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第185話 突然の叙爵

 帝国との戦争において、逆侵攻を仕掛けたキリエルン王国は、帝国領オルスタンという街を落とした。

 これにより、王国は国土を広げることになった。


「終わったな」


 キリエルン王国には領土欲がなく、今回はあくまで報復という名目での侵攻であった。

 そのため、キリエルン王国としては、これ以上攻め込む必要はないと考えている。


「キルス」


 キルスが街から少し離れた場所でシルヴァーとともに見ていると、数人が近づいてきた。


「ゾロテス、それに辺境伯様」


 やってきた中に騎士団長ゾロテスとボライゲルド辺境伯を見つけたキルスは少し気を引き締めた。


「キルスよ、よくやってくれたな。おぬしのおかげで、下賤な侵略者どもを追い払いうことができた。礼をいうぞ」

「いえ、王国民として当然のことですから」

「そうか、さてこの上で1つ頼みたいのだが、いいか?」

「頼み、ですか、構いませんが、何でしょうか?」

「陛下へご報告を申し上げる必要がある」


 どんなようかとキルスが訪ねると、ゾロテスがそういったことでキルスにも何を頼もうとしているのかがわかった。


「えっと、つまり、俺の転移で王都へってことですか?」

「うむ、ゾロテス殿から話を聞いてな。ぜひ頼みたいのだが、よいか?」

「ええ、もちろん、では、さっそくですか?」

「ああ、頼む」

「わかった。では、転移!」


 キルスは言われた通りさっそく転移スキルを使い、王都へと飛んだ。



 次の瞬間キルス、ゾロテスとボライゲルド辺境伯は王都、王城にある訓練場にいた。


「おおっ、これが、転移か、まさにここは王城、すばらしい」

「ありがとうございます」


 その後、やってきた騎士がゾロテスを見て驚きながらも、すぐに王城内へ知らせを届けに向かった。

 そのおかげで、キルスたちはすぐに国王への謁見がかなったのだった。


 その謁見にはなぜかキルスも参加しているのは、なぜなのか、キルスだけがわかっていなかった。

 そうして、始まった謁見、平民であるキルスはただ黙って跪いているだけだった。


「ボライゲルドよ、よくやった。ほめて遣わす」

「はっ、ありがたき幸せ、これもすべて、陛下のおかげを持ちましてございます」


 ボライゲルド辺境伯が言ったのは、国王がキルスに依頼を出したことで、キルスとシルヴァーがやったきたことにより、帝国の魔の手を難なく追い払えた。


「うむ、だがそれだけだはあるまい、そなたの采配があってこそのものであろう。此度の働き見事であった。よって褒美を与える」

「ははっ」

「さて、続いて、キルスよ」


 なぜか、ここにきてキルスの名が呼ばれてしまった。

 これには、キルスだけでなく多くの貴族が驚いた。

 というのも、謁見の間で平民が国王自ら名を呼ぶなんてことはありえないからだ。

 尤も、呼びかけられてもキルスは困る。

 なにせ、謁見の間において平民が言葉を発することは許されない。

 つまり、呼びかけに対して返答できないということ、しかし、呼ばれた以上返答しなければならない。


(どうしろと)


 キルスは内心そうおもっていた。


「うむ、此度の戦においてそなたの働きは見事である。そなたがおらねば、我が国は帝国によってさらなる蹂躙を受けていたであろう。よって、そなたに褒美を取らす」


 褒美をと言われ、キルスは言葉を発することはなく、さらに深々と跪いた。


「我、キリエルン王国第134代エリュシン・ド・ドランゲル・キリエルンの名において、バイドル冒険者ギルド所属Bランク冒険者キルスに、男爵位並びに、オルスタンの街を与えるものとする」


 !!?


 キルスをはじめ、その場にいた誰もが驚いた。

 それはそうだろう、キルスは平民、この国において平民が爵位を叙爵することはまずないからだ。


「お、お待ちください、陛下、お言葉ながら、そのものは平民、我が国の法において、平民が爵位を得るなど看過できません」


 貴族の1人がまさにキルスを代弁するかのように反対意見を言った。

 これにはキルスも同意見だし、何より爵位だけならまだしも領地までもらっても困るのが正直な気持だった。

 尤も、いくら爵位を与えられて貴族となっても、与えられたキルスには拒否することはできないが……


「それについては、わし等が説明しよう」


 すると、そこに2人の貴族が前に出た。


「フェルードナルド侯爵、レジナルディ辺境伯!?」


 出てきた貴族は、それぞれ侯爵と辺境伯であり、キリエルン王国でも王家と縁戚でもあり発言力も大きい貴族である。


「まずは、わしから説明しよう……」


 そういったのは、年のころなら60代ほどのフェルードナルド侯爵で、その説明は誰もが驚愕の事実であった。

 それによると、侯爵の父親である先代侯爵には弟がいたという、その弟は貴族名を捨て一兵士として国軍に尽くしていた。

 そして、平民の娘と結婚し息子を儲けた。その息子の名はフェブロといい、これもまた兵士として活躍したというのだ。

 そう、キルスの父方の祖父のことである。


 また、そんな事実に衝撃を受けているキルスに対して、追い打ちをかけるようにレジナルディ辺境伯が続いて説明を始めた。

 それによると、いまだ30代の若い辺境伯の先々代の弟が、同じく貴族の名をして冒険者となった。そして、これまた同じく平民の娘と結婚し、息子がいる。

 その息子もまた冒険者となり、トーライドでギルドマスターにまで上り詰めたという、そうして、その娘が殲滅と呼ばれ恐れられているという。


「……」


 キルスは立て続けに聞いた衝撃的な説明にもはや声すら出ないほど驚いていた。


(……まじかよ!)

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― 新着の感想 ―
[一言] 与えられる爵位が低すぎる
2023/08/06 12:26 退会済み
管理
[一言] 爵位がいらないなら拒否しろよ、主人公の保有する戦闘能力ならそれができる。
2022/05/26 16:54 退会済み
管理
[良い点] 外堀、埋められました。 [気になる点] 王様、何も知識無いのに 領地持ちにしちゃダメじゃん。 [一言] 正妻は王女様になるのかな?
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