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嫌だったわけじゃないけど

 全裸で目を覚ました私は、直ぐに昨日のことを思い出した。


「大丈夫ですよ、マスター。私がいるので、安心して、可愛い姿を見せてください」


 セナのその言葉を最後に、私の意識は途切れていって、もう、よく覚えてない。……でも、セナが温かくて、どうしようもなくセナを求めて、何か、気持ちよかったのだけは覚えてる。





「マスター、おはようございます」


 そして、そんなことを思い出していると、私を裸のまま抱きしめてきている、セナにそう言われた。

 

「……変態、えっち、最低」


 別に、昨日のことが嫌だったわけではない。最後の方は、あんまり覚えてないけど、私の方から求めてたと思うし。でも、あんなことになった原因はセナで、こんな普通に挨拶なんてされたら、こう言いたくなった。

 実際、優しくしてって言ってたのに、全然優しくしてくれなかったし。……胸だって、最初、だめって言ってたのに。……いや、それは、街に入る前に触っていいって言ったからかもだけどさ。


「そっ、れは、ま、ますたーが触ってもいいって、言ったんじゃないですか」


 私の言葉を聞いたセナは、びっくりした様子で、私にセナの小さな胸を押し当ててきながら、そう言ってきた。


「そう、だけど……優しくって、言ったじゃん」


 そんなセナにそう言って、私もセナの好きな胸を押し当てるように、抱きつき返した。

 ……さっきも思ったけど、嫌だった訳では無いから、そこら辺を勘違いされないように。

 ……決して私がセナに胸を押し当てたかったからとかでは無い。……私、そんな痴女じゃないし。……あれ、そう考えたら、今私に胸を押し当ててきてるセナは痴女? んー、セナは可愛いし、なんでもいいや。


「だ、だって……仕方ない、じゃないですか……マスターのあんな姿を見て、触って、我慢するなんて、無理、ですよ……」


 私がそう思っていると、セナは更に胸を押し当てるようにギュッ、としてきながら、そう言ってきた。

 ……セナの胸、大きいわけじゃないけど、柔らかくて、妙に意識しちゃうから、そんなに、押し当てないで欲しい。


「私、マスターのこと、大好き、なんですから」

「……私も好き、だから、いいけどさ」

「えへへ、両思い、ですね」


 照れた様に顔を赤くしながら、セナは私にそう言ってきた。

 ……両思い。……女の子同士、なのに。……裸同士で抱き合って、色々な大事な場所も触られてるんだから、今更、言い訳はだめ、かな。


「うん。大好きだよ、セナ」


 そう思って、自分に言い訳をするのをやめた私は、セナにそう言いながら、セナの唇に私の唇を重ねた。

 セナは珍しく少し目を見開いて、動揺していたけど、直ぐに私を受け入れてくれた。

 ……早く、少しでも早く、追っ手が来てる可能性があるから、逃げないとだめなんだけど、今日くらいは、セナとこうしてたいな。

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