1 マルチナと勇者の称号1
光竜王を撃破して二日が経った。
俺たちは国賓として王城に滞在している。
光竜王との件も決着がついたし、そろそろ気ままなセカンドライフを楽しみたいんだよな……。
というのが、俺の本音だ。
まあ、光竜王を倒したとはいえ、『天の遺産』を持つ者たち――ディータやシリルとはまだ決着がついていない。
まだまだ平穏な日々には遠いかもしれないけれど。
しばらくでもいいから、のんびり暮らしたいもんだ――。
「悔しいけど、君こそが真の勇者――かもしれないね」
その日、王城で会ったマルチナは開口一番、俺にそう言った。
「えっ」
「だって光竜王を倒した決定打は君だし。戦闘でも、明らかに一番貢献していたのは君だし」
「い、いや、みんながんばったからだよ」
「ふふ、そういう謙虚なところも勇者っぽいよ、レインくん」
マルチナが微笑む。
それから軽くジト目になり、
「悔しいけど……悔しいけど……ぐぬぬ」
だんだん眉間が寄ってくるマルチナ。
拗ねたように口をとがらせている。
あ、やっぱり相当悔しいんだな……。
「マルチナって、やっぱり勇者の称号にこだわってるんだな」
「それは、まあ……あたしは勇者の家系だしね」
と、マルチナ。
「そもそも勇者ってどういうものなんだ? なんとなく世間がそう呼んでいる人が勇者、ってイメージだけど」
「そうだね……厳密にいうと、あたしが目指しているのは『ウラリス王国で認定された称号』としての勇者なの。名誉職っていう言葉が近いかな?」
「へえ、勇者ってそういうものなんだ」
「他国でも同じような称号認定としての勇者というのはあるんだけど、ウラリスは勇者エルヴァインを輩出した国だから、特にこの国での称号認定はランクが高いとされているのよ」
マルチナが誇らしげに語る。
「その認定はどうやってされるんだ? やっぱり魔王退治とか?」
「そうね……まあ、この時代に魔王はいないから、同格か、それに近い『世界の敵』を討った場合に、認定される可能性があるんじゃないかな」
「『世界の敵』……か」
「そ。君が倒した光竜王みたいにね」
マルチナが言った。
「光竜王は全員で倒したんじゃないか」
「そうだけど……さっきも言ったように、最後に決定打を撃ったのは君よ。貢献度から考えても、光竜王を討ったのはレインくんだと思うし、世間はそう考えるよ」
「えっ、じゃあ、もしかして――俺が勇者として認定される可能性があるのか」







