表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
厄介者としてパーティーを追放されたので勇者を殺してみた ~【シナリオチャート認識】+【データ改竄】で異世界を謳歌する~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/130

第94話 ムカイの本心

 博士は白衣の汚れを気にしながら俺に尋ねる。


「どうしやすか。あっしはこのまま再戦でもいいですが」


「いや、まずは対決に向けて準備をする。勇者パーティーを完敗させるんだ。盛大なサプライズを披露しようじゃないか」


「名案っす! 今度こそ遺恨を残さずにぶっ殺しましょう!」


 黒魔導士が拳を突き上げてはしゃぐ。

 彼女は先ほど惨殺されたばかりだが元気だった。

 特に敗北に対する気落ちはなく、むしろ余計に燃え上がっている様子さえする。


 博士も同様だった。

 自分の知識や技能が通じなかったことでやる気が出るタイプらしい。

 さらなる力を求めて研究にのめり込んでいくだろう。


 もちろん俺のモチベーションもばっちりだ。

 ご丁寧に宣戦布告をされたのだから、こちらも結果で見返さねばなるまい。

 冷静に状況だけ見れば、追い詰めているのはこちらなのだ。

 何も悲観することはない。

 見せかけの逆転を打ち砕いてやるだけだった。


 その後、俺達は黒魔導士の屋敷で食事と作戦会議を行った。

 いくつか有効な案を出して、特に優先して実行すべきものを抜粋する。

 そうして明日以降に仕掛けていくことになった。


 会議の後、杖の手入れをする黒魔導士が、作戦会議で決まった内容を読み返しながら呆れる。


「やっぱりムカイさんは極悪っすね。とても正気とは思えないっす」


「それは褒めているのか?」


「大褒めっすよ」


 黒魔導士は食い気味に言う。

 目が輝いているので本音だろう。


 一緒になって笑っていた博士が、ふと真面目な表情になって話題を切り出す。


「ところで、旦那に訊きたいことがあるんですが」


「何だ?」


「旦那は勇者達に恨みがあるんですかい? こんなにも執着するんだ。あっしらにも隠しているような想いがあるんじゃないかと思っちまうんですが」


「それはあたしも気になるっす。ムカイさんって、何か秘密とか持ってそうですし」


 黒魔導士も挙手をしながら共感する。

 自然と二人分の視線が俺に集まることになった。


(異世界人なのは確かに秘密にしているけどな……)


 別に話してもいいのだが、説明が面倒だ。

 そもそも理解してもらえるか分かったものではない。

 ゲームと酷似している点もそうだろう。

 肝心のメカニズムは俺にもまったく分からないのもある。


 しかし、この状況はどうやら何らかの答えを求められているらしい。

 俺は少し考えてから二人に告げる。


「勇者パーティーは一切恨んでいない。足手まといだと言われて追い出されたけど、そんなことはどうでもいい。俺は必要だから勇者達を殺すんだ」


「ムカイさんが足手まといって贅沢な奴らっすね」


「いや、当時はわざとサボったり邪魔ばかりしてたからな。当然の感想だろ」


 俺が記憶を掘り返しながら補足すると、黒魔導士が噴き出した。


「じゃあムカイさんがゴミ野郎じゃないっすか!」


「旦那の生き様はなんというか……畜生ですぜ」


 博士までもが肩をすくめて罵倒してくる。

 辛辣な意見を受けて、俺は笑うしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >俺が記憶を掘り返しながら補足すると、黒魔導士が噴き出した。 >「じゃあムカイさんがゴミ野郎じゃないっすか!」 >「旦那の生き様はなんというか……畜生ですぜ」 >博士までもが肩をすくめて罵…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ