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厄介者としてパーティーを追放されたので勇者を殺してみた ~【シナリオチャート認識】+【データ改竄】で異世界を謳歌する~  作者: 結城 からく


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第113話 勇者の報復

 俺と黒魔導士は勇者の背中を狙う。

 しかし、攻撃は巧妙な身のこなしで回避される。

 驚くことに魔王剣すらも受け流される始末だった。


 さすがに腕や聖剣にダメージが入っているようだが、勇者は強引に捻じ伏せている。

 致命的な損傷は外に逃がしているようだった。

 聖剣の耐久力もとっくに限界だろうが、生命力を分け与えることで無理やり維持しているらしい。


 奇しくも俺の魔王剣と似たメカニズムだ。

 使い手の能力とリンクさせて性能を向上させている。


(まだ進化するのか)


 俺は勇者の力に呆れと驚きを隠せない。

 もはや本人の才能の域を超えている。

 まるで何か見えない力が彼を勝たせようとしているかのようだった。


(くそ、気に入らない)


 勧善懲悪でなければ許せないのか。

 しかし、勇者だって正義を名乗れる立場ではない。

 人々に見放された勇者は、彼らの命を経験値に変えた。

 滅びかけた世界を諦めながらも、復讐心に従って俺達を殺そうとしている。


 仮に勇者が勝利して魔王を倒したとしても、その先は白紙状態なのだ。

 もしかすると世界滅亡より酷い結末が待っているかもしれない。

 そんな行為に果たして正しさなど存在するのか。


 俺が疑問を重ねる間に勇者が加速し、視認困難なスピードで疾走する。

 そこから怒涛の連撃を博士に見舞っていった。


 斬られる博士は、全身に仕込んだ多種多様の毒で反撃する。


 勇者の皮膚が溶けて筋肉が腐敗した。

 骨は粉々となって、乾燥した内臓が体外に滑り出る。

 さらには歯が抜け落ちて目玉が破裂しても、勇者の動きが衰えることはなかった。


 絶え間ない苦痛を精神力で耐えて、持ち前の再生能力で押し切る。

 恐るべき執念が、勇者の命を繋ぎ留めていた。


 バックステップで逃げ続ける博士が口を僅かに動かす。

 彼は特性の毒液を吐き出した。

 事前に話を聞いていたので知っている。

 あれは博士の秘めた奥の手だ。


 真正面から突っ込む勇者はそれを浴びる。

 焼けるような音と共に白煙が噴き上がって見えなくなった。

 すぐに白煙から人影が飛び出す。


 現れた勇者は異形と化していた。

 毒の影響か、全身の血肉が蒸発している。

 もはや面影など感じられないレベルだった。

 僅かな筋肉と布きれが張り付いた骸骨である。


 そんな状態でありながらも、やはり勇者の動きは損なわれない。

 驚異的な速度で博士に肉迫すると、朽ちかけた聖剣を掲げて勢いよく振り抜く。


 刹那、博士の首が刎ね飛ばされた。

 高速回転しながら真上に打ち上がり、地面に落下して転がる。


 首を失った身体が、断面から鮮血の噴水を上げた。

 傷だらけの白衣が赤黒く染まり、ついには膝から崩れ落ちて倒れる。

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