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あんまり、変わった様子はない?

「そろそろ、到着しますよ」


 荷馬車にセナと一緒に揺られていると、突然商人の人がそう言ってきた。

 そして、荷馬車の速度が緩んできたところで、保険の人が荷馬車から降りていった。

 そんな保険の人の様子を見た私は、私たちも一応降りておこうと思って、セナと一緒に、荷馬車を降りた。

 

 そうして、ゆっくり移動している荷馬車に少しの間着いていくと、門に着いた。

 商人の人が門番の人に何かを見せると、門番の人は荷馬車を軽く確認してから、私たちと保険の人にも身分を証明するもの見せろと言ってきた。

 言われた通り、私たちと、保険の人が身分を証明するものを見せると、無事に街の中に入れて貰えた。


 私は内心ビクビクしながら、街に入ったんだけど、特に騒ぎになってる様子はなくて、この前来た時と、あんまり変わっていなかった。

 ……ギルドでの出来事だし、街の人達は関係ない無いって感じなのかな。


 そう思いながら、私はギルドに向かって行く荷馬車について行った。


 そして、ギルドに着くと、商人の人は荷馬車をギルドの裏に置いて、ギルドに入っていった。それに続いて、保険の人も入っていったし、私たちもそれに続くことにした。

 

 ギルドに入ると、ギルドの様子もあまり変わっていないように見えた。

 ……なんで? ……表に出さないようにしてるだけ? ギルドマスターが死んだなんて、大事件、だもんね。それを隙と捉える人もいるだろうし。……だから、かな。


「おめでとうございます。試験は合格ですよ」


 私がそんなことを考えていると、商人の人と話していた、ギルドの職員の人に、そう言われた。

 

「あ、ありがとうございます?」


 全然私の力で合格できたわけじゃないし、こういう時どういう反応をしたらいいのか分からなかったから、私はそう言った。

 これがもし、私の力で合格してたんだったら、もっと喜んだんだろうな。

 まぁ、いいや。セナと一緒ってことは素直に嬉しいし。


「マスター、良かったですね」

「うん」


 私はそんなセナの言葉に頷きながら、ランクが上がった冒険者用の身分証を職員の人から受け取った。


 そして、用が済んだ私たちは、あの時の受付の人に見つかる前に、さっさと街を出ようと思って、取り敢えず、ギルドを出ることにした。

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