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厄介者としてパーティーを追放されたので勇者を殺してみた ~【シナリオチャート認識】+【データ改竄】で異世界を謳歌する~  作者: 結城 からく


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第117話 限界超越

 俺と勇者は互角の死闘を展開する。

 不死身同士で攻撃を叩き付け合っていた。


 僅かな動きで衝撃波が発生し、踏ん張れば大地が陥没する。

 剣を振り抜けば、摩擦熱で炎を帯びて、攻防のどちらを行っても周囲に甚大な被害が及ぶ。

 もはや仲間達の死体は跡形もなくなっているだろう。


 空は何度も昼夜を繰り返していた。

 まるで世界が俺達だけのように戦いを謳歌している。


(そろそろ時間感覚が狂いそうだ)


 俺は胸中で愚痴る。


 神経を削るような殺し合いを延々と行われてるのだ。

 我ながら図太い性格で、首を刎ねられ続けながら耐え抜いた実績もある。

 それでもこの戦闘は異常だ。

 いつ終わるかも分からない攻防で、俺も勇者も強くなる一方だった。

 このまま世界を崩壊させてしまうのではないかと危惧するほどである。


(しかし、焦っているのは勇者も同じだ)


 元は善良な性格の勇者は、さらに不安を抱いているはずだ。

 彼はまだ英雄としての肩書きをぶら下げている自覚が垣間見える。

 実際はとっくに破綻しているというのに。

 先ほどからの立ち回りは、周囲への被害を懸念していた。


 どこまでも甘い奴だ。

 この期に及んで善悪の曖昧なラインを往復している。

 確固たる決意をした一方で、煮え切らない態度がへばり付いていた。


(その甘さが命取りになる)


 眼前の勇者が大上段に聖剣を構えた瞬間、俺は外見データを変更する。

 一瞬で勇者パーティーの女戦士になった。

 中身は俺だが、生意気な顔まで完全に再現している。


 刹那、動きかけた勇者の腕が止まった。


「くっ」


 彼の中で迷いが生じたのだ。

 やはりそうだ。

 こいつは中途半端である。


 妹や幼馴染は殺せたのに、苦楽を共にした仲間の姿に動揺していた。

 助けることができなかった人間を彷彿としたのだ。

 自らの手で殺した二人の人質を含めて、未だに未練が残っている。

 だから攻撃の手が鈍った。


「隙ありだ」


 俺は魔王剣を突き出す。

 一瞬遅れて聖剣が肩にめり込んで腰まで裂き割った。

 体勢が崩れそうになるも、魔王剣だけは決して離さない。


 こちらの放った禍々しい刃は、勇者の顔面を貫通していた。

 若干の抵抗感と共に、頭蓋と脳を粉砕して後頭部まで突き抜ける。


 勇者は聖剣を振り下ろした姿勢のまま硬直していた。

 そして、首と顔面から鮮血を垂れ流しながら倒れる。

 頭部の潰れた死体は、数秒の間を置いて目の前から消滅した。

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