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46 再戦のときへ

「あのときと似たような形になりましたね」


 リリィが紅鳳の剣(ミラーファ)を携え、俺の側に近寄った。


 あのとき――か。


 そう、光竜王封印戦の際は、このメンバーやヴィクターさんと一緒に戦ったんだ。


 ただ、オリジナルの光竜王は【強化】の『天の遺産』を持っていたし、配下の七竜騎も三人いた。


 さらに二人の保持者――ディータとシリルも襲ってきた。


「あの時に比べれば、敵の戦力は低いか」


 つぶやく俺。


「そういうこと。あたしたちがそろえば負ける要素はないねっ」


 マルチナが蒼天牙(ファイザ)を手に威勢よく叫ぶ。


「俺だってこいつがある分、前より強いからな。忘れんなよ」


 と、マーガレットは手に入れたばかりの紅翼の刃(デュランディス)を構える。


「……ああ、そうだな」


 油断するつもりはないけど、このメンバーならきっと勝てる。


 しかも、決め手となった『付与魔術・第三術式』を今の俺は連発できるんだ。


「こざかしい戦力分析でもしているのか、人間どもよ」


 光竜王が笑った。


「かつてお前たちが戦った光竜王やその配下、仲間たちと比べ、今の我は弱い――」


 ニヤリ、と。


 その笑みが深くなる。


「まさか、そのような勘違いをしているのではなかろうな?」

「じゃあ、お前はオリジナルよりも強くなってるっていうのか?」


 俺は燐光竜帝剣(レファイド)を構え直し、光竜王を見据えた。


 彫りの深い美しい顔立ちの青年。


 以前に戦った『超巨大な竜』とは、かけ離れたビジュアルだ。


 けれど、その威圧感は変わっていない。


 いや、もしかしたらあのとき以上か――?


「試してみるがいい」

「……そうさせてもらう」


 俺は『付与魔術第三術式』を発動した。


 以前の戦いでは『切り札』という位置づけだったけれど、今なら『牽制』くらいの意味合いで撃つことができる。


「こいつで!」


 しゅごおおおおおおおおおおおおおっ!


 俺の背後に浮かび上がった無数の武具が、いっせいに射出された。


 その中には大量の魔剣も混じっている。


 かつて奴に食らわせた『第三術式』よりも格段に威力が上がっているはずだ。


「どうだ――」


 無数の武具が炸裂するのと同時に、衝撃波が吹き荒れ、床が削れ、砂塵が巻き起こった。


 その砂塵が光竜王の姿を覆い隠す。

 と――、


「お前に【付与】の『天の遺産』があるように――」


 未だ立ち込める砂塵の向こうから、光竜王の声がした。


 ポウッ……。


 淡い輝きが見える。


 ゆっくりと砂塵が晴れていく。


「そ、それは……!?」


 現れた光竜王は、体の周囲を光のドームで覆っていた。


「我にもまた『天の遺産』があることを忘れるな」


 光竜王はまったくの無傷だった。


 俺の『第三術式』の威力が届いていない。


 あのドームは、まさか――。


「【強化】の遺産……!?」

「我が元に戻ってきたようなだな、『天の遺産』よ」


 光竜王がニヤリと笑った。」


 おそらく自分の防御能力を【強化】しているんだろう。


 それにしても『第三術式』の一斉射出を完全に遮断するほどの防御力とは――。


「お前も……オリジナルと同じように【強化】を使えるのか」


 俺は緊張感を高める。


「『遺産』とは、もともと適合者のもとに現れ、力を与えてくれる『星の力』の欠片のようだ。オリジナルがそうであったように、我もまた適合者ということだろう」


 光竜王がニヤリと笑う。


「いや、かつてよりも強くなった我は――あの時の我よりも、はるかに使いこなしてみせよう。そう、このように――」


 どんっ!


 光竜王が光弾を放った。


 一直線に駆け抜けていくそれは――俺たちがいるのとは、まったく違う方向に飛んでいく。


「はっ! どこに撃ってるんだよ!」


 マーガレットが叫んだ。


「すぐに分かる」


 光竜王は動じない。


 やがて、通路のずっと先から爆発音が聞こえてきた。


「――命中だな」


 と、光竜王。


 命中?

 どういう意味だ?


 怪訝に思った次の瞬間、


 ごうっ!


 光竜王の全身が光に包まれた。


「ポイント回収、完了だ」


 満足げにつぶやく光竜王。


「回収って……」


 眉をひそめた俺は、次の瞬間ハッと気づく。


「お前、まさか――」

「ここには『天星兵団』とやらが数カ所に配置されているようだからな。そのうちの兵士らしき連中を適当に片づけた。お前たちのように……我も大量のポイントを獲得したぞ」


 告げて、両手を掲げる光竜王。


「今度は我の番だ。第三術式起動――」

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