これは、確かめるため
私は、セナの腕の中で目を覚ました。……裸のままでお姫様抱っこをされた状態で。
「あ、マスター、おはようございます」
「……うん。おは、よう」
私は顔を赤くしながら、そう言った。
だって、昨日は、頭がふわふわしてたから、恥じらいとか、感じる余裕がなかったけど、今はそんなことないから。
「セナ、一旦、下ろして。……と言うか、服、着せておいてよ」
服を消すことが出来たんだから、一瞬で着せることもできるでしょ、と思って、私はそう言った。
「大丈夫ですよ。誰にも見られてませんから」
……そういう話じゃなくてさ。……そもそも、セナが見てるじゃん。……昨日見られたとはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしいんだから。
……まぁ、セナの首に腕を回して、抱きついてるから、胸とかは見られてないんだけど、逆に言ったら、それ以外は見られてたってことだよね。……寝てる間に。
「……早く、下ろして」
「……はい。……分かりました」
私が改めてそう言うと、セナは残念そうにそう言ってきた。
セナにそんな顔はさせたくなかったけど、こんな格好のままにしておくセナが悪いんだから、私は何も言わずに、下ろしてもらった。
「……セナ、目、瞑って」
そして、下ろしてもらったところで、私は胸を見られないように抱きつきながら、そう言った。
「んっ……ま、ますたー」
「……何?」
「閉じなきゃ、だめ、ですか?」
すると、セナは嬉しそうにしながら、そう聞いてきた。
……なんで嬉しそうにしてるの? ……もしかして、胸、かな。やっぱり、セナって、胸、好きなのかな。
今だって、見たいって言ってるようなものだし……
「……ま、待って。……このまま、私に服、着せられないの?」
私はこのまま着せられるなら、離れても胸を見られる心配は無いから、そう聞いた。
「……無理、です。……脱がせることしか、出来ません」
「……そっか。……じゃあ、目、閉じて」
着せるのが無理なら、やっぱり見られることになっちゃうし、昨日みたいな感じじゃないのに見られるのは恥ずかしいから、私はそう言った。
「……わかり、ました」
「あ、あと、服、出して」
「……はい」
そして私がそうお願いすると、セナは素直に服を出してくれた。もちろん下着も一緒に。
私は下着をつけようとしたところで、目の前で目を閉じているセナの方を見た。
……これは、確かめるため、だから。セナがほんとに胸が好きなのか、確信を得るため、だから。
そう思って、私はセナの手を取って、私の胸に持っていった。
「ま、マスター!? こ、これ……」
すると、セナはびっくりした様子でそう言ってきた。




