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また、木の上で

「セナ、ここから街の位置とか分からない? 人がいっぱいいる場所」

「分かりません。ごめんなさい、マスター」


 辺りが暗くなってきたころにそう聞くと、セナがしょんぼりした様子で、そう言ってきた。

 それを聞いた私は慌てて言った。


「謝らなくていいから! むしろこんなに長い時間運んでもらったことに私が謝りたいぐらいだから」

「と、とんでもないです! そ、それに……私の方こそお礼を言いたいと言いますか……」


 私がそう言うと、セナはそんな訳の分からないことを言った。

 ……私の役に立てたから嬉しいってこと? ……流石に自意識過剰かな。……いや、でもいつもセナは私の役に立ちたいって言ってるし。

 まぁ、セナは私のそばにいてくれるだけで支えになってるんだけどさ。


「よく分からないけど、近くに街はないみたいだから、この辺で野宿することになるね」


 まぁ、仮に近くに街があったとしても、門を開けてくれないだろうから、野宿することには変わりないんだけどさ。


「はい!」


 そして私の言葉を聞いたセナは妙に嬉しそうに返事をした。

 この前言ってたことが本当なんだとしたら、セナが嬉しそうな理由は何となく察することが出来る。

 そんなセナの言葉を覚えていたからこそ、テントとか、何も準備をせずに街を出たんだけど、食料くらいは持ってきたら良かったな。……普通に忘れてた。


「セナ、お腹すいてない?」


 一日くらい我慢できるか、と考えた私は、一応セナにそう聞いた。

 大丈夫とは言ってたけど、結構な距離を私を運んで歩いてもらったわけだし、お腹がすいてる可能性もあると思って。……後は単純に飲みたいのなら飲んでくれていいし。


「私は大丈夫です。私なんかより、マスターこそ大丈夫ですか? 食料、持ってきてませんよね」

「私も大丈夫だよ」


 お腹は空いてるけど、そんなことを正直に言ったら、セナが何かを狩ってくるとか言い出して、またセナに負担をかけちゃうかもしれないから、私はそう言った。

 実際一日くらい大丈夫だと思ってるし。


「ほんとですか?」

「うん」


 セナは私の言葉を信じてくれたのか、あの時みたいに、木の上に登った。……もちろん私をお姫様抱っこしたまま。


「セナ、ごめんだけど、私はもう寝るね」

「分かりました。ゆっくり休んでください」


 お腹がすいたのを少しでも我慢するために、私はもう寝ることにした。

 普通に疲れてるって理由もあるけど。


「……ほんとにセナは寝なくて大丈夫?」


 私はセナの腕の中で寝ようとしたけど、一旦やめて、そう聞いた。


「はい、大丈夫ですよ。それに、大丈夫じゃなかったとしても、私はマスターを感じてたいんです」


 そう言ってセナは私を落とさないように片手で、ぎゅっ、としてきた。

 

「無理はしないでね」

「分かりました」


 セナの返事を聞いた私は、セナの体温を感じながら、眠りについた。

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