サイン本企画で出版社に行ってみた。
『魔術師の杖⑧ネリアと魔導列車の旅』発売記念。
サイン本プレゼント企画にご応募、拡散へご協力頂きありがとうございました!
当選された方おめでとうございます!
2024年10月25日に『魔術師の杖』シリーズ第8巻、『魔術師の杖⑧ネリアと魔導列車の旅』が発売されたのを記念して、なんと人生初!
『サイン本を20名様にプレゼント!』
……というのをやりました。私の人生でも初ですが、お世話になっているレーベルさんも、創刊3年目にして初の試みで。
きっかけは「サイン本の企画はありませんか?」という、読者さんから私に問い合わせがあり。
「こんな問い合わせがありました。でも無理ですよね」と、編集長にダメ元でたずねたところ、「お試しでやってみましょう」というお返事が!
「じゃあ1名様にプレゼント……」
「それじゃ当たる気しませんよ!」
そんなこんなで20冊、どーんと用意して頂きました。
トントン……と話が進むかというと、そこは会社ですから。承認とか決済とか色々あって、半年後に実現しました。まぁ、準備期間が半年あったわけですね。
「10月発売の8巻で行います。準備もありますから8月頭には原稿を上げてくださいね!」
「わかりました。SS書いてサイン本に挟んでもいいですか?」
「いいですよ」
やったー!夢のサイン本企画がついに実現するんですもん。そりゃ張り切りますよ。
と・こ・ろ・が……肝心の原稿が全然書きあがりません。書いちゃ消し、書いちゃ消し……スランプとはまさにこのこと⁉
(ゆ、夢のサイン本企画が……)
夏休みで家族が、大阪だ箱根だと旅行に出かける中、自宅にひとり缶詰状態で原稿に向かう日々。進んでいるのに進まない。書いているのに終わらない。
一時は『発売延期』の文字もチラつき、絶望感に打ちひしがれました。
でもやっぱり書きたいこととか、伝えたいこととか整理して書き続け……最後は連休を使ってラストスパート。無事8巻が完成して発売されました!
何しろ初めての企画ですから、そこでもワタワタしまして。
「11月になったら告知して、〆切は11月末日で。粉雪さんは12月にサインしに本社へいらしてください」
「いやいや、発売日までに盛り上げて行きましょうよ。今すぐ告知しましょう!」
発売日の1週間ぐらい前に急遽告知。
(応募くるかな……)
ほんとドキドキでした。
本を出版した直後は、虚脱状態でヘロヘロです。気分を変えるために街に出たら、とっくに夏は終わり、季節は秋に替わっていました。
忙しすぎて夏の記憶が……暑かったことは覚えてます(汗
本が発売されてすぐに月をまたぎ、お店の飾りつけも一瞬で、ハロウィンからクリスマス仕様に変わっています。素敵なデザインのカードに、ふと目が留まりました。
(SSをこれに挟んで送ったら、受け取る人も気分が盛り上がるよね!)
何気なく思いつきカードを選び始めたら、気持ちも上向きに。そんな単純なことで元気になる私。
用意していた3千字ほどのSSSを、何度か見直して書きあげます。折ってカードに挟めるサイズ……と選んだA5の便箋4枚に納まるよう、文章をギリギリ削って自宅でプリントアウト。封筒にスタンプをポンポン。
けれど4×20=80枚。用意していた便箋では足りず、慌てて追加で買ってきたり。
厚手の紙でプリンターが紙詰まりを起こし、クシャッとなったカードの代わりを慌てて買いに走ったり。
準備は大変でしたがワクワクの方が勝っていました。
ところがちょうど折り悪く、Xからユーザーさんが流出しているタイミングで。
画像が使えなくなる⁉
リンク付きのポストは表示を減らされる⁉
このままでは企画倒れになる恐れが……本の売り上げよりそっちが気になる!
もしも応募が集まらなければ、次はないでしょう。他の作家さんにもバトンとして手渡したいという思いもあり、サイン本企画は何とか成功させたかったのです。Xとなろうで必死に呼びかけました。
ここで私はなろうの底力を見ました!
なろうのユーザー様から企画への応募だけでなく、Xでの拡散にもご協力頂いたのです。おかげさまで募集を超える応募がありました!
編集部一同で感謝しております。本当にありがとうございます!
けれどまだ油断はできません。本を当選者のお手元に届けられて、ようやく成功といえます。
12月吉日サインのため、神保町にあるインプレス本社を訪問しました。書籍化によりおつき合いは3年になりますが、今回が初訪問。
メトロ神保町駅9番出口より左に歩き2ブロック目……〆(・_・*)
インプレス社どーん。
いろんな本が制作されています。総合受付でサイン本&コミカライズ担当のS様と合流。
『魔術師の杖』はPOD出版のため、都度印刷して製本されます。そのぶん紙書籍は高くなり、本は書店に並びません。
本を出しても出しても認識されず、「何その無理ゲー」みたいに圧倒的不利な状況の中、地道に刊行を重ねて生き抜いてきたシリーズ最新作です。
何で続けられたのかというと、読者さんの応援ももちろんのこと、ひとえに私が作品の力を信じていたからですね。
信念がなきゃ、続けられなかったです。
私が持参したのはSSSを入れた封筒に、サインで使うマッキー、落款がわりの『粉雪』スタンプ、サインした後に挟むティッシュなどです。
生まれて初めて、自分の著書にサインしました!
緊張のあまり線がブレブレになったり、スタンプの向きを間違えて押してしまったり……そこはお許しを(汗
20冊並んだ表紙はまるで無限ユーリ……壮観です!!
自分の本をこんなにいっぱい見るのは初めて!!
あとは当選者の方に届けられるのを待つだけ……。
実際にやると大変でしたし、この後さらに出版社の方にも発送の手間をおかけするのですが、やったかいはありました。
なろうで書き始めて4年で本を9冊上梓し、コミカライズも決まりました。感謝の気持ちを形にしたかったのです。
インプレスnext publishingの社長さん曰く、『まだ当選者の手元に届いてからの反応を見ないと、成功とは言えませんよ』と釘を刺されておりますが。
ひとつの大きな企画を任されて、無事に成功させたことは、私にとってもいい経験になりました。
読者さんからの感想に添えられた、ひと言がきっかけになりましたし、S様からも「販促につながるアイディアはどんどん出してください」と言われました。
最初からあきらめてしまわず、まずは「言ってみる」「やってみる」が大切ですね。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。
【後日談】
「家宝にします!」
「サイン本当たるの初めてです!運を使い切りましたが、それでもイイ!」
反応を頂くたび、やってよかったなぁ……と思いました。その年の暮れに私は退職することを決意、現在は執筆に専念しております。
翌年の2025年春には9巻『魔術師の杖⑨ネリアと夜の精霊』を上梓し、11月1日からWEB雑誌『MAGUKAN』様にてコミカライズ連載も始まりました。
サイン本企画、9巻ではできませんでしたが、またやりたいですね!






