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厄介者としてパーティーを追放されたので勇者を殺してみた ~【シナリオチャート認識】+【データ改竄】で異世界を謳歌する~  作者: 結城 からく


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第29話 かくれんぼ

 俺は煙草を吸いながら周囲を捜索する。

 いつでも撃てるように、散弾銃のトリガーには指をかけていた。

 少し声を張りながら森の中を進む。


「おーい、どこだー? 隠れてないで出てこいよー」


 当然ながら返事はない。

 あの爆発を受けた直後、すぐに遠くへ逃げ出すのは難しい。

 きっとこの付近にいるはずだ。

 俺は耳を澄ませながら勇者と錬金術師を探す。


(ステータスを上げても、感知能力が劇的に変わるわけじゃないからなぁ)


 改竄も万能ではない。

 五感は鋭くなって捜索はしやすくなるが、それを扱う俺が素人なのだ。

 早い話、高い能力値を活かし切れない。

 経験が物を言う分野なので仕方ないだろう。

 脳内マップに勇者達が表示されるのなら簡単なのだが、生憎とそこまで便利ではないのである。


 チートの微妙な欠点を嘆いていると、唐突に茂みが揺れた。

 俺は素早く散弾銃を向ける。


「おっ、そこか」


 散弾銃を連射するも、悲鳴は聞こえない。

 戦闘ログを確認したところ、攻撃は誰にも当たらなかった。

 俺は首を傾げながら茂みに近付く。


「気のせいだったのか?」


 その時、頭上から強烈な殺意を感じた。

 殺意は背後に着地して動き出す。


 振り返ろうとするも、首に違和感を覚えた。

 そっと片手で撫でてみると、視界がずれて落下する。

 後頭部を地面にぶつけて、鮮血を散らす首無しの死体――つまり俺の身体が見えた。


 どうやら不意打ちで首を斬り落とされたらしい。

 背後には剣を手にする勇者が立っていた。


(大した剣捌きだ)


 俺は感心しながら肉体を再生させる。

 ところが、勇者によって即座に首を断たれてしまった。

 また再生しても、行動する前に斬首される。


 復活しては首ちょんぱ。

 復活しては首ちょんぱ。

 リズムよく織り成される攻防は、実にシュールな光景だろう。

 それを十回ほど繰り返したところで、俺は勇者の狙いを悟った。


(なるほど。これが不死身対策か)


 俺が肉体を復元するには、一瞬ながらも隙が生じる。

 勇者はそこに気付き、報復の糸口にしたようだ。


 彼の剣技は今の時点でも超一流である。

 ステータスを底上げした俺でも斬殺できるのだから本物だ。


 そんな勇者が、至近距離で俺の再生を阻害している。

 確かにこれでは起き上がることさえできない。

 俺はまんまと罠にはまってしまったわけだ。

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