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第111話 模擬戦交渉

「それじゃ、コルネリ兄さんとおじいちゃんにはわたし達がお願いしてみるね」

「いいのか?」

「うん、今はキルス君に街を案内しているところだから、ついでに警備隊の詰所に行ってくるわ。ねぇ」

「そうだな。特に他にないしな」


 キルスもシュレリーに同意したとことで2人は警備隊の詰所に向かうことにした。



「まさか昨日の今日でまた、行くことになるとはな」

「あははっ、そうだね」


 昨日、キルスは警備隊と揉め詰所に連行されていた。

 そこに助けに来たのがシュレリーであった。


「あっ、あそこよ」


 詰所が見えてきたところでシュレリーが指さしてキルスに教えた。


「んっ、おお、シュレリーちゃんじゃないか、どうしたんだ。もしかして俺に会いに来てくれたのか」


 詰所の前まで来ると詰所前で警備をしていた男の1人がシュレリーに寝ぼけたことを言った。


「違いますよ、コルネリ兄さん……警備隊長はいますか」


 シュレリーも適当に聞き流しながらコルネリがいるかどうかを尋ねた。


「ああ、隊長なら、中にいるぜ」


 あっさりとシュレリーに振られがっくりと肩を落としている男とは別の男が応えた。


「そうですか、それじゃ、失礼しますね」


 シュレリーはよく詰所にやってきているのか、慣れた足取りで中に入っていく、その後をキルスは何食わぬ顔でついて行くのであった。



 詰所の中キルスとシュレリーは目立っていた。

 そうれはそうだろう、シュレリーは絶世の美女、そしてキルスは昨日警備隊と揉め、それにより部隊長の1人が厳罰に処された。

 それを知っている警備たちの面々にとってはキルスに注目するなという方が無理がある。


「あっ、ここよ」


 シュレリーは1つの扉の前で止まった。


コンコンコン


「コルネリ兄さん、シュレリーです」


 扉を叩いたシュレリーは自身の名を名乗った。


「シュレリー? どうした」


 突然のイトコの訪問に戸惑いながらも快くコルネリは招き入れようと扉を開けた。


「おや、君は昨日の」


 そこになぜか昨日部下ともめたキルスが一緒にいるからコルネリは驚いた。


「こんにちはコルネリ兄さん、えっと、改めて紹介するわね。この子はキルス君っていって、私の従弟だったの」

「従弟? どういうことだ」


 コルネリにとってもシュレリーのイトコと言えば自分たち以外にはいないと思っていただけに訳が分からなかった。


「わたしも知らなかったんだけど、キルス君はレティア伯母さんの子供なのよ」

「なに、レティア、レティアって師匠の?」

「そうよ、おじいちゃんの娘、わたしのお父さんのお姉さんの」

「まじか、それはまた、すごい偶然だったな」


 ここでコルネリが言った偶然は当然昨日のことだ。


「そうなの。わたしも、おどろいちゃって、家族もみんな驚いていたけど」

「だろうな。えっと、それで、今日はどうしたんだ」


 コルネリは今だ驚いてはいるものの、わざわざキルスを紹介するためにここに来たのではないだろうと、シュレリーに用件を尋ねた。


「ああ、うん、実はね」


 それからシュレリーは先ほどのドットの店での出来事を説明し、模擬戦をしてほしいことを話した。


「師匠とか、俺は構わないが、師匠はいいというかがな」

「多分大丈夫だと思う」

「まぁ、どちらにせよ。話が決まったら教えてくれ」

「わかったわ。それじゃ、コルネリ兄さん、また」

「おう、えっと、キルスだったな。お前さんもまたな」

「ああ、また」


 こうして、コルネリとの交渉はあっさりと終わり、その後街を適当にぶらついた後、キルス達は家へと戻ったのであった。



「ただいま」

「おお、おかえり」

「おかえりなさい、街はどうだった」

「ああ、いい街だったよ」

「そう、それで、どんなところに行ってきたの」


 その後、キルスは祖母に尋ねられるまま街でどんなことをしてきたのかを話し続けたのであった。


「……それで、シュレリーの従姉の店っていう武器屋に寄ったんだけど……」


 いよいよ、キルス達の話しは武器屋での出来事となった。


「……はぁ、シーブルト工房はそこまで落ちたか」

「ほんとにね。ダリアンも悲しんでいるでしょうね」


 コルスやレーラもこの街でずいぶんと長いこと冒険者をしていたこともあり、当然武器工房であるシーブルト工房のことは知っていた。

 また、2人は初代であるダリアンの武器も使ったことがあったことから、その孫であるドーロンの現在の様子を聞き顔をしかめていた。


「うん、それでね。おじいちゃんと、コルネリ兄さんに模擬戦をしてもらいたいの」

「模擬戦?」

「どういうこと」


 コルスとレーラはよくわからず首を傾げていたのでキルスとシュレリーは2人に模擬戦をすることでドーロンに自身の剣がなまくらだということをわからせることを説明した。


「なるほどな。まぁ、それで、ドーロンが理解できるかはわからないが、いいんじゃないか、だが、模擬戦をするのは俺じゃなく、キルスお前がするんだ」

「えっ、俺が?」

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