第37話 敗因
ひとまず勇者達は放置することにした。
シナリオチャートで監視しておけば、だいたいの動向は確認できる。
まだゲームクリアは不可能である。
彼らは魔王のもとに辿り着くための条件を満たしていなかった。
とは言え、ゲームとは異なる展開になるかもしれない。
あまり悠長にやっている暇はないだろう。
賢者の加入は予想外だった。
ゲームには存在しないルートで仲間になったのだ。
同じようなことが起きる可能性がある以上、細心の注意を払って行動しないといけない。
いつか唐突に最終決戦が始まり、そこに乱入することになるパターンだってありえる。
その時は勇者パーティーを問答無用で皆殺しにするつもりだ。
楽しむという目的が損なわれるが、その段階に至ると余裕もない。
なるべくそうならないようにしたいものである。
(さて、俺もリベンジに備えて準備をするか)
賢者を加えた勇者パーティーに惨敗した。
その事実は覆しようがない。
しっかりと受け止めるべきだろう。
全力で殺しにかかっていなかったのもあるが、言い訳にはならない。
本当はあそこでパーティーを全滅させるつもりだったのだ。
残機を消費させて嘲笑ってやらねばならなかった。
賢者の登場という不測の事態が発生したが、その上で成功させなくてはいけなかった。
紛れもない失敗である。
これを受けて俺は前向きに思案した。
次回以降の対策を考えてみた。
結果、シンプルな答えに辿り着いた。
それは仲間の有無だ。
勇者には味方がいて、俺にはいない。
ならばこちらも味方を作ればいいのではないか。




