しゃべってみる!>


そういって息を吸い込み声を出す。


「あーーー、あーー、おお!!師匠達みたいにしゃべれる!」


普通にしゃべれることにはしゃぐレイを見ながら、シェリトゥスは、


「レイが念話じゃなく普通にしゃべっているのに、なんだか違和感があります。人の姿もですが」


「そのうち……慣れる」




その後、二人に自分の姿を泉で見てみるように言った。


二人は泉を覗き込みながら、


「やっぱり僕の方はそんなに変化ないですね。耳だけですし」


「俺こんな風になるのかー。翼とかないし不便じゃないか?この身体。立てないし」


「その姿でしか……できないことも……ある。それに……その姿で……飛ぶことも……可能だ」


「そうなのか?翼無くても飛べるのか?そういえば師匠も翼無いけど飛んでるな」


「ああ……けど、レイは……まず歩く……練習だな」


「歩くこともできないんじゃ、この姿になっても不便なだけですしね」


と、横からシェリトゥスも言ってくる。


「うー。歩くくらいすぐにできるようになるさ!見てろよ!」


と、ふらつきながら立ち上がろうとする。


「泉の……そばで……やると……落ちるぞ」


俺が忠告したとたん、レイはバランスを崩し泉に落ちた。その後すぐに助けに行った。




レイが濡れて寒そうだったので、火の玉を出した。


そこで、レイは自分が服を着ていることにようやく気づいたのか、


「そういえば俺いつの間に服着てたんだ?」


首をかしげてレイが言う。


「人化の術の副産物じゃないですか?」


「俺が……着せた」


そう言うとレイは驚き、


「俺全然気がつかなかったぞ!」


「レイ。何で服を着せられているのに気がつかなかったんですか?普通気づくと思いますが」


不思議そうにシェリトゥスはレイに聞く。


「煙にびっくりしてたからな」


「まぁ、あんな煙が出るとは思いませんでしたけど。師匠の時には出なかったですよね?なんで僕たちがやった時には煙がでたんでしょうか」


「無駄な魔力が……多かった……からな」


「僕たちが魔力を込めすぎてしまったのが原因で、煙が出てしまったのですね」


「そうだ」


「お前たちの……魔力量は……多いが、その分制御が……難しい」


「そうですね、魔力操作が辛かったですね。なんだか苦戦するのも納得です」


「それに身体が……まだ幼いから、魔力操作は……疲れるだろう」


日のあたるところを見ながら、


「昼寝でも……するか」


そう言ってから、日のあたる場所にいき寝そべる。


「そうですね、疲れたせいか眠たくなってきました」


「俺も眠い」


そこでレイは人化を解除した。

そして二人は、俺のお腹にボフッとダイブした。

(もうなんだか恒例になってきたな。腹に飛び込まれるの)

と思いつつもいつものように尻尾を二人にのせた。

ぽかぽかと暖かい日差しを浴びて欠伸をした後、俺も寝た。




目を覚ますと、二人はまだすやすやと寝ていた。

起こす必要もないかと思いそのまま寝かす。


(最近動けないことが増えたな。……そろそろ身体を思いっきり動かしたいものだ)


300年も生きてきたので、さすがに本能を抑えることは可能だが、思いっきり走れるなら、したい感じだ。昔なら、今頃うずうずして耐え切れなかっただろう。

(一日動かないのも耐えられなかったしな)

と昔を思い出しつつ、


(二人が起きてもまだ日が沈み始めるまで時間があるだろうな。人化は二人ともできたし、次は魔力操作の練習と初級魔法かな。当分は基礎練習になりそうだ)


考えてから暇になり、


(こういう動けない時のための魔法でも作ろうかな。うまくしゃべれないし、意思を伝える道具を改良するのもいいな。教えるのが楽になりそうだ)


と考え始めることになった。




それから、しばらく新しい魔法を考え続けている間に、二人はやっと起き出した。


「よく寝るな……お前ら」


「師匠の毛がフワフワフサフサなおかげで、とってもよく眠れるんです!」


シェリトゥスが笑顔でそう言うと、レイも負けずに、


「そうだな、こんなにモフモフだもんな。おかげで良い夢が見られるぞ」


そういって頷いている。


「……」


なんだか喜んで良いのか良くないのか複雑な気持ちだ。

(二人が俺の腹で寝るのはかまわないが、毛皮を布団か枕だと思われるのは嫌だな)




その後、二人が魔法練習をするため、静かに集中しているのを見ながら、


(そういえば二人に魔法具のこと話すの忘れていたな。今日の夜にでもさっき考えた魔法具でも作って、明日使ってみよう)


二人が魔法練習で疲れた頃には夕方になっていた。


「今日はもう……帰るか」


「師匠、明日はどんな事教えてくれるんですか?」


「魔法具」


「魔法具?」


「魔法の……道具だ」


「そんなのがあるんですか!」


シェリトゥスが目を輝かせた。


<何で今まで見せてくれなかったんだ?>


レイはちょっと首をかしげ聞いてくる。


「忘れていた」


<「……」>


二人は呆れた顔で俺を見た。

ここ最近使ってなかったし、色々あったからすっかり忘れていた。


「師匠って、少し抜けているとこもあるんですね」


「……」


そんなことはないと思ったが、何も言わないことにした。


<明日その魔法具っての見せてくれるんだろ?じゃさっさと帰って早く寝ようぜ!>


「それもそうですね。早く帰りましょう。師匠」


「そうだな」


そして、二人を乗せ棲家に帰った。






今回、人間が出てくるとチラッと出ましたが出てくるのはまだまだ先の話です。


次回予告:新キャラ?登場です。そして主人公の無口化が…


では誤字・脱字・感想・アドバイス等受け付けています。

変だなと思ったところも言ってもらえると助かります。

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