もう、セナがいないと、生きていけない
セナに口にキスをしてもらって、ほんとに、力が入らなくなってきた。
「せ、な……好き」
「私も、大好き、ですっ」
そう言って、また、セナはキスをしてきた。
なんか、やばい。私、もう、セナがいなくちゃ、生きていけない。……追っ手がいるから、とかじゃなくて、セナが好きすぎて、近くにいてくれなきゃ、もう、やだ。
そう思って、私はセナを更に強く、抱きしめた。
「んっ、ますたぁ……」
すると、セナは嬉しそうに、私のことを呼んで、更に私のことを求めてくれた。
「……ん」
私は、いつの間にか眠ってたみたいで、全裸の状態で、同じく全裸のセナに抱きしめられながら、目を覚ました。
「んへへ……あ、マスター、おはようございます」
「……おはよ、セナ」
そう言いながら、私の方からも、セナのことを抱きしめた。
肌が触れ合って、気持ちよくて、セナの肌ってことが、凄く、幸せ。
「セナ、そろそろ、別の街、あの貴族の追っ手が届かない、違う国に行こう」
もう少し、このままでいたかったけど、違う国に着いたら、ずっと、こうしてられるんだから、それを考えれば、うん。早く進もう。
そう思って、私はセナの頭を少し撫でてから、抱きしめるのをやめた。
すると、セナも渋々ながら、離してくれて、服を出してくれた。
「ありがと」
私がそう言うと、セナも、服を出して、着ていた。……着るっていうか、なんか、肌に直接服が出てきて、一瞬で着てたから、着るって言うのかは分からないけど。
……と言うか、私にもそれ、出来ないのかな。……まぁ、いいや。
服を着ていると、体に視線を感じたけど、もう、いいや。……また明日になったら、恥ずかしくなるかもしれないけど、少なくとも今日は恥ずかしいって感覚が麻痺してるから、気にしない。
服、昨日の汗、乾いてるな。
私は臭くないか、服の匂いを嗅いだんだけど、自分じゃ分からなかった。……まぁ、大丈夫か。仮に臭くても、セナに昨日いっぱい嗅がれたし、今更か。……嫌なことには変わりないけど。
「……セナ、私のこと、運んでくれる?」
「もちろんです!」
私はそのまま、歩き出そうとしたんだけど、昨日、いつもより頑張って、歩いたからか、筋肉痛で、痛くて上手く歩けなかったから、私はそう言った。
……自信満々に歩き出そうとしたのに、歩けなかった恥ずかしさを我慢しながら。




