表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
223/237

第223話 結婚

 オルクが開いた食堂、代官食堂は予想に反してかなりの反響を呼び大繁盛となった。


 それから数日が経過したが、代官食堂は相も変わらず大繁盛していた。


「兄さん、思っていたより早いけどそろそろいいんじゃない」

「そうだね。住人の皆さん思っていたよりも早く僕たちを受け入れてくれたみたいだしね」

「じゃぁ、準備を始めたほうがいいな」

「うん、そうしようか」


 ということで、キルスとオルクの話し合いにより何やらの準備が開始されようとしていた。


 準備のためにキルスがまず向かったのはバイドルである。



「キルス、おかえり、どうしたの? オルクのお店で問題でも起きた?」

「いや、大繁盛だよ。ロイタたちも給仕頑張ってるみたいだし」

「そう、それはよかった」

「それじゃ、どうしたの?」

「ああ、思っていたより住人が早く兄さんたちを受け入れたからね。そろそろいいんじゃないかと思って」

「おおっ、そうかい、それならさっそく準備をしないとね」

「そうね。楽しみだわ」


 それからキルスはオルスタンへと戻ったのだった。


「……というわけだから、準備を始めたいんだけど、姉さんのことだからすでにしてるだろうけどね」

「ええ、ばっちりよ。それにしてもようやくね」

「だな」

「ほんと楽しみ。ねぇ、どんな式にするの?」


 玲奈は心底楽しみといった風にキルスに尋ねた。


「いや、俺もよくわからないんだよな。そこらへんはラナや姉さんたちで考えてんだろ」

「そうね、メリッサさんとも相談してある程度は決めてるわよ」

「そうか、なら向こうの準備が整えばすぐにでも出来そうだな」

「うん、といってもさすがにほかにも準備はあるから数日ってのは無理だけどね」

「だろうな。まぁ、とにかく任せるよ」

「ええ、任せなさい」

「うん、まっかせて」

「はい、お任せください」


 エミルと玲奈と幸はそれぞれ満面の笑顔でそう答えた。

 実に楽しそうである。



 そんな日からさらに半月の時が流れた。

 すべての準備が整った本日、ついにオレイス代官屋敷、元謁見の間を利用してのオルクとラナ両名の結婚式が執り行われることとなった。


「兄さん、準備できた?」

「キルス、うん出来たよ。変じゃないかな」

「ああ、大丈夫だよ、兄さん」

「オルク兄ちゃんかっこいい!」

「ふふっ、そうかい、それならよかった」

「オルク様、本日はおめでとうございます」

「あ、ありがとうホスマス」

「う、うう、オルク、立派になってね」

「お前が泣いてどうする」


 オルクの姿を見たファルコが泣き出し、それをフェブロが呆れつつ突っ込んだ。


「あははっ」


 そんな父の姿を見たオルクとキルスは苦笑いを浮かべるのだった。


「失礼します。ラナ様の準備が整いましてございます」


 ここにラナの準備を手伝っていたメリッサがオルクの控室へとやってきた。


「そうか、それじゃ始めようか兄さん」

「そうだね。お願いするよ」

「はい、かしこまりましてございます」


 そう言ってメリッサとホスマスが部屋を出ていった。

 メリッサにはラナのサポート、ホスマスには式の司会の役回りがあった。



 そうして、それから数分後オルクの控室にメイドがやって来た。


「オルク様、お時間でございます」

「う、うん、ありがとう」

「それじゃ、兄さん俺たちは先に行ってるよ」

「うん」


 こうして、キルスたちは先に謁見の間へ向かい、オルクは深呼吸をしてからメイドとともに部屋を出ていったのだった。



 場面は変わり謁見の間、ここにはオルクの家族、バラエルオンからこの日のために呼んだラナの家族や従業員、街の有力者などが集まっていた。

 並び順は、日本と同じで神父から見て左側が新郎であるオルク家族、右側が新婦ラナの家族が並び、一番後ろに街の有力者となっている。


 そうして、待つこと少しまずは新郎であるオルクがこれまで見たことないような緊張の面持ちでやってきた。


「オルク兄さん、すごく緊張してるね」

「うん」


 キレルとロイタがそんな会話を小声でしていた。


 それからしばし待っていると、厳かな音楽が奏でられ、謁見の間に備え付けられていた大きな扉がゆっくりと開かれた。

 列席者がその扉を一斉に見ると、そこには玲奈の助言を受けて作られた真っ白なウェディングドレス姿のラナがその父、デイケスの腕を取り立っていた。


 その後、ラナはゆっくりとヴァージンロードを歩きオルクの元へと向かう。


「綺麗……」


 キルスの隣でエミルがそうつぶやいた。


「うん、良く似合ってる。ねぇ」

「はい、すごくお綺麗です」


 反対側に座る玲奈と幸もまた感嘆のため息を漏らす。

 それから、そろったオルクとラナに向かい神父が厳かに祝詞を述べる。

 しかし、その祝詞の意味は誰にもわからない。

 というのも、この祝詞は教会設立時の言語を使っており、現代の人間たちでは理解できない言葉だからだ。

 唯一翻訳スキルを持つキルスと玲奈、幸の3名は理解できるものの、長い年月をかけてわからない言語を呪文のように使っているために発音の違いや言葉の節々の間違いがあり、キルスたちにもひどい片言にしか聞こえないために結局何を言っているのか理解ができないのであった。


 そうして、祝詞が終わるとオルクとラナの口づけが行われたことで、2人は晴れて夫婦となったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ