第27話 土下座脅迫
「俺は蘇生薬を無限に生み出せる。それに戦闘も得意だ。もうお荷物なんて呼ばせないぜ」
重ねてセールストークを展開する。
嘘は一つも言っていない。
改竄能力はかなり万能だ。
自分自身のデータのみという縛りはあるものの、制限内なら好き放題に弄ることができる。
持ち物として判定されれば、物品の改竄も可能だった。
俺が供給源を潰した蘇生薬だって、ただのゴミからでも量産できる。
戦闘能力はステータスの数値を変えられるのだから反則もいいところだ。
まあ、勇者の聖剣みたいに特殊な武具が相手だと、あっけなく凌駕されることもある。
ただし別に大した欠点ではない。
そもそも俺は不死身なので勝ち負けという土俵にすら立っていないのだ。
勇者と錬金術師は馬鹿ではない。
ここまでの出来事から推察して、おおよそながら俺の能力を把握しているだろう。
ゲームに付随する権限とは思わないだろうが、内容自体はかなり正確に予測できているのではないか。
それについても問題なかった。
たとえ能力を言い当てようと対策のしようがないからだ。
勇者達は俺の欺くような立ち回りを強いられるが、それもシナリオチャートのおかげで筒抜けであった。
何をどうしようと、俺に逆らうのは不可能なのだった。
「パーティー内での疎外感から反発してしまったんだ。せめて減らした残機分は償わせてくれ。頼む、この通りだ」
俺は声を震わせながら土下座する。
精一杯の誠意をアピールした。
情けない姿を晒しているが、実際の力関係は正反対である。
勇者達は俺の言うことに従うしかない。
愉快な気分で、笑わないように堪えるのが大変だった。




