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厄介者としてパーティーを追放されたので勇者を殺してみた ~【シナリオチャート認識】+【データ改竄】で異世界を謳歌する~  作者: 結城 からく


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第80話 小手調べ

 博士が拳銃を連射し、俺の眉間と両脚を撃ち抜いた。

 着弾箇所が溶けて視覚と機動力が奪われる。


(正確な狙いだな)


 感心しながら肉体を再生させると、目の前に博士がいた。

 彼は数本の小瓶を投げつけてぶつけて退避する。


 すぐに俺の肉体に異変が表れた。

 皮膚が膨れて破裂し、流れ出る血液はどす黒く染まる。

 傷口からは枯れた木が生えてきた。


 喉に痺れのような痛みを覚えて、込み上げるままに嘔吐する。

 飛び出したのは、腐敗した内臓だった。

 多種多様な毒が身体を滅茶苦茶に狂わせている。


 再生した俺は唾を吐いて嘆息する。


「お手柔らかに頼むよ。か弱い生き物なんだ」


「それはこっちの台詞ですぜ。特製の毒が効かなくて困ってんだ」


 博士は愚痴りながら何かのスイッチを押す。

 小さな電子音が鳴り、真上の天井から毒ガスが噴射して俺に直撃した。


 頭皮がめくれて頭蓋が露出する。

 さらにその頭蓋までもが溶けて、脳味噌までもが蝕まれ始めた。


 俺は転がって毒ガスから逃れて再生する。

 髪がフサフサなのを確認して胸を撫で下ろした。


 博士は落ち着いた動作で拳銃のリロードを行っている。

 その目は興味深そうに俺を観察していた。


「へぇ、やりやすねぇ」


「そうだろう。もっと褒めてくれよ」


 俺は軽口を叩きながら改竄能力でマシンガンを生み出して乱射する。

 博士は物陰に隠れて銃撃を凌いだ。

 たまに毒を投げて反撃してくる。


 一見すると地味な行動だ。

 とんでもない強さを秘める執行官とは思えない立ち回りである。


 人外がひしめく執行官の中だと、確かに博士はパッとしない。

 しかし彼には実力を隠す癖があった。

 その上にスロースターターなので、まだ本調子ではない。


 向こうは向こうで手加減しているのだ。

 俺の正体や用件を知りたがっている。

 だから本気で殺そうとせず、戦闘能力を見極めようとしていた。


 つまりこれはテストの一種なのだ。

 言わば過激な面接である。


(それなら、もう少し能力を見せておくか)


 派手な攻撃で俺を認めさせる必要があった。


 そう考えて外見データを改竄し、闇の魔神へと変身する。

 勇者パーティーの対策で著しく弱体化したが、その迫力は未だ健在だ。

 能力もそれなりに残っており、一発芸としては上出来と言えよう。


 博士は変貌した俺を見て目を丸くして、愉快そうに手を叩いた。


「こいつはすごい。だけども、見かけ倒しに引っかかるほど、あっしは盲目じゃあないですぜ」」


 冷淡に言った博士が発砲する。

 弾丸は影のような質感の身体に命中し、その部分から液状化させた。

 コールタールのような粘性を見せながら、溶けた身体が足元の床を汚していく。


(弱くなったとは言え、闇の魔神なんだがなぁ……)


 裏ボスに通用する毒なんて反則的な性能である。

 今になって思い出したが、『ファンタジック・スリル3』の攻略プレイ動画でフルパワー時の闇の魔神を倒したものがあった。

 手配レベルを上げた状態で戦闘を始めて、ランダムに出現する毒薬博士を利用して毒殺するという方法だ。

 イベントの都合上、ムービー進行でどのみち敗北するし博士も殺される。

 それでも最強の裏ボスだろうと相討ちに持ち込めるポテンシャルは恐ろしい。

 ましてや弱体化した状態なら、博士が余裕で優勢を取れるのも納得の話だった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 裏ボスは基本的にインチキなまでの性能があるはずなんだけど、弱体化イベントのせいもあって出オチにしか使えなくなっているw
[良い点] 第80話到達、おめでとうございます! 毒薬博士、今までの結城さんの作品にあまりいなかったタイプだと思います。 別作品の大王医者のキザで理知的・学究肌な雰囲気に対し、 毒薬博士は、喋り方…
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