表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/237

第155話 奴を探せ

総合評価がついに1000を突破しました。

これも、皆さまのおかげです。

ありがとうございます。

 デリアルト・ド・ブレンダー、ブレンダー男爵家の三男で、元キリエルン王国騎士団第4部隊長を務めていた男だ。

 性格は人当たりもよく、先輩からは可愛がられ、後輩からは慕われていた。

 そのため、数日前の退職は全員から惜しまれていたほどだ。

 ただし、選民意識が強く平民に対してのみ、かなり厳しい態度を取っていることは騎士団内でも知られていた。

 そんな男であった。


 そのデリアルトが今回の事件の犯人である。

 ドワーフの鍛冶師コルダスから聞いたその特徴からそう判断できたことは、騎士団たちに大きな衝撃を与えた。


「ありえん」

「いくらなんでも、そんなばかな」

「間違いではないのか?」


 余りのことに騎士の1人がコルダスの胸倉をつかんで口調も強くなる。


「あ、ああ、間違いねぇよ」


 突如騎士の態度が変わったことで、コルダスもしどろもどろとなってしまった。


「よせっ! 信じたくない気持ちは俺にもある。しかし、まだ決まったわけではない」


 そう、今はまだデリアルトが犯人であると決まったわけではない。

 その証言からそうではないかと疑っているだけだった。

 尤も、その可能性は十中八九間違いないと、ゾロテスも思ってはいたが……


「まずは、奴かどうかの裏付けを行う必要がある」

「は、はっ、了解しました」


 というわけで、ゾロテス達騎士団の面々はデリアルトとという人物を徹底的に調べることにした。

 彼らとしてはこれで、デリアルトではないという証拠にしたかったわけだ。


 そうして、始まった捜査はデリアルトが使っていた部屋から、王城内の使用人たちへの聞き込みなどを必死に行うことになる。



「……では、報告しろ」

「……はっ」


 2日後、ある程度の調査を完了した騎士団は詰所に集まり、報告会議を行っていたが、その表情は誰もかれもが疲れ切っていた。


「……以上のことから、デリアルト隊長、いえ、デリアルトで間違いありません」


 その報告はデリアルトの行動、使用人の証言、部下たちの証言などからいくつかの不審な動きが垣間見えたという、そして、調査をすればするほど、デリアルトが犯人であるという証拠が出てきてしまったのだ。

 彼らとしては、当然元とは言え仲間が行った犯行を信じられず、なんとしても違うという証拠を見つけたかった。

 しかし、無情にもそうはならず、疲れ果てていたのである。


「しかし、そうなると、奴を捕らえなければならん。今の奴の居場所は?」


 ゾロテスもショックを隠せなかったが、これまでの調査により、確実であったことから、頭を切り替えて何よりデリアルト逮捕に向かうことにした。


「はっ、調査の結果、隊長……いえ、デリアルトは4日前に王都を発っております」


 デリアルトはすでに王都にはいなかった。


「そうか、ということは、領地か?」

「おそらくは、ですが、そのことについて、少々ある噂があります」

「噂だと、なんだそれは?」

「はっ、これはあくまでも噂ですが、その」

「なんだ、はっきり言わんか!」


 部下が言いよどんでいると、ゾロテスは怒鳴った。


「はい、その噂というものは、ブレンダー男爵のことなのですが」

「う、うむ」


 男爵のうわさと聞き、ゾロテスも若干緊張している。


「男爵は、我が国を裏切り、帝国に付こうとしている、などという噂があるのです」

「なっ」

「なんだとー!!」


 これにはその場にいた誰もが信じられないことであった。


「まさか、それは本当なのか?」

「おいおい、もし本当なら、とんでもないぞ」


 この場に上司がいるにもかかわらず、同僚のありえない言葉に普段の口調で突っ込んでしまったことは誰が責められよう。

 実際、ゾロテスは責めることはしなかった。

 というより、ゾロテスもそれを注意する余裕がなかったのだ。


「わかりません。ですが、多くの証言を得られました」

「うむ、そうか、そうなると、待てよ。まさか、いや、わかった、これはさすがに我々には手に負えん、宰相閣下に相談してみよう」


 というわけで、ゾロテスは宰相に相談しに向かったのだった。

 もちろん、宰相もその衝撃な噂に驚愕していたが、火のないところに煙は立たぬとあるように、その可能性を考えブレンダー男爵のことも探るようにとひそかに命じたのである。


 そうして、さらに2日が経ち、その調査の結果濃厚となった。


「騎士団長、こうなっては本人から聞くしかない、即刻ブレンダー男爵を連れてくるんだ」

「はっ」


 こうして、ゾロテスは宰相からブレンダー男爵を王都に連行してくるようにと命令が下った。

 しかし、ここで問題がある。

 というのも、ブレンダー男爵と、その三男であるデリアルトはすでに6日前に王都を発っている。

 彼らの移動は馬車だが、周囲に歩兵がいるためにある程度は遅いが、今から馬でかけたところで追いつくころには、男爵の領地、最悪帝国に到着ししまう。

 そう、間に合わないのだった。


「くそっ、どうすれば……」


 ゾロテスは出立の準備を整えながら、どうやって距離を縮めるかを考えるのであった。

本日の投稿を持ちまして、本年は最後とします。

来年もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 王国の騎士団が、腐ってないこと。 [気になる点] 捜査中、ノンキに王都観光してる主人公。 [一言] >今から馬でかけたところで追いつくころには、男爵の領地、最悪帝国に到着ししまう。 >そう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ