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厄介者としてパーティーを追放されたので勇者を殺してみた ~【シナリオチャート認識】+【データ改竄】で異世界を謳歌する~  作者: 結城 からく


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第84話 変貌した勇者

 街の通りに出たところで、俺達は勇者を発見した。

 少し遠くで、彼は逃げ惑う人々を容赦なく虐殺している。

 返り血に塗れすぎて外見がまともに判別できない。

 その手に聖剣がなければ誰か分からなかっただろう。


 生き残りの兵士が懸命に反撃を試みていた。

 ところが勇者は超スピードで躱すか、攻撃を受けながら正面から斬殺する。

 一般人の攻撃はもう効かないらしい。


 見物する黒魔導士と博士は、それぞれ感想を述べた。


「あらら、派手にやってますね」


「発狂したと聞いていやしたが、ちょいと想像以上ですぜこいつは」


 勇者が動くたびに断末魔と肉片が舞い上がる。

 俺達のいる場所にも原形を失った死体が四散していた。

 地面は赤黒くなって悪臭を放ち、油断すると足を滑らせてしまいそうだ。


 俺はじっと勇者の蹂躙を観察する。


 最後に会った時より数倍は速い。

 一撃の重さも桁違いだ。

 街の住民はプリンのように脆く粉砕されている。


(馬鹿みたいに強くなってやがる)


 俺達がリフレッシュする間に勇者は実力を跳ね上げたらしい。

 単独で街を崩壊させるほどの怪物に至ったのである。


 その原因は知っている。

 休暇中にシナリオチャートで確認して、勇者がとあるイベントをこなしたのをチェックしていたのだ。


 件のイベントとは、残機を消費することで、経験値効率を上げることができるというものだった。

 さらにステータスに恒久的な補正がかかる。

 とは言え、この鬼畜難度の世界で生命線の残機を削るのは自殺行為にも等しい。

 ゲーム時代も非推奨のハイリスクなイベントとして知られていた。


 しかし勇者はそれに手を染めた。

 おそらく大量の残機を捧げて強くなったのだろう。

 状況的には最適解かもしれない。

 彼は手配レベルの上昇で逃げ場を失った挙句に仲間を失った。

 ほとんど詰みのシチュエーションで発狂し、極限状態から一般人への殺傷を解禁したのである。


 勇者は次々と命がけの戦闘を繰り返して、急激にレベルを上昇させた。

 追われる生活に適応したのか、なんと一度も死なずに行動している。

 彼の周りに仲間がいないのが何よりの証拠だった。

 パーティーが全滅すれば復活するはずだ。


 今や勇者は殺戮の渦と化している。

 噂では高レベルの執行官も何人か殺しているらしい。

 現在の実力は以前までと同じとは考えていけない。

 勇者は俺の予想を大きく超える形で成長し、ある種のチート状態へと突入したのであった。

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