私が悪い……と思うし
「セナ、今日はこの辺で一旦休も?」
セナの誤解を解いた後、あの宿が見つからなかった街に向かって歩いたんだけど、着く頃には夜になってて、門が閉まってたし、あの騎士に見つかった街から一番近い街だったから、よく考えたらすぐに追っ手が来ると思って、あの街を通り過ぎてしばらくだったところで、私はそう言った。
「いえ、私は夜もマスターを抱えて歩き続けられるので、マスターだけお休みしていただいて大丈夫ですよ」
「……私はありがたいけど、血、飲まなくて大丈夫?」
さっき、後で血も飲みたかったら言って私が言った時に、セナが嬉しそうにしてたから、飲みたかったんじゃないかと思って、私はそう聞いた。
「た、確かに、飲みたい、です。……で、でも、今は、マスターのせいで、飲んだら、我慢、出来なくなっちゃいます」
すると、セナは顔を赤くして、嬉しそうにそう言ってきた。
やっぱり、飲みたいんだ。……でも、我慢できなくなるって、この前、みたいな事を言ってるんだよね。……いや、でも、さっき飲んでいいって言ったし、仕方ない。うん。
「……別に、いいよ」
そう思って、私はそう言った。
そもそも、私のせいで我慢出来ないって言う意味は分からないけど、私のせいって言うなら、私が悪い……と思うし。
「い、いいんですか?」
私の言葉を聞いたセナは、いいって言ってるのに、改めてそう聞いてきた。
私はまたいいって言うのが恥ずかしく感じて、黙って頷いた。
「ますたぁ」
すると、セナは私のことを呼びながら、首元を舐めてきた。
そして、舐められたところで、私は思い出した。
私、最近水浴びすら出来てない。……今、私絶対臭い。
「ま、待って、セナ、や、やっぱり――」
やっぱりやめて。私がそう言おうとしたところで、セナは私の服の下に手を入れて、お腹辺りを触りながら、顔を近づけてきて、私の唇にセナの唇を重ねてきた。
私はびっくりして、セナから距離を取ろうとした瞬間、セナはそのまま舌を入れてきて、舌を絡ませてきた。
私は一瞬で力が抜けてきて、セナにもたれ掛かるように、体を預けた。
すると、そのままセナは舌を絡ませるのをやめて、私の舌に優しく噛み付いてきた。
痛いのを覚悟したけど、痛くなかった。舌を噛まれてるのに、痛くない。それどころか、気持ちよかった。
体が熱くなってきて、セナをもっと感じたくなった私は、息を荒くしながら、セナにギュッと抱きついた。
「せなぁ……もう、一回、しよ」
セナが私の舌から血を飲むのをやめて、息を荒くしながら離れたところで、私はそう言った。




