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好きにして

「宿、あったね」

「はい!」


 宿が見えてきて、私がそう言うと、心做しか、いつもより嬉しそうに、返事をしてくれた。

 セナも休みたかったのかな? 確かに、いくら強くて吸血鬼とはいえ、ずっと、私のことを運んでくれたりして、疲れが溜まってるのかも。


 そう思って、私は部屋を借りて、直ぐにセナと一緒に部屋に入った。

 私が居ないと、セナは休まないだろうし、私も、一人で外を出かけるのは、セナと出会ってから、無理になったから。

 

「セナ、休もっか。疲れたし」


 私は全然疲れてないんだけどさ。……だって、私セナに運ばれてただけだもん。これで疲れてたら、私は何も出来ないよ。

 ただ、こう言っておかないと、セナは休んでくれないと思ったから、そう言った。


「?」


 すると、何故かセナは首を傾げてきた。

 ……可愛いけど、なんで? 休みたいんじゃないのかな。……さっき、嬉しそうなのが、私の勘違いってこと?


「マスターが、我慢しなくてもいいって言ったんですよ。……休ませませんよ? マスター」


 そんなことを考えていると、そう言ってくるセナに優しくベッドに押し倒された。

 

「えっ……えっと、い、一緒に、寝る?」


 私がそう聞くと、いつもみたいにいきなり着ていたものを全部消されて、裸にされた。

 私は突然のことにびっくりして、体を隠そうとしたんだけど、セナに上から腕を押えられて、隠せなかった。


「あっ……せ、セナ、ど、うしたの? 恥ずかしいんだけど」


 私はなるべく冷静なように見せかけて、そう言った。

 ほんとは内心、今からセナに何をされるのか、めちゃくちゃドキドキしてるのに。

 

「マスター、好きです」


 私がドキドキしていると、そう言って、セナは唇を重ねてきた。

 そして、そのまま、舌を入れて、絡めてきた。

 すると、セナはもう私に抵抗の意思がないことが分かったのか、腕を抑えるのをやめて、私の胸に手を伸ばしてきた。

 私はそんなセナを求めるように、セナに向かって手を伸ばして、軽く、抱きしめた。


 すると、セナはセナの服も消して、私と同じ、裸になってくれた。

 いつ見ても、綺麗な体だと思う。……今はキスをしてて、あんまり見えないけど。

 

「ますたぁ、いいん、ですよね」


 舌を出して、唇を離したセナはそう聞いてきた。

 これ、だめって言ったとしても、止まる雰囲気じゃないと思う。……それに、我慢しなくていいって言ったのは私だし、割とココ最近は、えっちなこと、いっぱいされてきたから、慣れて……はないけど、セナになら、何をされてもいい。


「……好きに、して」


 だから、そう言った。


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