第13話 不死身の男
女戦士は咄嗟に剣を回転させて、弾丸を防御しながら後退した。
弾き切れなかった分が腹や肩に命中するも、あれでは致命傷にはなり得ない。
下がった女戦士を勇者が抱き止めて、即座に魔術師が治癒する。
その間、錬金術師が防御の術を張っていた。
見事な連携は、彼らがこれまでの旅で培ってきたものだ。
端から俺のことをなんて勘定に入れていないので、その立ち回りに影響はなさそうだった。
上半身だけとなった俺は、だらりと力を抜いて万歳をする。
そして、弾切れの拳銃を捨てて愚痴を吐いた。
「あー、駄目だ。さすがに当たらねぇか。相手は脳筋ゴリラだもんな。仕方ねぇな」
愚痴りながら外見データを弄って肉体を復元する。
切断された下半身が繋がって元通りになった。
ついでにスーツの汚れも綺麗さっぱり消えている。
俺は足腰に感覚を確かめながら立ち上がった。
「よし、治った」
瞬時に再生した俺を見て、勇者達は驚愕する。
本来なら即死するレベルのダメージだったのだ。
そういった反応になるのも無理はない。
「あんた、魔術を使えたの!?」
「魔術じゃねぇよ。ただのチートだ、気にすんな」
外見データの改竄によって、俺はどんな負傷も治すことができる。
加えてHPがゼロにならないように細工しておいた。
言うなれば不死身なのだ。
この世界に来て真っ先に改竄した分野なので、対策は完璧である。
どれだけ強い相手だろうと、俺を殺すことはできない。
たとえ死体すら残さないような攻撃を受けようとも、問題なく復活できるようにしてあった。
俺は後ずさる勇者パーティーを見て不敵に笑う。
「お前らも残機で復活できるだろ。これでイーブンってわけだ。たくさん殺し合おうじゃないか」




