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第91話 冒険者登録

 キャシアとミレア、祖父母と別れたキルス、玲奈と幸の3人は冒険者ギルドへ向かって行った。


「ギルドって、どこにあるの」


 道中玲奈がキルスに尋ねた。


「もうすぐそこだよ」


 そういって、キルスはすぐ近くにあるギルドの建物を指さして答えた。

 そうして、歩くこと少し3人はギルドの中に入ることになった。


「わぁ、これが、ギルド、すごーい、あっ、あれって受付、わぁ」


 ギルドに入ると玲奈がテンションが爆上がりであった。

 それというのも、やはり玲奈はキルスと同様ネット小説やラノベ、ゲームなどをしており冒険者というものに憧れのようなものを持っていたからである。

 一方で幸にはそのようなものはないためにギルドの広さとその喧騒におどおどしていた。


「あ、あの、キルスさん、ここは、どのような場所なのでしょうか」


 キルスはそれを聞いてハッとした。

 というのも玲奈はギルドと聞いてもどういった場所かわかっていたし、キルスも説明されなくてもその知識を前世から持っていたこともあり、すっかり忘れていたのであった。


「そういえば、説明してなかったな。ここは、冒険者ギルドといって、街の人とか近くの村とかからの依頼を集めて、俺のような冒険者に仕事をあっせんするところなんだ」

「お仕事ですか?」

「そう、例えば、ほら、昨日のようなイノシシ、キラーボアっていうんだけど、ああいった魔物の討伐とか、商人の護衛とか、まぁ、それは俺みたいな闘う力のある奴がやるけど、中には街中で川掃除とかどこかの店番とかそういったこともやったりするけどな」

「人助けをする、立派なお仕事というわけですね」

「まぁ、そんなようなもんだけどな」


 キルスは目をキラキラとさせている幸を見て、実際にはそのような高尚なことを考えて行動している奴が一体どれだけいるだろうか、そんなことを考えつつ苦笑いをして見せた。


 そんな話をしていると、受付の方からいつもの声が聞こえてきた。


「キー君、おかえりー」


 そういって、手を振るのはキルスのもう1人の姉であるニーナだった。


「ただいま、ニーナ姉さん」

「おかえり、えっと、その子たちが例の」


 ニーナには当然の如く2人のことを手紙で報せていた。


「ああ、玲奈と幸だよ」


 そういって、キルスは玲奈と幸をニーナに紹介し、2人を前に出そうと振り返ると、そこには茫然とした2人がいた。

 玲奈は、すぐに目を輝かせテンションが上がっている。

 一方で幸は顔を真っ青にしていた。


「ねっ、ねぇ、キルス、キルス」


 玲奈はテンション高くキルスに詰め寄った。

 その行動の意味をキルスは正確に理解した。

 それは、一種の憧れのようなものだろう、玲奈は現代の日本人、獣人という獣耳を持つ人種の登場に胸が躍っていた。

 それに対して、幸の心情もキルスには予想が付いた。

 それというのも、かつて日本では化け猫といった、妖怪がいたとされていた。幸が思い描いているのはまさにその化け猫の類であった。

 だからこそ、キルスははしゃぐ玲奈よりまず幸に教える必要があった。


「幸、ニーナ姉さんは別に化け猫でも獣に取りつかれているわけでもないぞ」

「えっ?」


 その反応を見てキルスはやっぱりと思った。


「キー君?」

「ああ、悪いニーナ姉さん、ちょっと待って」


 キルスの言葉に訝しむニーナに待つように告げた後キルスは言葉を続ける。


「ニーナ姉さんのような種族を獣人族って言ってな。これはれっきとした人間の一種なんだ。俺や玲奈は元々わかっていたから失念してた、悪いな色々説明し忘れてたみたいだ」


 それから、キルスは幸にファンタジーの世界についてしっかりと説明したのであった。


「な、なるほど、そうだったのですね。あ、あの、ニーナ様、失礼いたしました」

「ううん、いいのよ。それと、様はいらないわよ」


 ニーナはそんな幸を笑って許した。


「それじゃ、改めて、私はバイドル冒険者ギルド受付嬢をしているニーナです。よろしくお願いします。それから、キー君のお姉ちゃんでもあるから、今後ともよろしくね」


 ニーナは受付嬢として自己紹介をしてから、キルス達の姉としての自己紹介をした。


「姉といっても、実のじゃないからな」


 それから、念のためにキルスは2人にニーナの事情をかいつまんで話した。


「なるほどね。それで、お姉ちゃんなんだ」

「まぁな。それで、ニーナ姉さん、この2人を登録したいんだけどいい」

「ええ、もちろんよ。それじゃ、この用紙に必要事項を書いてね。代筆が必要かな」

「いえ、大丈夫です。多分」

「書けると思います」


 ニーナの代筆という話を聞いて2人は翻訳スキルがあるから書けると問題ないと返事をした。

 その後、彼女たちは自身の名前などを記入していった。


「はい、これでいいわ。ああ、それと、念のために聞いておくけど、試験は受けなくてもいいのよね」

「はい、大丈夫です。というか、あたしたち、闘う力なんてないですし」

「はい、そのような力はありませんから」

「そう、それじゃ、一番低いHランクからね。このランクだと基本依頼を受けても街の中のお仕事しか受けられないから注意してね。あと、戦闘訓練が義務づけられているけれど、別に受けなくてもランクが上がらないだけで、他にペナルティはないから安心して、まぁ、興味があれば受けてもいいけどね」


 そうして、玲奈と幸の冒険者登録があっさりと完了したのであった。


 その後、キルスがニーナにコロッセロンで行った仕事などの話をしたり、玲奈と幸の話をしたりして適当なところでキルス達はファルコ食堂に帰ることとした。

 こうして、3人が時間を潰していたのは、ひとえにフェブロとアメリアという祖父母がようやくキルスやキャシア、ミレアの3人以外の孫たちと邂逅し、息子たるファルコとの再会を邪魔しないためであった。

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