第4話 レベルアップ
錬金術師は、骨と筋線維の露出した顔になった。
呆然とした表情で、瞼が千切れて丸い眼球がぎょろりと動く。
その状態で間抜けな声を発した。
「ぅ、えっ」
錬金術師は俺の持つ顔の皮を見た。
次に自分の顔に触れる。
血みどろになった手のひらを目にすると、唸りに近い叫びを上げた。
「あああ、あああっあぐはあああぁははっ」
発狂した錬金術師がいきなり杖を俺に向けた。
震える口が呪文を唱えようとしたので、俺はローキックで阻止する。
爪先が錬金術師の膝を粉砕した。
傷口から血と割れた骨が飛び出す。
グロテスクな錬金術師の顔が苦痛に歪む。
そのまま彼女の肩と腕を掴んで引き倒した。
俺はズボンのベルトに挟んだ自動拳銃を引き抜くと、錬金術師の側頭部に突き付ける。
「すまないね。即死させられなかった」
そう言って俺は拳銃を連射した。
発砲のたびに錬金術師の頭が揺れる。
頭蓋が砕けて血と脳漿が飛び散り、五発ほど撃ち込むと動かなくなった。
【むっつりおんな を たおした!】
【ムカイ は レベル が あがった!】
脳裏で電子音のファンファーレが鳴る。
拳銃を仕舞った俺は、顔に付いた返り血を拭って感心した。
「おー、レベルアップだ。やっぱり経験値が高いのか」
俺にとってはあまり意味がない仕様だが、やはり何かを達成すると嬉しくなる。
きっと目の前の勇者パーティーには分からないことだろう。
この世界をゲーム形式で認識しているのは、例外持ちの俺だけなのだから。




