5 旅立ちの時へ
「とりあえず質問。ニーナのことで」
ミラベルがグイッと顔を近づけた。
「顔近いな……」
「ぐいぐい行くから」
「ぐいぐい来るのか」
「ぐいぐいぐいぐい行く」
目がキラキラしている。
興味津々と言った感じだ。
「レインはニーナに告白された?」
「え、それは……」
いきなりド直球の質問に、俺は思わずたじろいだ。
「レインとニーナがラブラブカップルに?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど……」
「じゃあ、レインが二股かけてたことをニーナから追及された?」
「いや、かけてないし」
二股どころか、そういう相手自体いないし。
「二股どころか、そういう相手自体がいないのに聞いてごめん」
「内心を完璧に読まれた!?」
「というか、実は知ってた。ニーナの気持ち」
「えっ」
「端から見てるとバレバレ」
「そうだったのか……」
俺は全然気づかなかったぞ。
「で、ニーナが告白したのはレインの雰囲気からして100億パーセント間違いないとして」
ミラベルが俺に顔を近づける。
今まで以上に。
というか、さすがに近づきすぎだ。
俺はのけぞるようにして距離を取る。
「レインは彼女をどう思っているの?」
「えっ」
「どう――思っているの?」
ミラベルの表情が真剣みを増す。
「どうしたんだよ、ミラベル……」
「いや、面白そうな展開ならみんなに言いふらそうかと」
「ただの野次馬根性だった!?」
そして――旅立ちの時は近づく。
「今回は『戦い』じゃない……」
俺はふうっと息をついた。
「結果的に戦うことになるかもしれないけど――」
俺は自分の力のルーツを探りたい。
知りたいんだ。
俺の付与魔術が突然ここまで強大になった理由を。
そして、なぜ俺に『天の遺産』なんて力が与えられたのかも。
だから、もう一度彼女たちに会う必要がある。
『破壊』の力を持つディータ。
『移動』の力を持つシリル。
あるいは、彼女たち以外の『天の遺産』持ちとも……。
「でも、まずは――」
同じ『天の遺産』持ちであるヴィクターさんを探そう。
確実に味方になってくれそうだし。
会うことが出来たら、まずはヴィクターさんと今後の方針を相談しよう。
……っていうか、光竜王戦の後、もう少しちゃんと話すべきだったかな。
ヴィクターさん、すぐに旅立っちゃったからなぁ。
そして、一度旅立つと再会するのが非常に難しいのが、ヴィクターさんだ。
「あの人とんでもない方向音痴だからなぁ」
俺はため息をついた。
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